山岳写真を中心に花、滝渓谷、自転車、モータースポーツ、夜景等の分野で、美しいと感じた風景を写真と撮影記で紹介していきます。

shibawannkoの撮影山行

芦ノ湖 一周サイクリング ~観光名所いっぱい!芦ノ湖は普通チャリでは一周できません(※要担ぎ押し歩き)~

登山の林道アプローチ対策として導入したMTBから自転車にハマり、山に行かないときはチャリ活用の対象として湖一周を楽しむ今日この頃。
近場なのに依然として残っている湖が芦ノ湖。どうやらこの芦ノ湖、芦ノ湖スカイラインは自転車進入禁止のため、ほかに一周する道路がないらしい。未舗装路ならある、とのことで、おそるおそるザク(LEVOのこと)を連れて行ってみることに。

 

芦ノ湖一周 map

〔距離〕一周約20km/〔標高差〕約40m/〔累積標高〕約300m
結論から言うと、芦ノ湖はチャリで一周走れる湖ではないです。自転車は通行可能か?というグレーな部分を除けば、芦ノ湖西岸は遊歩道・ハイキングコースです(正式名称は芦ノ湖西岸歩道)。平たく表現すれば、自分的には”遊歩道ではなく、標高差のない平坦な登山道”という感じでしょうか。登山道を自転車で走りますか?と言えば、通常は走らないと思います。
ではマウンテンバイクなら走れるか?と言うと、マウンテンバイクでも走れない段差はたくさんあるので、結構な部分を押し歩きと担ぎが必要です。
どうしても一周サイクリングに拘るのであれば、芦ノ湖西岸の遊歩道部分は自転車は担ぎ、その他の部分を走る、と割り切るのがよいかと思います。

 

撮影記録 2024年4月29日(06:10-10:00)

芦ノ湖西岸歩道

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/40sec ISO100 PLフィルター

06:10 箱根海賊船が停泊する、箱根駅伝広場からスタート。まだ朝早いので営業開始前でひっそり。背後には残雪を纏った富士山。何度も来ているけれど、箱根を代表する景観にテンションが上がる。

今日の一周作戦は、西岸歩道を散策する歩行者が現れない早い時間帯に、この区間を通過してしまおうというもの。手強い部分を先にこなして、後半は箱根の華やかな観光名所を連ねてゆるゆる帰って来ようという、我ながら理にかなった作戦だ(と思っている)。w

時計回りに湖に沿って小道に入っていく。釣り人の駐車車両がところどころ止まる細い小道を進んでゆくと、すぐに舗装路は終わって未舗装路へ。ええっ、もうこっから未舗装路スタートですかい。すぐに林道ゲートあり。「一般車道通行止め」の案内があるが、明確に自転車禁止とは書いてないので、進ませてもらいます。
ダートを軽快に走っていくと、湖の中に人!立ち枯れた木かなにかかと思ったら釣り人だったので、少しギョッとした。w

白浜まで来ると湖畔が砂浜になっていて、下りられるので下りてみる。地名は白浜となっているが、別に白くはない。忘れずに芦ノ湖と箱根山をバックに、ザクの記念写真。これで今日の自転車の写真はバッチリだ。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/30sec ISO100 PLフィルター

白浜からは、1人歩けるくらいの狭い道幅になり、両サイドは密な笹薮。このくらいだったらまだMTBで走れる。湖畔すぐのルートだから、湖面が見えるのかと言えば、草木が生い茂っており、ほとんど見えない。ときおり新緑の木々の向こうに湖面と箱根山が見えて、清々しい。

ところどころ大石ガレガレで、MTBでも押し歩き。進めばまともになるかと期待するが、藪が深くなって藪漕ぎですか?状態。藪を抜ければ、木の根が張り出して歩くのも面倒くさいくらい。上からは倒木が倒れ込み、くぐりまで発生。

ここまで来てなんとなく分かってきた。これはもうチャリのルートじゃないのは間違いない。平たく表現すれば、”遊歩道ではなく、標高差のない平坦な登山道”というのが自分の中で一番しっくりくる。登山歴は長く経験もあるので、歩くならばなんてことない道なのだが、これをチャリで走るとなると、それは違うよね?という感じ。w

芦ノ湖西岸歩道の具合がだんだん分かってきた。走れない大部分の区間は押し歩き、段差が大きいところは担ぎといった具合。進めないことはないので、あとはどれだけ素早くこの区間を抜けるか、という点が焦点に。
未舗装路を走る分には強力な電動MTBだが、担ぎとなると20kgという重量があだとなってくる。どうせ押し歩くか担ぐのならば、8-9kgの軽~いロードバイクで来ても良いんじゃないか?とも思えてくる。

07:00 ダートと格闘して既に50分、白浜から3.2kmの真田浜に到着。湖面方向が開けているので下りてゆくと、ここも湖畔が砂浜になっていた。展望開けて正面に箱根山を望めるよいビュースポット。二度来るとは思えないので、ここでもザクと芦ノ湖と箱根山の写真を入念に撮っておきましょう。湖畔の砂浜には、ポツンと置かれた白いイス。オシャレ...。
看板には深良水門まで4.4kmとある。まだ半分も来てないのね。なかなか手強い。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/30sec ISO100 PLフィルター

真田浜を過ぎても苦戦は続く。
丸太橋あり(→ 橋があるだけ有難し)。
飛び出た根っこあり(→ 押し歩きでも超えられないのでときどき担ぎ)。
倒木が道をふさいでくれる(→ これはチャリを担いで超えなければならないので結構大変だったw)。

ところどころ展望が開ける。新緑の向こうには芦ノ湖と箱根山。振り返れば新緑とトウゴクミツバツツジが和ましてくれる。湖面に映える新緑も美しい。普通に歩く分なら自然豊かで静かな遊歩道。全般的に道が狭く、たまに開けると少しホッとする。

芦ノ湖西岸歩道には、要所要所に地名と前後のポイントまでの距離を示した案内が立っている。立岩に近づくにつれ、道は細くなり、石と木の根が飛び出ていて、もはやチャリとか押し歩くのだけで精一杯。そんなことだから、なかなか進まない。MTBと言えども、ホイールが傷つくのが嫌なので、ラフな走りはしない。どれが立岩かは不明。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/30sec ISO100 PLフィルター

鬱蒼としている分だけ新緑が綺麗。ポイント的にトウゴクミツバツツジが咲く。自然いっぱいで綺麗なんだけど、とりあえずこのどうにもならないチャリ登山区間を早く抜け出したい気持ちでいっぱい。楽しいんだけど、なんだか気持ちがワサワサするんだよね。w

小杉ノ鼻まで来て、深良水門まで残り2.1kmの案内。どうやら湖に出っ張っていると地点が「鼻」という名が付くみたいだ。小杉ノ鼻を過ぎると、西岸歩道最大のギャップが現れる。もはや普通に登山道。20kgのザクを傷つけないように担ぎ下ろす。20kgじゃなくて8-9kgのロードバイクだったら楽勝なんだけれどな。

小杉ノ鼻を過ぎ入り江のようになったところに差し掛かると、地形がやや平らになる。湖面に出られそうなので出てみると、ここも砂浜になっていた。どうやら白浜も真田浜も、入り江っぽくなっているところが、砂浜になっているっぽい。
特にこの砂浜に名前はないようだが、ここも白浜や真田浜に負けず劣らず景色が良い。湖面に張り出した新緑がカーテンのようになって、柔らかい日差しが届く空間を作ってくれている。難所もほぼほぼ通過し終え、一仕事終えた後の静かで清々しい湖畔の朝。朝早起きして来てよかった。登山でもないチャリでもない、なかなかない経験かもしれない。

ここで大休止。持参した行動食バナナ2本を食す。湖では、釣り人が次々とボートで漕ぎ出していく。この綺麗な砂浜をザクで走っていけたらよいな、と思うけれど、亀ヶ崎で湖岸が立ち上がっているため、そうはいかない。またガレガレ遊歩道まで戻って先を進む。
道も広くなって、久々にMTBに乗れる区間が多くなってくる。路面は土の道のため柔らかく、雨後など水分を多く含む場合は難儀するだろう。

08:00 路面もだんだんハードダートなってくると、湖にせり出した地点が亀ヶ崎。カーブミラーあるけど、車とか来れないよね?亀ヶ崎には、満開のトウゴクミツバツツジが咲く。花見山行だ。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/50sec ISO100 PLフィルター

亀ヶ崎からはハードダートになり、MTBでのヒャッホー区間。トラクションが食われるダートこそ、フルサス電動アシストの恩恵が大きい。ここで今日初めて歩行者とスライドする。湖面の対岸には人工物がハッキリ見え始める。

08:10 スタートして10km/2時間で、ようやく深良水門に到着。未舗装区間もほぼほぼ終了。ああ~楽しかった。カーブを描いて水路が芦ノ湖へ続いていく。水路脇の道を進んでゆくと、深良水門と立派な改修記念碑が立っていた。
水門からは湖で釣りを楽しむ釣り人と箱根山。人それぞれ、いろんな楽しみ方があるものだ。湖でボートに乗って釣りとか、楽しいんだろうなぁ。

湖尻水門までは広いハードダートが続く。こんな道はまったくもってMTB向き。湖尻水門までの1.3kmもあっちゅーま。芦ノ湖の北端まで辿り着き、湖面が奥に広がる。手前には杭?と思いきや、またもや釣り人だった。人が腰まで水に入っているから、ちょっとビックリするよ。w
湖尻水門から少しで、芦ノ湖西岸歩道の反対側のゲート。ゲートを出ると県道75号線に合流し、未補足区間の芦ノ湖西岸歩道は終了する。

桃源台~元箱根

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 41mm f11 1/60sec ISO100 PLフィルター

湖尻水門から県道75号線に合流したら、あとは舗装路を走って、箱根の観光名所を連ねてサイクリングしながら帰るだけ。心配するところもなく、気が楽で仕方がない。やはり通過が困難な西岸歩道区間は、最初に通過してしまった方がよいと思う。

箱根ロープウェイの桃源台駅付近では、満開のツツジがお出迎え。急坂も電動アシストを効かしてツツジ散策。箱根湖尻港目指して進んで行けば、八重桜が満開。
08:50 箱根湖尻ターミナル到着。若かりし頃、よく大型二輪で走りに来ていた懐かしの箱根。ターミナル奥の新緑の斜面が美しい。なんとか天気ももって晴れ間があるので、芦ノ湖の看板とザクとで記念写真。ロードバイクほど見栄えがしないのは、ここが舗装路だからだろうか。

湖尻からは、箱根九頭龍の森セラピーロードを走る。道幅もそれなりにあり、ところどころ湖面を見ながらの気持ちの良い林間コース。道なき道を進むような西岸歩道も楽しいけれど、きっちり整備された林間コースも楽しい。落ち葉が多いので、ロードバイクは雨後とか要注意。開けたポイントで芦ノ湖を見れば、いままで奮闘して走ってきた西岸が見える。これはこれで達成感が半端ない。

箱根園では、残雪纏う富士山と新緑の木々。車道脇には真っ赤なツツジ咲く。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f16 1/10sec ISO100 PLフィルター

県道75号線ではなく湖畔の道を走れば、小田急山のホテル。何の花か分からないけれど、鈴なりに白い花が咲いていて、ついペダルをこぐ脚を止めてしまう。
山のホテルのツツジ園は、ツツジと富士山の有名な絶景スポット。時期には少し早いけれど、もう早咲きのツツジが見頃を迎えている。つられてちょっと入り口付近を散策。でっかいシャクナゲが満開だった。今年も花期と天気が合えば撮りにこよう。

湖畔の道を進むとすぐに、箱根神社の平和の鳥居が右手階段下に見える。既に観光客の長い行列ができていたので、今回はパスで。

元箱根~箱根町港

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f16 1/20sec ISO100 PLフィルター

元箱根まで来ると、観光客が一段と多くなる。湖畔には満開を迎えた八重桜がチラホラと。4月下旬にして、桜(と新緑)が楽しめるなんて素晴らしい。八重桜でも、色の濃淡が木々によって違う。しばらくポンポンの八重桜を回って、湖畔で花撮影。
元箱根の第一鳥居には、真っ赤なツツジと白い花と新緑が重なる。そして海賊船は大盛況。鳥居と富士山と海賊船の箱根を代表する景色。何度見ても楽しい。けれどちょっとお空が高曇り。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f16 1/20sec ISO100 PLフィルター

次々箱根の観光名所が訪れて、これまた西岸歩道並みに進まない。もう何十回も来ている箱根だから通り過ぎても良いのだけれど、自転車ということで1つ1つ止まってしまう。
次なるスポットは恩賜箱根公園。自転車を下りてロックするのが面倒なので、入口に咲く満開のツツジを撮って終了。その次は、箱根関所を遠目から撮影して満足。

11:00 国道1号線を走れば、すぐにゴールの箱根駅伝広場。箱根町港でも海賊船が大盛況。広場の馬酔木が満開だったので、海賊船と絡めて花撮影。我ながらなかなかよい絵が撮れた。

西岸歩道は登山でもないチャリでもない何とも言えない楽しい区間、後半は箱根湖畔の名所総巡りのゆるポタ過ぎるサイクリング。ほかの〇〇イチ(一周シリーズ)では体験できないような強烈なインパクトを残してくれる芦ノ湖一周サイクリングでした。秋の季節も綺麗なんでしょう。

  • B!