山岳写真を中心に花、滝渓谷、自転車、モータースポーツ、夜景等の分野で、美しいと感じた風景を写真と撮影記で紹介していきます。

shibawannkoの撮影山行

〔100名山〕白馬岳 夏 ~蓮華温泉より高山植物咲く雪倉岳・朝日岳縦走 ~

100名山を達成し、200名山も残り少なくなってきた。
まだ残っているところは?と地図を探すと、白馬岳の北に、200名山の雪倉岳と300名山の朝日岳がある。
ちょっと長そうだけれど白馬岳から縦走したら楽しそうだな。
ということで、花の時期を選んで白馬岳から朝日岳まで縦走してきました。
白馬岳から朝日岳まで続く、花の縦走路をご紹介します。

shibawannkoのワンポイントアドバイス/ルート

〔難易度〕 ①CT21時間②35km/③標高差1,450m(蓮華温泉→白馬岳)。1泊2日の行程で2日目がきつい。
〔危険箇所〕特になし。
〔駐車場〕 蓮華温泉駐車場(無料)。ハイシーズンには駐車場は満車になるので、前夜到着が望ましい。
〔展望箇所〕白馬岳、雪倉岳、朝日岳の各ピーク。稜線歩きのため、森林限界を超えれば総じて展望は良い。
〔お花畑〕 白馬大池小蓮華山手前白馬岳周辺/雪倉岳周辺/朝日岳周辺/吹上のコル付近/五輪高原

山行記録 2015年7月25日~26日

白馬岳_上り①(蓮華温泉 05:30 ~ 09:30 白馬岳)

EOS5DsR+EF24-105mmF4L IS USM 28mm f11 1/40sec ISO100 PLフィルター

hisapinと神奈川の自宅で合流して、蓮華温泉まで深夜350kmアクセス。
初めて蓮華温泉に来ましたが、長野県というよりほぼ新潟県ですね。
北アルプスの登山ベースとなる上高地(沢渡)や扇沢の250kmと同じ感覚でいましたが、遠い遠い。
当初蓮華温泉で仮眠する計画でしたが、既に空は明るくなって日が昇ってしまった。
蓮華温泉の駐車場は既に満車で、なんとか最後の1台のスペースに止めることができました。
05:30 休憩なしにそのまま登り始め。

蓮華温泉からは石が飛び出た歩きにくい道が続く。
途中の天狗の庭から展望が開け、明日行く雪倉岳と朝日岳が見える。
なかなかの距離歩きますね。
明日も天気がいいといいんですが。
そこから先は不眠と暑さで意識朦朧。
毎回弾丸登山をこなすhisapinともども「寝ながら歩き」で半分意識がない中標高を稼ぐ。
人間歩きながら寝れるんだ、ということをここでも実践。
そういえば、朝日岳と飯豊山の日帰りでも、寝ながら歩きしてたよね。

樹林帯を抜け空が開けて明るくなると目が覚める。
眼前には初めて見る白馬大池が広がる。
おお~、池だ(寝ぼけていてそのまんま)!
驚いたのは池ではなくて、池の周囲を覆い尽くすような一面のお花畑。
お花畑と池と雪渓と青空で、綺麗すぎる!
徹夜で900mの標高差を上げて疲労困憊にもかかわらず、暫しの間、灼熱の中お花畑と戯れる。
凄いよ綺麗だよ!白馬大池。

白馬岳_上り②(白馬大池 10:30 ~ 13:00 小蓮華山)

EOS5DsR+EF24-105mmF4L IS USM 24mm f16 1/15sec ISO100 PLフィルター

登山道から白馬大池を見下ろしても、お花畑と大池と雪渓が美しい。
少し歩いては写真を撮ってばかり。
なかなか白馬大池から離れることができません。
白馬大池からは森林限界を超えた稜線を行くので、直射光線を遮るものが何もありません。
小蓮華山に行くまでも、ところどころ白や黄色のお花畑が広がります。
展望も良好で、北側には明日行く雪倉岳と朝日岳が徐々に鋭さを増してくる。
南側には杓子岳から白馬鑓ヶ岳がバランスよく並ぶ。
景色は最高ですが、睡眠不足と真夏の灼熱地獄でこれまた悶絶登山。
綺麗だな~、辛いな~、綺麗だな~、辛いな~、を繰り返し。
自分だけでなく、hisapinもshibawanwanも似たようなもんだな(笑)。

白馬岳_上り③(小蓮華山 13:30 ~ 15:30 白馬岳)

EOS5DsR+EF24-105mmF4L IS USM 24mm f11 1/40sec ISO100 PLフィルター

13:00 小蓮華山着。
小蓮華山の手前の手前のお花畑がまた素晴らしい。
ハクサンイチゲのお半畑と、杓子岳と白馬鑓ヶ岳が良く絡む、
と思ったら白馬三山は雲に覆われました。
こんな遅くに登り始めていたら仕方がないですね(でも仕方がなかった)。

ハクサンイチゲだけでなく、コバイケイソウも良く咲いているではないか。
コバイケイソウの白い矛が並ぶ景色は壮観です。
小蓮華山と合わせてみたり。もう少し早く到着できていればね。
コバイケイソウの柔らかい白色って、なんだか幸せ色と感じるのは私だけでしょうか。

小蓮華山でお花畑と戯れていると、完全に稜線は完全に雲に覆われました。
ここからは風も出てきて今までとは逆に寒いくらい。
15:30 何も撮らずに白馬山荘着。
雲ってもまだ明るいので、白馬山荘周辺でお花撮影。
絶えず風が吹くので、あまり多くの花は撮れませんでした。
3人とも徹夜で登ってきたので、夕食まで爆睡。
危うく夕食時間も気付かず寝過ごす勢いでした。

白馬岳山頂_朝焼け(04:30~05:30)

EOS5DsR+EF24-105mmF4L IS USM 28mm f11 0.5sec ISO100 PLフィルター

翌朝の天気は良さそうだったため、朝焼けを優先して朝食なしを選択。
せっかくの宿泊まりだったのにゴメンナサイ。
04:30 上空に薄雲が多少ありましたが、かえって雲が綺麗に焼けてくれる。
定番の白馬岳からの杓子岳~白馬槍ヶ岳の朝焼けの写真を確実に仕留めます。
少し離れた剱岳にも朝日が当たり、壮大な朝焼けになりました。
朝焼けの色もさることながら、よい雲が出てくれたのがさらに良い。
今回の山行の直前にデジカメを世代交代させておいて、本当に良かった(shibawanwanはまだこの事実を知らない)。
カメラなんて黒くてみんな同じに見えますからね(笑)。

本当に綺麗にピンク色に焼ける3分間程度の短い時間が終わり、橙色に変わってもそれまた良い。
白馬槍ヶ岳の奥には槍穂高のトンガリさんが見える。
東の空には逆光に浮かび上がる高妻山やら妙高火打ちやら。
後立山連峰からは常に良く見える山ですね。
剱岳と立山の中腹にも朝日が下りてきました。
初めて白馬岳に登った時の感動が思い出される。
偶然前を通った5人グループのリーダーが、剱岳を「あれが槍ヶ岳だよ!」って誇らしげに説明したのを見て唖然としたわ。

雪倉岳_縦走(白馬岳 05:30 ~ 08:40 雪倉岳)

EOS5DsR+EF24-105mmF4L IS USM 24mm f11 1/15sec ISO100 PLフィルター

気温も低く風も強くて、防寒着を着ても底冷えする寒さの中、1時間も山頂で粘っていました。
朝日から色が抜けて通常の光になっても、白馬岳からの展望は素晴らしい。
朝焼けも綺麗ですが、通常の光の方が草木の緑と雪渓の白が綺麗に見えます。

白馬岳からの山頂風景を十分撮り切りました。そして長居しすぎて体も冷え切りました。
05:30 今日の行程は非常に長いので、急いで雪倉岳に向けて出発します。
白馬岳からは雪倉岳から朝日岳まで長く長~く稜線が続く。
快晴で危険地帯もなく、すでに白馬岳からの朝焼けを撮り終えているので、なんの心配もなく楽しさしかない。
行程の長さを考えるとゆっくりしていられないのですが、昨日雲の中だった白馬岳稜線のお花が綺麗すぎる!
白馬岳から急坂を少し下りたところもお花が多く咲いていました。
まだ残る雪渓越しに南アルプスまでも展望できる。
先は長いけれど、なかなか進まないじゃないか(喜)!

EOS5DsR+EF24-105mmF4L IS USM 24mm f16 1/15sec ISO100 PLフィルター

三国境まで下りると雪倉岳への分岐になります。
ここから雪倉岳方面へ進む人は少ない。というかもうずっと先に歩いて行っているのでしょう。
三国境付近はコマクサの群生地ですが、風も強くて登山道から離れているので撮るのは困難です。

三国境から標高を下げるにつれて、振り返ると旭岳が良く見えるようになります。
木々の緑と雪渓の白のコントラストが美しい。
雪倉岳までは多少のアップダウンを繰り返しながら、時には雪渓を横断しながらの縦走路です。
天気も良く景色も良く人も少なく、ところどころお花も咲いていてもう最高です。
先行する2人の後ろ姿も楽しそう。
雪倉岳避難小屋を過ぎると、雪倉岳へおよそ200mの登り返し。
標高を上げるにつれ景色も良くなってきて、疲れも感じない。
雪渓が残るゼブラ模様の稜線の奥には剱岳と立山連峰も見え始めました。

朝日岳_縦走(雪倉岳 09:10 ~ 12:40 朝日岳)

EOS5DsR+EF24-105mmF4L IS USM 24mm f11 1/40sec ISO100 PLフィルター

08:40 雪倉岳着。
白馬岳から旭岳から奥の剱岳まで綺麗すぎる~!
天気は最高ですが、西からの強烈な風が吹きつけています。
雪倉岳からお花畑越しに見る、朝日岳の濃い緑と薄い緑と雪渓の白の3色のグラデーションが美しい。
しかしよく見ると結構距離あるし、かなり一度標高を下げなければいけないよう。
09:10 雪倉岳からの展望を十分堪能したので、気合を入れて朝日岳へスタートします。
朝日岳の向こうにはもう山は見えず、日本海の水平線しか見えません。
北アルプスの北端にいよいよ近づこうとしています。

雪倉岳の北斜面にはところどころお花畑があり、多種多様な高山植物が咲いている。
お花も撮りたいけれど先も急がなければならない。
今を撮り逃しても仕方がないので、お花が現れるたびに写真撮影。
岩にへばりつくように咲いているお花が多かったです。

雪倉岳から標高600mも下げ、朝日岳まで400mの登り返しが辛い。
キレットのような底まで落ち、赤男山を巻くと、ようやくもっこりとした雪倉岳が現れます。

EOS5DsR+EF24-105mmF4L IS USM 24mm f11 1/25sec ISO100 PLフィルター

雪倉岳までは木道で整備された綺麗な道を行きますが、なかなか着かない。
雪渓が融けた場所からは、ミズバショウが顔をのぞかせて楽しませてくれます。
近づいてきた雪倉岳の斜面にはニッコウキスゲが点在する。
お昼に近づき灼熱の暑さで体力を消耗してきて、雪倉岳への400mの登り返しがきついきつい。

12:40 3人ヒーヒー言いながら朝日岳着。
なんと朝日岳に到達するまで、雲に覆われることなく幸運にも天気がもってくれました。
広々とした朝日岳の頂上は、空と雲だけ。気持ちがいい。
緑で覆われオレンジ色のクルマユリが点在する山頂の向こうには、雲湧く剱岳。
剱岳があんなに南側に見えるなんて。
ここが北アルプスの北端です。なんだか感慨深い。

13:00 蓮華温泉へ向けて下山開始。
朝日岳から蓮華温泉までのコースタイムは、なんと7時間。
そろそろ明確に下山時刻が分かるようになってくると、お風呂の時間がやばいやんけ。
猛暑の中2日間歩き続けて、なんとしてもお風呂だけは入りたい。
ここからは疲れた身体を鞭打って、コースタイムを縮めながらの下山することに。

蓮華温泉_下り(朝日岳 13:30  ~ 18:30 蓮華温泉)

EOS5DsR+EF24-105mmF4L IS USM 24mm f11 1/25sec ISO100 PLフィルター

吹上のコルにて、日本海へ続く栂海新道と別れると、ここも一面のお花畑。
白色のお花にシモツケソウのピンク色や紫色が混じって美しいスポットです。
ニッコウキスゲも混じる。
せっかくのお花畑ですが、ゆっくりしていられないので先を急ぎます(焦)。

暑さと下りでヘトヘトなところに、木道で囲われた展望台が出現。
おつな所に展望台が作られています。
尖がったピークの向こうにさらに高い稜線が雲の向こうにのぞく。
詳しい地形は分かりませんが、小蓮華山あたりが見えているのでしょうか。

さらに進むと、朝日岳から600m標高を下げたあたりで湿原の景色に変わります。
16:00 五輪高原着。
雪渓が多く残る脇に湿原が広がり、1本の木道が延びる。
湿原にはミズバショウが咲き、水場も設けられていました。
水をもらい、しばし火照った体を休ませました。

木道を進むと、木道はお花の小道。
湿原にはニッコウキスゲの黄色や、白、ピンク、紫と多くの花が咲き誇っている。
雲は湿原の下に湧いており、まさに雲上の楽園。
日も傾き始め、寂し気な斜光線に照らされる短い夏を彩る湿原の花々が心に沁みるよう。
ぜんぜん知りませんでしたが、こんな綺麗なお花スポットがあったんですね。

その後は蓮華温泉までノンストップで下山。
蓮華温泉手前で、お花が咲き乱れる湿原がありましたが、既に日没後の薄暗闇で写真なし。
18:30 蓮華温泉下山で、なんとかお風呂にありつけることができました。

白馬岳からの雪倉岳と朝日岳縦走は、想像以上の展望とお花畑に恵まれる縦走路でした。
こんな好条件で行くことはなかなかできないかな。
2日間の晴天に感謝感謝。

白馬岳 記録一覧

2019年03月09-10日 ■■■■■『白馬岳 冬 ~栂池_登頂チャンスも強風にリュック飛ばされ幕~』⇒ ほぼ厳冬期の白馬岳
2018年07月16日    ■■■■☒『白馬岳 夏 ~蓮華温泉から日帰り!北アの展望とお花畑を見に~』⇒ お花畑/展望
2015年07月25-26日 ■■■■■『白馬岳 夏 ~蓮華温泉より高山植物咲く雪倉岳・朝日岳縦走~』⇒ 朝焼け/お花畑

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