山岳写真を中心に花、滝渓谷、自転車、モータースポーツ、夜景等の分野で、美しいと感じた風景を写真と撮影記で紹介していきます。

shibawannkoの撮影山行

〔100名山〕立山-剱岳-浄土山縦走 ~岩と雪の殿堂!剱岳の朝焼け夕焼け~

近年剱岳周辺は行ってるけれど、剱岳は久しく登ってないな。
そうだ、久しぶりに剱岳に登ってみよう。
立山も縦走もして、ついでに浄土山も加えて!
山の緑に雪渓の白のコントラストが映える、雪渓が多く残る早めの時期を選択。
夏の立山・剱岳をご紹介します。

ルート

〔1日目_山行〕6時間10分 /〔休憩〕1時間20分 /〔合計〕7時間30分
室堂 09:00 ⇒ 11:00 浄土山山頂 11:30 ⇒ 12:10 雄山山頂 13:00 ⇒ 16:30 剱御前小屋泊
〔2日目_山行〕5時間45分 /〔休憩〕3時間30分 /〔合計〕9時間15分
剱御前小屋 06:00 ⇒ 09:00 剣山頂 09:30 ⇒ 11:00 剣山荘 12:00 ⇒ 13:00剱御前小屋14:00 ⇒ 15:15 室堂

山行記録 2017年7月20日~21日

1日目_ミクリガ池/リンドウ池

EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 28mm f11 1/125sec ISO100 PLフィルター

今日は浄土山~立山をグルっと縦走して剣山荘まで。
歩行時間が長いので、当然のごとくアルペンルートは始発で出発。
先を急ぎますが、まずはミクリガ池とミドリガ池へ。
立山に来たら、この2つのお池は外せないでしょう~。

予報通りの快晴の中、10分強でミクリガ池へ到着。
今年の冬は雪が多かったせいか、この時期になってもまだ池の雪は全然融けきっていません。
雪が溶けた部分は深いダークブルーで、その表面には立山や浄土山を映し込んでいる。
美しか~。
やはり北アルプスの綺麗さは格別です。

次はリンドウ池へ。
こちらは雪が解けて、透き通るような透明な雪解け水が池から流れ出ている。
池の周りには黄色い花。
そして、池の向こうには三山の稜線が平らに見える立山三山が連なる。
いいですね~。

浄土山上り(リンドウ池 09:50 ~ 11:30 浄土山)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 50mm f11 1/160sec ISO100 PLフィルター

今回は立山三山だけでなく浄土山も加えるので、浄土山に向かいます。
2つの池を回って浄土山も加えて、贅沢なプランです。
途中、暑さでやられなければいいのですが(笑)。

浄土山へは室堂山展望台までは緩やかに標高を稼ぎ、そこから浄土山まで急登です。
登ってきた反対側を見やると、剱御前の稜線上には広大な白い雪渓が広がっている。
夏の立山のイメージと違って花が少ない。
なんだか分かってきました。
今年は雪が多かったから雪が融け切れておらず、まだ高山植物の花々は雪の下なのだ。
そう思って見てみると、ちらほら花は咲いていますが確かに少ない。
ちょっと早すぎたのかな、天気は最高なんですけれど。
室堂山展望台まで標高を上げていくと、まだまだ融け切らない雪渓が点在します。

10:40 室堂山展望台着。
室堂山展望台からは台地上の五色ヶ原と切れ落ちた断崖、その向こうには広大な裾野を引く薬師岳が見えます。
いい景色です。
基本登山口まで車でアクセスするので、浄土山から薬師岳間の区間は縦走できないな。
展望台からは傾斜を増して高度を上げていくと、だんだんと雄山がその高さを増してくる。
お花は少ないけれど、多くの雪渓が残るアルプスの夏景色が素晴らしい。
運よくライチョウとか出てこないかな。
近年ライチョウにまったく出会えてない。

立山三山縦走①(浄土山 12:00 ~ 13:20 雄山山頂)

EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 18mm f8 1/200sec ISO100 PLフィルター

11:30 浄土山山頂着。
ほ~んと10数年ぶりに浄土山に来ました。
懐かしや。
前回は始めてくる北アルプスの夏景色に感動しっぱなしだったけか。
今日の長い行程からすればまだまだ序の口で、これからの縦走に備えてしっかりエネルギー補給します。

浄土山山頂から一ノ越までは、既に立山三山に連なる素晴らしい縦走路。
雪渓越しに雄山の雄姿が素晴らしい。
真っ黒な剱岳も見え始めました。
少し歩くたびに写真を撮っているので、なっかなか進みません。
雲がわいてきました。何とか雲で覆われる前に雄山山頂に着きたい。
一ノ越から雄山山頂まで300mの登り。

立山三山縦走②(雄山山頂 13:50 ~ 16:30 剱御前小屋)

EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 22mm f8 1/250sec ISO100 PLフィルター

13:20 暑さと寝不足で結構ヘロヘロになってきましたが、ノンストップで雄山山頂に到着。
なんとか雲に覆われる前に、久しぶりに雄山山頂に立つことができました。
雄山山頂からは360度の展望が広がります。
東側は、眼下にエメラルドグリーンの湖面をたたえた黒部湖が見え、正面には尖った針ノ木岳が見える。
南側は、今日歩いてきた浄土山に繋がる稜線が伸び、岩と雪のミックスの景色は迫力満点です。
西側は、室堂平から大日岳まで広ーい空間が広がる。
その先はもう日本海。
大日岳が北西方向における北アルプスの端のように見える。
いいですね~。立山の夏の北アルプスの光景を見ることができました。
雄山で休憩してから後半戦スタート。
ここからは立山三山を縦走して、明日の剱岳登頂のために剣山荘まで下ります。

雄山の喧騒から離れて大汝山方面に進むと一人旅。
浄土山を経由した分だけ時間が遅くなり、この時間から立山三山を縦走する人はいない。
静かな稜線を進みます。
途中、大汝山小屋の脇から大汝山頂上に立ちます。
大汝小屋はあるものの、2~3人が頂上に登ってくる程度で、静かな頂上でした。
この時点でガスが湧きあがり、太陽を隠し始めます。
このまま夕景の剱岳を撮るまで天気がもってくれればいいのですが。
大汝山から富士ノ折立へ。
富士ノ折立のピークは、時間がないうえガスに覆われていたため踏みませんでした。
今回で立山三山を縦走するのは3回目ですが、富士ノ折立のピークを踏んだ記憶がない(笑)。

3,000mの稜線が連なる立山三山の稜線は富士ノ折立で終わり、真砂岳へ向けて標高を一度落してゆきます。
この富士ノ折立から見る剱岳は、幾重にも雪渓に覆われた稜線の重なりの向こうに黒く剱岳が聳える好きな光景です。
ここも撮りたかったスポットだったのですが、ほぼガスに覆われてしまいました。
この夏山の午後の時間では、ガスに覆われても仕方がないというか通常ですね。

EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 22mm f11 1/125sec ISO100 PLフィルター

室堂方面を見ると、空を多くガスの下は、緑と未だ残る雪渓の白の何とも言えないゼブラ模様。
スッキリとは晴れませんが、こんな雄大な景色を見ながらの縦走が楽しい。
完全に非日常の世界がそこにあります。
そんな楽しい縦走路も、富士ノ折立から標高を落し真砂岳をトラバースしていくと、別山が高く立ちはだかってきます。
ここまで結構な距離を歩いてきた後の別山への登り返しはややつらい。
見た感じ結構あるな~。
ここで、反対側から縦走してくる登山者1名とすれ違い。
雄山から縦走してきて初めてのすれ違いでした。
この時間からどこまで行くのでしょう?

別山の登り返しも、疲労と暑さと寝不足で辛いところですが、雲湧く雄大な室堂の光景を見ながらだとそれほど苦しくない。
そしてだんだんと湧き立つ雲の勢いも衰え、雲の間から太陽が覗き始める。
もしかしたら、今日の目的である剱岳の夕景が撮れるかもしれない。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 35mm f11 1/125sec ISO100 PLフィルター

そんなことを期待しながら軽快に別山を登りきると、真っ黒い剱岳が姿を現しました。
凄いな、何度見ても凄いよ剱!
「幾重にも重なる針の山」みたいな剱岳を初めて見たときの感動が思い起こされます。
今年は本当に雪が多い。
剱沢も反対の立山も、融け切らない雪で大部分が覆われています。
盛夏の北アルプスの光景ではないみたい。
雪で覆われているため、お花畑はありませんでした。

しばらくは別山からの夕景の剱岳撮影。
粘っていると、剱岳山頂を覆っていた雲も完全にとれました。
ここ別山からの剱岳からの夕景が素晴らしかったのと、今から剣山荘まで夕食までに到達することは無理目。
剣御前小屋に宿変更。

剱御前小屋に宿泊手続をして、剱御前小屋の裏手の山から再び夕景撮影。
雲に覆われていた立山が姿を現す。
なんて雄大な景色何でしょう。
少しモヤっていて空気の透明度がなかったので、柔らかく夕焼けした感じで日没を迎えました。
この夏至に近い時期は、夕陽は北寄りに沈むので、剱岳は焼ける部分が少なかったです。
南寄りに沈む冬の時期の方が、剱岳は良く焼けるのでしょうか。

剱御前小屋の宿泊者は、平日ともあって少なく9名ほどでした。
小屋の方も親切で、他の宿泊者の方と星空撮影等、各々の経験や山での楽しみ方を聞けて楽しい時間を過ごさせて頂きました。
何気ない交流の中での「その経験をオープンにしてみれば?」との一言が、ヤマレコを始めるきっかけでした。
その後はブログまで開設してしまうとは、何がきっかけになるかは分かりませんね。

2日目_剱岳上り(剱御前小屋 05:50 ~ 09:00 剱岳山頂)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 31mm f8 1/13sec ISO100 PLフィルター

朝焼けは昨日の夕方と同じく、剱御前小屋の裏手の丘から迎える。
昨日の夕景と同じく、この時期は太陽がやや裏側から登るため、剱岳はあまり焼けませんでした。
夏とは思えないほどに残っている雪渓は、優しいピンク色に焼けてくれました。
さて、今日は剱岳に登頂して今日中に立山アルペンルートを使って帰らなければならない。
剣山荘ではなく剱御前小屋からスタートするのは結構大変ですよ。

朝焼け撮影後に朝食を頂いた後は、雪の剱沢を駆け下ります。
何本も雪渓を下りたり横断しながら剱山荘と剱岳に近づいていきます。
広大な雪渓越しに見る剱岳がいかつく聳えている。
どんどんと近づいてくる剱岳に、気持ちが昂ると同時に不安でもある。
この冒険的要素を含んだ登山がたまらなくいいです。
そこが他のレジャーと大きく異なるような気がします。

剣山荘から前剱まではや急登急登。
普段の弾丸日帰り登山ではなく、昨日は小屋泊りで休めているので、十分体力はあります。
急登もなんのその、出てくる鎖ともどもガシガシ登ってゆきます。

07:40 前剱着。
剱御前小屋からスタートして、2時間で前剱まで来ました。
振り返ると、深い谷となった剱沢を挟んで剱御前小屋がはるか遠くに見える。
2時間でここまで来たのか。
「人間の脚というのも凄いものだな~」と改めて思ってしまいます。
帰りは折り返してそのずっと先まで行くのですが(笑)。

剱岳下り(剱岳山頂 09:30 ~ 15:00 室堂)

EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 24mm f11 1/100sec ISO100 PLフィルター

前剱からは雪渓が多く残りますが、ルートには影響しませんでした。
平蔵のコルを過ぎると、岩峰の尖り方が激しく険しい。
15年ほど前に来たときはおっかなびっくり登ってた記憶がありましたが、今回はまったく怖さを感じることはありませんでした。
上りの難所であるカニの縦ばいは、それと気づかぬうちに登りきっていました。
他の岩場や雪山で慣れたんでしょう。

09:00 剱岳山頂着。
剣山荘から随所で三脚を立てながら2時間半でした。
かの有名な剱岳山頂からの景色は絶景であり特別な感があります。
南側には、深い剱沢の向こうに昨日歩いてきた立山三山が見える。
その奥の南部の山々は離れすぎていてもう良く分かりません。
東側は北方稜線のギザギザスカイラインと後立山連峰。
北側の毛勝三山にはガスがかかり始めました。
厳しい標高差だった毛勝山登山を思い出します。

09:30 剱岳山頂からの展望を堪能し、今回の山行のすべての目的を達成したので帰ります。
前剱からは夏雲が添えられ、行きよりも良い感じです。
ここでガスが出始めたので、後はトロリーバスに間に合うようひたすら歩き続けました。
途中、剣山荘から剱沢キャンプ地に向かう雪渓中でガスに巻かれ道迷い。
岩場の黄色マークを辿ると、開通前の雪渓ルートを誤って行ってしまいました。
剱御前小舎前の急傾斜の雪渓をキックステップで登る羽目になってしまい大幅時間ロス。
やはり迷ったら気付いた時点で戻るが正しいですね。

室堂には15:00に到着し、15:15のトロリーバスでさっくり帰れました。

立山-剱岳 記録一覧

2019年11月17日      ■■■■■『雄山浄土山_雪 ~薬師岳と剱岳の展望が凄いぞ!ギリギリの立山周遊~』⇒ 最高の立山雪景色
2017年11月12日    ■■■■☒『立山-浄土山 冬 ~欲張ったら雄山の頂上踏めなかった雪山始め~』⇒ 立山雪景色
2017年07月20-21日 ■■■■■『立山-剱岳-浄土山縦走 ~岩と雪の殿堂!剱岳の朝焼け夕焼け~』⇒ 朝焼け夕焼け/初夏

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