数年前から冬山に行き始めて、今年も年末を迎えて雪山に行ってみたくなりました。
どこ行こうか?って、今年もやっぱり赤岳かな~。
フィルムカメラからデジカメにようやく切り替えての、初めてのデジカメでの雪山撮影。
昨年の赤岳は雪が少なかったので、降雪後を狙って赤岳へ行ってきました。
今回は雪たっぷりの赤岳を撮れたのでしょうか。
山行記録 2013年1月4日
行者尾根~赤岳山頂
EOS5D MarkⅡ+EF24-105mmF4L IS USM 24mm f16 1/180sec ISO200 PLフィルター
赤岳鉱泉までは車で入りたい。
FFスタッドレスで林道に入るも最初の急坂カーブが上り切れず、あえなく美濃戸まで引き返し。
やっぱりダメか~。
真っ暗の中、持参したチェーンを何とか巻きつけて再アタック。
さすがにチェーンは新雪の柔らかい雪によく噛む。
急坂も何とか登って赤岳鉱泉着。
すれ違い場所がほぼないこの林道でスタックすることが非常に怖かったので、上り切れてホッとしました。
この時点で既に氷点下10度。
これから上に行ったら、いったい何度まで下がることやら。
そんな寒さでも動いていると暖かい。
新雪たっぷりの雪道を歩いて行者小屋に到着。
EOS5D MarkⅡ+EF24-105mmF4L IS USM 47mm f16 1/90sec ISO200 PLフィルター
凍える寒さの中、食事を摂ってから行者尾根を登り始める。
天候も回復してくると、今までに見たことのないくらいの真っ白な赤岳が姿を現す。
絶好のタイミングで来れたみたいだ。
降雪直後でたっぷり雪があるうえ朝方まで雲が稜線上を覆っていたため、稜線全体が樹氷に覆われている。
09:40 行者尾根から稜線に達する。
稜線に出ると恐ろしいくらいの冷たい強風に襲われる。
景色は綺麗だけれど耐えきれないくらいに寒い。
底冷えを通り過ぎて身体の芯から凍える。
阿弥陀岳には雪煙から姿を現し、日が当たり輝き始める。
横岳は全面に雪を被って何だか穂高のような恐ろしい山に見えてくる。
稜線を烈風に煽られながらも歩いていくと、樹氷越しに富士山が見え始める。
赤岳を撮るために一度反対側の横岳方面まで進むと、稜線で風が遮られる場所に出る。
ここは風が当たらずポカポカ暖かい。
先ほどまでの強風地帯とのギャップが激しすぎる。
しばし休息を兼ねて凍りついた体を解凍して日向ぼっこをしていた。
赤岳まで向かうために再度強風地帯に足を踏み入れると、今度は死ぬほど寒い。
耐えきれずに赤岳展望荘に避難して、コーヒーを頂いて暖をとらせてもらいました。
こんな超極寒の稜線に年中無休で山小屋が営業しているなんて、本当にありがたい限りです。
赤岳展望荘で暖まった後、赤岳へ向けて出発。
頂上を見上げると、烈風で雪が飛ばされ続けていて山頂が霞む。
恐ろしい、、、。
はたして今の自分で行けるか?
こんな寒冷烈風の中、赤岳登頂できるか心配になりましたが、赤岳へのルートは風が直撃しないやや東側に切られているため、さほど難しくはありませんでした。
EOS5D MarkⅡ+EF24-105mmF4L IS USM 70mm f11 1/250sec ISO200 PLフィルター
山頂まで上がってくると、阿弥陀岳がだんだんと低くなってくる。
阿弥陀岳はこれまで見たことがないくらい真っ白だ。
真っ白率97%くらいだ(笑)。
西風に背中を押されながらも、一歩一歩確実にアイゼンを効かせて歩を進める。
振り返ると既に行者尾根から下山する登山者が多数。
どうぞお気をつけて。
背後の硫黄岳が素晴らしい。
赤岳山頂(12:10 ⇒ 13:00)
EOS5D MarkⅡ+EF24-105mmF4L IS USM 45mm f11 1/180sec ISO200 PLフィルター
12:10 赤岳山頂着。
素晴らしい条件下の厳冬期の赤岳に立てて、なんか嬉しかった。
こんなことはなかなかないだろう、ということで烈風吹きすさぶ中滅多に撮らない自撮り。
赤岳上った記念にね(笑)。
山頂標識まで来ると、真っ白な塊となった阿弥陀岳が美しい。
ピークの先には降雪した諏訪の街と諏訪湖までくっきり見渡せる。
こんな真っ白で完璧な雪山は初めて見た!
冬山とは“神々しい”ものだと感じました。
後から思い返すと、この赤岳から阿弥陀岳を見た時が冬山の魅力に取りつかれた瞬間だったような気がします。
南側はなんかボコボコしている。
この時は権現岳の存在すらも知らなかった。
阿弥陀岳の向こうには、天候が回復してきて南アルプスのそれそれのピークが現れ始める。
文三郎道
EOS5D MarkⅡ+EF24-105mmF4L IS USM 32mm f11 1/250sec ISO200 PLフィルター
山頂で手の感覚がなくなりながらも写真を撮り終え、鼻水を凍らせながら文三郎道方面へ慎重に下る。
少し下りて山頂方面を見上げると、これまた全面エビの尻尾で覆われた赤岳が何とも言えなく美しい。
普段ここは風で雪が飛ばされて、厳冬期でも結構岩肌が見えている所なんですけれど。
下りるのが名残惜しい。。。
だんだん近づきながら高さを増してくる正面の阿弥陀岳。
見ると一筋のトレースが。
絶好の条件だし行ってみたいな、と思うが既に寒さで大量のエネルギーを消耗している模様。
今日はここまでにしておきましょう。
しばらく下りると文三郎道越しにこ真っ白になった八ヶ岳の山々が見渡せる。
これ以上八ヶ岳全体が白くなることはまずないんじゃないでしょうか。
綺麗すぎる。。。
文三郎道の途中から極太の樹氷越しの赤岳を見る。
こんな極太な樹氷初めて見ました。
ここまで下りると緊張からも解放され、開放感たっぷりで樹氷の森を行者小屋まで下りていく。
下りながらも赤岳から目が離せない。
行者小屋
EOS5D MarkⅡ+EF24-105mmF4L IS USM 67mm f11 1/60sec ISO200 PLフィルター
14:50 行者小屋まで戻ると完全に樹氷に覆われた赤岳が西日に照らされて輝いている。
これこそよく山渓の巻頭を飾るような景色だ!
雪山って本当に神々しい。。。
もうしばらく待つとこれが夕日で赤く染まるのか。
夕景が撮りたくてしばらく粘るが、冬山を始めたばかりの貧弱なウェアと強い寒気でもう指先が耐えられない。
指を擦りながらなんとかそれっぽいのを撮って帰路につきました。
雪山は降雪直後が美しい。
雪山こそ山全面が染まる朝焼け夕焼けを狙うべき。
なんとなくこれからの雪山撮影の方向性がつかめた最高の赤岳山行でした。
この後何度もチャレンジするも未だに出会えない素晴らしい雪景色に感謝感謝。