山岳写真を中心に花、滝渓谷、自転車、モータースポーツ、夜景等の分野で、美しいと感じた風景を写真と撮影記で紹介していきます。

shibawannkoの撮影山行

ディスクローターの軽量化 ~GALFER WAVE ローターとリア140mm化~

初めて富士ヒルクライムレースに参加して再認識したことは、ヒルクライムではパワー(w)÷体重(kg)で表されるパワーウェイトレシオ(PWR)が最重要ということ(改めて言うほどではないけれど)。
そして上記PWRの計算式には含まれていない、機材の軽量化も必須であるということ。

富士ヒル本番に向けて軽量化には務めたけれど、まだ軽量化できる部分が残っていた。自分の場合で言えば、ディスクローターだ。
現状の自分のバイクのディスクローターは、前後ともにDURA-ACE(R9200)の160mm。「DURA-ACEを付けておけば間違いないはず(軽量なはず)」と、あまり考えていなかったが、軽量化する2つの方向性が残っていた。

1つ目は、DURA-ACEより軽いディスクローターに換えること。
候補としてはガルファーのWAVEディスクが良さそう。

2つ目は、リアのディスク径を160mmではなく140mmに換えること。
確かにディスクブレーキの効きは十分強力なため、高い速度からの制動ほどリアの荷重が抜け、リアブレーキの割合が減るため、リアは制動力を落とした140mmでも問題ないはず。

ディスクローターの種類と径の大きさと2つの要素が絡んできて、いろいろ調べても頭の中で考えてもよく分からない。結局のところは実際に自分で試して体感してみないと判断することはできないことなのだ。

迷っていても先に進まないので、実際に試してみることにした。
こうやって使わない自転車パーツが余剰していくのだけれど、もうこればかりは致し方なし。w

 

ディスクローターの種類(DURA-ACE vs GARLER)

ディスクローターの種類を変更する際の検討項目としては、主に重量(軽量化)と制動力、そして見た目でしょうか。
3つの検討項目について、DURA-ACEとGALFERを比較していく。

見た目

まずは見た目から。DURA-ACE(RT-CL900)のディスクローター。黒い放熱板が付いてメカニカルな感じが、自分的には結構好き。

GALFERのWAVEディスクローター(DB101WCL)。肉抜きされれつつもどことなく芯を感じる外観。こちらも悪くはない。

重量(軽量化)

気になる重量(軽量化)は、160mmと140mmともに、GALFRの方がDURA-ACEよりもそれぞれ△16g△20g軽い。
なので、前後輪ともに160mmか前160mm後140mmかで異なるが、DURA-ACEからGALFERに前後換えれば、△32~△36g軽量化することができる。

ディスクローター 160mm 140mm 差分
DURA-ACE(RT-CL900) 114g 96g △18g
GALFER 98g 76g △20g
差分 △16g △20g

僅かな差と言えば僅かな差。現行のDURA-ACEのディスクローターが、十分軽いということでしょうか。

ブレーキの効き具合

実際にDURA-ACEからGLFER WAVEに交換して試してみました。新しいディスクが馴染むまでしばらく走って、あたりが出てきたら制動を繰り返して比べてみる。

う~ん、しょせん同じディスクブレーキ。正直あまり変わらないと言えば変わらないんだけれど、その微妙なタッチの中にわずかな差がを感じる。
強いて言えば、DURA-ACEは、初期制動のタッチが柔らかく握り込むほどに効きが増す、なんというか”上品なタッチ感”。さすがDURA-ACE(のような気がする)。
これに対してガルファーは、初期制動のタッチから”ガッ”と効く、と言う感じ。

制動のタッチ感の差はあるけれど、それは僅かな差。人によってどちらが好みか、という問題だと思う。
正直僅かな差なので、使い込んで慣れれば大半の人はどちらでも文句はないレベルになるかと。あとは重量や見た目も要素も絡んでくる。

自分の場合は、制動のタッチ感に関しては、どちらかと言えばDURA-ACEの方が好きかな。

DURA-ACEとガルファーどちらにするか

自分の場合、①ヒルクライム用と②ロングライド用でカーボンホイールが2組、DURA-ACEとGALFERとでディスクローターが2組と、ホイールでディスクローターそれぞれ2組できたので、以下のように使い分けることにした。

目的により異なった(自分の場合)

① ヒルクライム用ホイール:軽量化 > 制動タッチ感+見た目の好み ⇨ GALFER WAVE
② ロングライド用ホイール:軽量化 < 制動タッチ感+見た目の好み ⇨ DURA-ACE

①ヒルクライムに関しては、それほど拘りがなければ(登っている間は制動することはないし)、軽い方が良いでしょう。
②ロングライドに関しては、ブレーキを多くかけることになるので、好みの制動のタッチの方が良いでしょう、と言う感じ。どちらかと言えば、仮にGALFERが好みだったとしても、もう1組購入してDURA-ACEを余らせるのは無駄なので...、と言う程度。

もうこの辺は、人それぞれの目的と好みの問題でしょう。

 

ディスクローターの径の違い(160mm vs 140mm)

リアのディスクローターを160mmから140mmへ変更する際の検討項目としては、端的に言えば、「絶対的制動力をとるか軽量化をとるか」ということに尽きると思う。
その他の検討項目として、見た目などが続く。

それぞれの検討項目を見ていくことにする。

制動力

ディスクローターを160mmから140mmに変更すれば、当然ながらローター径が小さくなることから、絶対的な制動力が低下することになる。

実際に140mmに交換して制動を試してみると、一発目の制動で制動力が落ちている違いは分かる
しかししばらく乗っているうちに、それが普通になり違和感はなくなる、という程度だった。おそらく多くの人は同じような感じになると思われる。

ブラケットポジションからブレーキをかけると、ブレーキレバーの支点に近い上部を握ることになるため、下ハンを持つ場合と比べて、てこの原理から必然的に強くレバーを引く必要がある。
ブラケットポジションからかなり強く握れば後輪をロックさせることは出来るので、実際の制動力は変わらないことにはなる。しかし自分としては、やはり弱い力で効いてくれた方が安心できる。

平地では慣れれば気にならない、としても長い急な下り坂はどうだろう?
長い下り坂で実際に試してみると、もう平地で慣れてしまっているので、特に違和感がないレベル。前よりも効かなくなったよね、と言われると「まぁそうかな」と言う程度。

逆に急制動になるほどリアの荷重が抜けてリアの制動の割合が減るため、今までは前後でブレーキをかける力を(ほぼ無意識ではあるが)調整していたが、リアの制動力が落ちた分だけ、フロントと同じように力をかけてもロックしにくい、と言う逆の安心感もあるのは確かである。要はメカ側で前後の制動力を調整してくれていることになる。

しかし長くて急な下り坂で、より強い制動力が欲しいと思う場面もあるでしょう。
この場合、下り坂での制動力が欲しければ、下ハンを持てる人であれば140mmであっても全く問題がない、というのが自分の感想だ。
富士ヒルの下山時では、制動をかけ続けなければならないほどの遅いスピードで下山しなければならないが、相当な時間ブレーキを握る必要があり、かなりの握力を消耗した。さすがにそのようなケースは稀である。

重量(軽量化)

ディスクローターを160mmから140mmに変更すれば、体積が減るので当然重量も減ることになる。
また、ディスクローターだけでなく、キャリパーマウントアダプターとネジが必要なくなるので、その分の重量も軽くなる。

計測したところ、マウントアダプターとネジで約17g。そこそこの軽量化で、これまた嬉しい。

DURA-ACEで見れば、リアを140mm化することによって、△18g+△17g=△35g軽量化できることになる。
一方、GALFER WAVEディスクの場合は、△20g+△17g=△37g軽量化することができる。

ディスクローター 160mm 140mm 差分
DURA-ACE(RT-CL900) 114g 96g △18g
GALFER 98g 76g △20g
差分 △16g △20g

僅かな差と言えば僅かなんだけれど、ヒルクライムとかすると気になっちゃうんですよね。w

見た目

交換前の160mmのディスクローターの外観。これはこれでカッコイイのだけれど。
160mmなので、キャリパーマウントアダプターが必要。

交換後の140mmのディスクローター。明らかにコンパクトになって、カセットスプロケットに近しい径になった。
どちらかと言えば、140mmの方が見た目がスッキリしていて良いような気がしてきた。

その他の考慮事項

ディスクローターを160mmから140mmに変更するにあたっての考慮事項は、制動力と軽量化(と見た目)だけではない。
径が異なることにより、160mmでは取付位置を調整するためにキャリパーマウントアダプターの使用が必須になるが、140mmではマウントアダプターが不要になる。

これが何を意味するのかと言うと、ホイールまたはロードバイクを複数台持っている場合で、ホイールを付け替えて乗る場合は、支障が出ることになる。
すなわち、ホイールに装着しているディスクローターはすべてのホイールで140mmに交換する必要があるとともに、複数台ある車体側もすべてマウントアダプターを取り外す必要が出てくる。

その分コストと手間がかかる。
これは実際にやってみて気づいた。マウントアダプターを外した車体に、160mmのディスクローターが付いたリアホイールをはめようとしても、当然ハマりません。なんでハマらないんだろう?とかグリグリしてたりして。w

160mmと140mmのどちらにするか

結局「絶対的制動力と軽量化のどちらをとるか」という部分に帰着することになる。
実際にとっかえひっかえして出した自分の結論は、

リアは140mm(自分の場合)

軽量化+見た目のスッキリ感 > 絶対的制動力

となった。

上記の式のとおり、やはり一度ヒルクライムレースに出たりすると、軽量化は嫌でも考えざるを得なくなる。それがたかだが10gや20gでもちりも積もればそれなりの軽さのバイクになってくれるし、僅かでも軽くなってくれるのは気持ち的にもとっても嬉しい。
制動力は正直なところ、強力に効いてくれるほど自分的には嬉しいけれど、140mmでも実質制動力に支障はなかったうえ、加えて見た目のコンパクトさもよい、ということだった。

もっと早くリア140mmという選択をしていれば、余分に160mmのディスクローターが余ったりしなかったのに。w
こればかりは人それぞれなので、実際に試してもらって自分自身で判断するしかない。

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