ピナレロF5のコンポーネント載せ替え作業、工程⑦はヘッドベアリングの清掃だ。
当初、ブレーキキャリパーとSTIレバーだけを交換し、ブレーキホースはそのまま再利用できるだろうと楽観的に考えていた(ここらへんから超初心者)。しかし、調べてみるとオリーブとインサートは再利用不可とのこと。ブレーキホースの両端を切断する必要があり、結果的にブレーキホースもすべて交換しなければならない事態になった。
厄介なブレーキオイルのブリーディングさえ乗り切れば作業完了かと思っていたが、ケーブルフル内装のフレームに、ステム一体型ハンドルへ油圧ブレーキホースを通すという最難関の作業がもう一つ加わってしまった。こうなると、もはやバラ完とほぼ同じではないか!
前工程⑥で、新しいブレーキホースをフレームとフォークに通し終え、古いブレーキホース(フロント/リア)はステム一体型ハンドルに通った状態。新しいブレーキホースをハンドルに通す前に、まずはヘッドベアリングの清掃をしておくことにした。
作業手順と難易度
ヘッドベアリング清掃手順
②コラムスペーサーの取り外し
➂上下ヘッドベアリングの清掃
④上下ヘッドベアリングのグリスアップ
⑤コラムスペーサーの取り付け
特に難しい作業ではない(LV1)。
ヘッドベアリング清掃作業(LV1)
ステム一体型ハンドル「TALON ULTRA」のトップキャップを外す。ハンドルから古いブレーキホース(F/R)を完全に引き抜かず、フロントフォークから抜いた状態にする。ここでハンドルからブレーキホースを完全に抜いてしまうと、後工程でステム一体型ハンドルにブレーキホースを通す作業が著しく困難になってしまうので注意する。
ヘッドスペーサーの左右の穴には、フロントとリアのブレーキホースが通る仕組みになっている。
ハンドルに続き、ヘッドスペーサーを抜き取っていく。
ピナレロF5のヘッドスペーサーは、左右から組み上げる構造なので、ハンドルやケーブルを完全に抜かなくても取り外せる。これなら、ブレーキホースを切断しなくてもヘッドベアリングの清掃ができそうだ。
一番下のヘッドスペーサーを持ち上げると、上部のヘッドベアリングが見えてきた。
購入から1年4ヶ月、初めてヘッドベアリングを目にする。グリスに汚れが付着してドロドロしていたが、グリス自体はまだ生きていたようだ。サビも見当たらない。あまり考えず水をかけて洗車することが多かったが、しっかり汚れから守ってくれていたようだ。
次に、下側のヘッドベアリングを引き出してみる。こちらも購入から1年4ヶ月後の状態だ。巻き上げられたホコリが入りやすいのか、上側よりも下側のベアリングの方が汚れている。
汚れてはいるものの、グリスの元の青色も残っており、サビもなかった。私の乗る頻度では、そこまで汚れないのだろう。使用感としても、ハンドルを回したときのジャリジャリ感などは一切なかった。
汚れていた古いグリスを、上下ともにすべて綺麗に拭き取る。錆もなくベアリングにほとんどダメージはなさそうだ。よかった。
新しいグリスでグリスアップしていく。使うのは、WAKO'Sの高粘着シリコーングリースのブレーキプロテクターだ。振動吸収性、耐水性、耐久性、耐熱性を備えているとのこと。
油圧ブレーキのフル内装だと、滅多にアクセスしない部分なので(したくない)、高耐水性・高耐久性のあるグリスを選んだ。たった1本100gで4,700円もする超高価なグリスだ。今後のメンテナンスの手間が減ると思えば、安いものかもしれない?
購入から1年4ヶ月経っても元のグリスが生きていた。少なくとも今後2-3年間はメンテナンスしたくないので、シリコーングリスを厚めに塗り込んだ。さすが高粘着というだけあって、手に付いたグリスを落とすのに苦労する。
上側にも水を一切通さないくらいたっぷりとグリスを塗る。初めての作業なので、適量はよくわからない(自己責任でお願いします)。
ブレーキホースを通したまま作業しているので、組み立て時にパーツの順序が分からなくなる配がなくてよい。
ヘッドスペーサーの一番下の金属パーツを被せて、あふれたグリスを綺麗に拭き取る。
ヘッドスペーサーを左右から組み上げれば、ヘッドベアリングの清掃作業は完了だ。
ヘッドスペーサーの厚さは、1cm厚が3枚と5mm厚が3枚で合計4.5cm。これ以上前傾がきつくなるのは耐えられそうもないので、今後これ以上低くすることはないだろう(→ 後に3cmまで低くした)。笑
意外と簡単な作業だった。高粘着のシリコーングリスで徹底防御してたから、これで安心。
次はいよいよ、フル内装の悪名高い作業、≪工程⑧≫ 新しいブレーキホースをステム一体型ハンドルへ通す作業へ。