なんかあまり面白みがなさそうで後回しにしていた二百名山の安平路山。登ったことがない山が少なくなってきて、ついに安平路山の出番が回ってきた。
ただでさえそこそ歩行時間の長い安平路山は、可能な限りアプローチを短くしたい。しかし悪名高き東沢林道は、記録によると段差が大きく、多くの登山者が車を諦めて徒歩でアプローチしている。車高が低い自分の車で突っ込むのは今度ばかりは無理かと思ったが、往復10kmの延長は耐え難い。
今まで数々の凶悪林道を乗り越えてきた。東沢林道もなんとか行けるだろう。未舗装林道に全くふさわしくない、車高の低い愛車REVORGで突っ込むことにした。
噂に違わず、なかなかの凶悪林道だった東沢林道を振り返ります。
リスク評価(5段階評価)
①距離:★★★
片道およそ5km。長くもなく短くもない感じ。段差で底擦りしないように10km/h前後のゆっくりな速度で走ることになるため、この5kmが相当長く感じる。焦らず耐えるのみ。
②落石:★★☆
路面の凸凹は大きく、白く大きな石が飛び出しているが、花崗岩なのだろうか。脆く崩れやすいからか、角が尖っている石は少ない。そのため、凸凹が激しい割にはパンクリスクは低いと思えた。このパンクリスクが低いと、ダート走行も相当気が楽になる。
➂道幅:★★★★☆
道幅は狭く、場所によっては車幅ギリギリまで両側の笹が迫る。この圧迫感というか切迫感はなかなかのものがあり、飛んで逃げ帰りたくなる瞬間も。
前半~中盤まではすれ違い場所もほぼなく、さらに緊張感を高める。幸い東沢林道を車で走破しようとする強者登山者は少数派と考えられるため、通常の時間帯で通過していれば、すれ違いも起きにくいと思われる。夕方くらいに前泊で登ってくる登山者とかち合わないことを願うばかりである。
④凸凹:★★★★★
東沢林道の最大のリスクは段差による底擦り。段差の種類は主に、①大きな石が飛び出ていることによる段差、②土砂流出防止の丸太+ゴム板の段差、➂土砂が流出したことによる縦溝の3つ。車高の低い車は、相当慎重にゆっくり走らないと底を擦ることになる。上りは大丈夫だったところも、荷重が乗る下りでは車の脇腹を擦るところもあった。
車高が低くくない普通車であれば、大丈夫なレベルだった。
東沢林道 レポート(2021年6月)
往路
古めかしい古民家が立ち並ぶ。廃村となっている大平宿が起点。ここまでも相当街から離れている。よく昔にこんなところに村落を築いたと思う。
自宅から大平宿まで片道270km。夜通し走って朝方着いた。眠疲れた。朝日が眩しい。
ここを右折で東沢林道に入る。舗装路をしばらく行くと、ロープゲート。
東沢林道ロープゲート。もうここの時点から見るからに道幅が狭い。行きますよ車で。ここから5kmの凶悪林道の始まり。ダート走行に自信がない人は、ここから歩いた方がよいと思う。
いやぁ、この先何が出てくるのやら。行けるのか行けないのか、ドキドキする。出だしからボコボコで車体が大きく上下左右に揺れ、緊張が走る。
1~2km走ると、何となく行けそうな感触を得たが、油断せずゆっくり車を走らせる。いつもこんな悪路ばかり走っているが、これでも車を大事にしてるのだ。愛車には申し訳ないが、今回も自分が消耗する代わりに頑張ってくれ。
うひー、ここらあたりかなり凸凹なうえ道幅狭くほぼ車幅スレスレ。対向車来たら完全にアウトなゾーン。左右の笹も立ち上がり、車にカサカサ当たり、圧迫感が半端ない。逃げ帰りたいがもはや逃げ場所はない。
パンクを極力回避するために7~13km/hの速度で、段差や尖がり等の危ないところは、止まりそうな速度で通過。
おお~っと、うちの車には厳しい段差が現れた。行き(上り)はよかったが、下りは愛車の脇腹を擦った。
ようやくの思いで休憩舎まで到達した。往路はなにが出てくるのか分からないため、異様なほどに神経をすり減らした。
よくまぁ、こんな車高の低い車で来たものだ。
過去の記録を見ると、林道の状況は以前は今よりずっと酷い状況のときもあったようだが、今の状況であれば、ほぼどんな車でも走破可能である。なんせ山に全く必要のないフロントエアロまで着けた、この車高の低い車でも通れたのだから。
あとは人によってのダート走行の経験とリスクの許容度次第と思われる。とはいえ”最凶”ではないが、”凶悪”林道の1つに認定した。
摺古木山山頂で他のパーティーから、「あの車高の低い車で、よく林道上がってきましたね~?」と褒められた?ときは、正直嬉しかった。
復路
18:10 下山。自分の車が見えたときは超嬉しかった。さて、本当の下山は、無事に東沢林道を通過し終えてのことを言う。とはいえ、復路は林道状況を分かっているので、かなり気が楽である。ゆっくり走れば大丈夫だ。
もう安平路山には来ないだろうな。東沢林道の路面状況を撮影しながら帰ることにする。
トイレ前付近。水の流れによってなのか、結構溝が掘れているが、今のところ特段問題ない。車高の低い車は神経を使うところ。東沢林道は土ではなく砂利っぽいので、流されやすいのだろうか。
なんせ車高が低いので、飛び出ている土砂流出防止のゴム板に軽く接触はする。しかしゴムなので擦っても特段問題はない。
大きな石が飛び出しており、角があまり尖っていない。パンクリスクは低いと思える。
辺りも暗くなり、ライトに照らされ浮かび上がる凸凹。
石が散乱する。バイクのオフ車だったら、こんな林道走行も楽しいんだけれど。
出た!ボッコボコでとびきり狭い区間。今4輪がどの位置にあるのかを意識しながら、慎重にルートを選んで走れば、辛うじて底を擦ることはなかった。。
ここら辺も荒れてますなー。一刻も早く立ち去りたい気持ちに駆られるが、急く気持ちを押さえて慎重にゆっくり走ることが非常に肝要である。
無事帰還。安平路山、もうお腹いっぱいです。再び訪れる日はあるのかな(終)。