山岳写真を中心に花、滝渓谷、自転車、モータースポーツ、夜景等の分野で、美しいと感じた風景を写真と撮影記で紹介していきます。

shibawannkoの撮影山行

〔100名山〕安達太良山 冬 ~ダブルヘッター1山目!これぞ東北の厳冬期!~

東北地方にこの時期大変貴重な確からしそうな晴れ予報が出る。
昨年から狙っていた蔵王か、昨年ガスって中途半端だった安達太良山か西吾妻山か。
日帰り蔵王は心の準備ができていないので、昨年の安達太良山と西吾妻山の行き直しかな。
安達太良5山と西吾妻山はともに冬2回目の山で勝手は知っている。
そこでアグレッシブに、午前の安達太良山は朝焼け狙いでナイトハイク、午後の西吾妻山は夕焼け狙いでナイトハイク、という欲張りなダブルヘッターの計画とした。
ここまで行動量を増やせば、安達太良山か西吾妻山のどちらかはうまくいくでしょう。

ルート

〔山行〕5時間10分 /〔休憩〕2時間 /〔合計〕7時間10分
【上り】奥岳登山口 03:40 ⇒ 05:10 勢至平分岐 05:20 ⇒ 05:50 塩沢分岐 06:00 くろがね小屋 06:10 ⇒ 06:50 峰の辻 07:20 ⇒ 07:40 安達太良山
【下り】安達太良山 08:40 ⇒ 09:50 薬師岳10:00 ⇒ 10:10 五葉松平 ⇒ 10:50 奥岳登山口

山行記録 2019年1月30日(水)

上り(奥岳登山口 03:40 ⇒ 06:00 くろがね小屋 06:10 ⇒ 07:40 安達太良山)

EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 20mm f16 1/60sec ISO100 PLフィルター

03:40 安達太良高原スキー場発。
スキー場の脇を通り、2つの登山道の分岐に差し掛かる。
どっちに行こうか?
夜明けまでにあまり時間はないので遠回りはしたくないけれど、くろがね小屋経由の方がルートがしっかりしているかな、ということでくろがね小屋ルートを選択。
ほどなく先行者を追い抜くとトレースなし。
安達太良山でトレースがないとは...。
私こっちのルート歩いたことないんだよね。

平日朝焼け狙いのタイミングで山に入れば、やっぱりラッセル一番乗りになるか。
当初想定していなかったラッセルに多少驚きを隠せないながらも、自分が先頭で行くしか夜明け山頂に間に合う道はない。
ややルートが判然としないところはGPSで確認しながら進む。
安達太良山の斜面は広くてどこ歩いてよいか分からないのでGPS必須の山でしょう。

雪の深い所では、スノーシューの巨大な穴をボコボコあけながら進む。
一足一足体力が削がれていく体力消耗の懸念よりも、夜明けに山頂に着かなそうな方が心配だ。
けれど夜明けが近づくにつれ、そんな心配よりもそもそも天気がダメそうな気配。
空は晴れているが、安達太良山の山頂付近だけ雲がかかっている。
なんか去年も同じような天気だったな。。。
安達太良山の天気って難しいのかな?

峰の辻付近で夜明けを迎えるが、ガスがひどくて朝焼けはからっきしだった。
残念、、、こんな早い時間に登ってきたのに。
峰の辻で完全に真っ白になった山頂を見上げてどうしようか寒風吹きすさぶ中ウロウロ思案中。
山頂行っても何も撮れないしもう帰ろうかな、とかとか。

有給をねじ込んで遥々東北までの来たので、とりあえず頂上だけは踏むこととした。
峰の辻からほどなくしてエビの尻尾で覆われた乳首に到着。
冬は乳首の岩の隙間は全て雪で埋められているため、スノーシューでも簡単に登ることができました。

山頂(07:40 ⇒ 08:40)

EOS5DsR+EF70-200mmF4L ISⅡ USM 70mm f11 1/200sec ISO100 PLフィルター

乳首で写真を撮っていると、若干空が明るくなってくる。
鉄山方面は依然として雲が多いものの、あれだけ雲で覆われていた山頂から周囲の景色が見えるようになってきた。
やたー!
まじ途中で帰らないでよかった。
山の天気は何が起こるか分かりませんね。

乳首からの風景は素晴らしかった。
鉄山方面は一面真っ白なうえ、船明神山方面は一面スノーモンスターで覆われているではないか!
東北の冬の厳しさを感じさせてくれる光景が広がる。
素晴らしい。

これから天候が回復するのならば鉄山往復をと考えるやいなや、ガスが濃くなって今度こそ山頂は完全にガスに隠されてしまった。
乳首~鉄山の稜線は発達したエビの尻尾やスノーモンスター等があって、一番素晴らしい区間と楽しみにしていましたが残念。
帰ることにしました。
間近で沼ノ平を見たかったな。
ただ、厳冬期の安達太良山の景色を撮ることができて本当によかったよかった。
ここまできて真っ白だったらどうしようかと思いました。

下り(安達太良山 08:40 ⇒ 09:50 薬師岳 10:00 10:50 奥岳登山口

EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 19mm f16 1/125sec ISO100 PLフィルター

帰りは周遊すべく薬師岳方面へ。
一歩薬師岳方面へ歩き出すとこちらも完全にノートレース。
ルートファインディングの練習でちょうどいいや、と思いながら地形を確認しながら適当に進んでいく。

だたっ広い安達太良山の稜線は、発達した厳冬期のシュカブラが形成されていた。
凄い。
文様がはっきりでエッジが立っている!
今まで撮れそうで撮れなかった厳冬期の綺麗なシュカブラを撮ることができました。
シュカブラの他にもミドルサイズのスノーゴジラが手招きしている。
なんかこのスノーゴジラは心に訴えてくるものがあった。

そんな雪の斜面を楽しみながらも午後の西吾妻山が控えているため、足早に下りる。
こちらのルートは明るく開けていていいんですが、まさかこちらのルートもラッセルになろうとは。
今日一日フルラッセルで2つのコースの道作りをするとは思ってもいませんでした。

スノーシューでボコボコと大きな穴を作りながら雪面を凹ませて、なんとか薬師岳山頂駅に到達する。
ここまでくると今日の登山者の方々が登ってきていました。
ボードを担いで登ってきた青年と言葉を交わし、チョコを貰う。
山頂から稜線では風が強くて、3時に食事をしてから何も食べておらず、チョコの甘さが沁み渡りました。
ありがとうございました。

ここからはラッセルから解放され、スキー場の脇を歩き、早いペースで駐車場まで戻ることができました。
朝焼けは撮れませんでしたが、何とか目的の冬の安達太良山を撮ることができました。
引き続き好天が続いているので、50km移動して2山目の西吾妻山へ。

今日のお役立ちアイテム ~実際の使用状況と効果~

くろがね小屋ルートは初めてのルート。初めてのルートでトレースのないだたっ広い雪の斜面を夜間に登るのは、GPSを持っているといえども不安があります。
そんな中でも500ルーメンの照度を持つアイコンの威力は絶大で、暗闇の中でも地形を把握できるくらいに雪面を明るく照らし、雪原での夜間歩行の道迷いリスクを十分に低減してくれました。

降雪直後の平日、朝焼け狙いの一番乗り。人気の安達太良山でトレースがないなんて。。。
深い所だとスノーシューで膝下ラッセル。
軽量化のため、アイゼンとピッケルは持っていきませんでした。
薬師岳まで下りてくると、薬師岳で引き返えしていった登山者のつぼ足トレースが残っていました。
今日は雪が深く、スノーシューやワカンがないと登れなかったと思います。

安達太良山全線で、ピッケルよりストックの方が有用性が高いです。2本で360gと超軽量で扱いやすいストックが、雪原歩きの助けになりました。
以前の旧モデルはスノーバスケットが取り付けできず完全な無積雪期専用モデルでしたが、マイナーチェンジしたニューモデルはスノーバスケットをワンタッチで取り付けることができます。そのため、浮力は若干少ないものの超軽量のストックをそのまま冬用ストックとして使用することができます

山頂から広がる広大な景色を、手前のエビの尻尾やシュカブラを入れてダイナミックに表現するには超広角域が有効です。
安達太良山のように、シュカブラやエビの尻尾が多く発達する冬山においては、超広角域が標準ともいえるでしょう。
明るい雪原でF11~16まで絞り込むので開放値F2.8の明るいレンズは必要なく、星空撮影をしなければ軽量化も兼ねてF4の方がよいでしょう。

山頂からは、樹氷が成長したスノーモンスターを数多く見ることができます。
ただ山頂からは遠いので、スノーモンスターの重なりを中望遠で切り取ると良いでしょう。

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