ピナレロF5のコンポーネント載せ替え作業の工程⑧。
前回の工程⑥で、油圧ブレーキホースをフレームとフロントフォークに通すルーティングを済ませた。今回は、さらに難易度が上がるステム一体型ハンドルへのルーティングに挑戦する。
ステム一体型ハンドルは、中が狭い上にカーブがきつく、バリもあるときたもんだ。そのため一般的に難易度は非常に高く、根気のいる作業となる。
しかし工程⑥で紹介した方法を使えば、新旧ブレーキホースの連結部分を作るのに少し手間がかかるけど、ルーティング自体は一発で済んでしまう。
ガイドワイヤーとなる古いブレーキホースと新しいブレーキホースの連結方法は、工程⑥の記事で詳しく紹介している。
ここでは、新旧ブレーキホースの強固な連結部分を作った後の、ステム一体型ハンドルへのルーティングについて解説していく。
作業手順と難易度
油圧ブレーキホース ルーティング(ステム一体型ハンドル)
②ステム一体型ハンドルへのルーティング
難易度はLV4(5段階中)。工程⑥で新旧ブレーキホースの強固な連結部分を作れていれば難易度は激減する。連結部をかばいながら、ゆっくりと慎重に通すだけ。
ステム一体型ハンドル ルーティング作業(LV4)
工程⑥で、古いブレーキホースをガイドワイヤーにして、フレームとフロントフォーク内に新しいブレーキホースを通すルーティングは完了済み。この時点で、連結している古いブレーキホースはステム一体型ハンドルに通った状態になっている。
ステム一体型ハンドルにルーティングする前に、工程⑦でヘッドベアリングの清掃とグリスアップをしておこう。
今回はこの状態から、ステム一体型ハンドル内にガイドワイヤーとした古いブレーキホースを少しずつ抜きながら、新しいブレーキホースを通していく。
工程⑥でフレームとフロントフォーク内をルーティングしたときと同じように、連結部分をかばうように、ゆっくりと少しずつ、新しいブレーキホースを押し込みながら、連結している古いブレーキホースを少しずつ抜いていく。
ステム一体型ハンドルのルーティングは、ハンドル内のカーブがきついため、フレームやフロントフォークのルーティングよりも難易度が高い。連結部分が貧弱だと途中で折れ曲がってしまい、引っかかって通せなくなってしまう。
しかし今回は工程⑥で、使わなくなったインサートの頭をカットして棒状にし、ブレーキホースの境目に埋め込んだ。さらに、両端に開けた穴に切れにくい釣り糸で結束するという、強固な連結部分を作っている。
少しずつ押し込んでいくと…、通った!連結部分がステム一体型ハンドルのSTI側から出てきた。これでステム一体型ハンドルへのルーティングは完了だ。
連結部分を作るのに手間はかかったけど、ここさえしっかり作っておけば、ルーティングは一発で成功する。拍子抜けするくらい、あっけなく終わってしまった。
自分で編み出した方法で無事ルーティングを終えられて、本当によかった。お店の人はどんな方法でやっているんだろう?
次は、ブレーキラインを完成させるべく、ブレーキホースとSTIレバーを接続する。
≪コンポ載せ替え⑨≫ SITレバー接続 ~ブレーキホースの長さ決めと締め付けトルク管理を慎重に!~、へ続く。