午前中の安達太良山を終え、50km移動して午後の西吾妻山へ。
スノモンの夕景撮影のため、時間的に下りのゴンドラを使うことができない。
そのため、ゲレンデトップまでスキー担ぎ上げてデポ。
これで時間制限を解除して、時間に追われることのないいつもの自由な登山スタイルへ。
はたして天気はもって、青空のもとスノーモンスターを撮ることはできるでしょうか。
ルート
〔山行〕4時間10分 /〔休憩〕1時間40分 /〔合計〕5時間50分
【上り】第4クワッドリフト終点 13:50 ⇒ 15:00 西大巓 15:50 ⇒ 16:40 西吾妻山
【下り】西吾妻山 17:00 ⇒ 18:00 西大巓 ⇒ 18:40 第4クワッドリフト終点 19:10 ⇒ 19:40 グランデコ駐車場
山行記録 2019年1月30日(水)
西大巓(第4クワッドリフト終点 13:50 ⇒ 15:00 西大巓 15:50)
EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 16mm f11 1/160sec ISO100 PLフィルター
1山目の安達太良山を終え2山目の西吾妻山へ向かう途中、真っ白な雪を纏った磐梯山が日を浴びて輝いていた。
一瞬「磐梯山がいいかも」とかいう思いもよぎるが、大変そうなので計画通り西吾妻山へ。
グランデコスキー場の駐車場に着くと、なんと西大巓には雲がかからず青空のもと、たおやかな山頂が真っ白く輝いている。
午後もいけるか!
曇る前に登ってしまおう!
13:20 早々に準備してスタート。
ただでさえ重い撮影機材やスノーシューの登山セットに、さらにスキー板とスキーブーツのスキーセットを追加で持つのは非常に重い。
今日2山目ということもあり、ちと大変。
ゴンドラとリフト1本乗り継いで、ゲレンデトップまでアクセス。
ゲレンデトップでスキーセットから登山セットに履き替えてスタート。
今年もなかなかの大きさにスノモンが成長しているが、西大巓からの眺めにはかなわないため、途中のスノモンには目もくれず真っ先に西大巓まで。
途中下りてきた幾人もの登山者とすれ違う。
「この時間から大丈夫ですか?」と複数人からご心配を賜る。
もしもの時セットを含め、GPS、ヘッドライト、食糧・水、そして夜間行動の経験と全て準備してありますから。
そもそも夕景撮影で狙ってその時間帯に登ってるから、といっても通常の登山の常識ではなかなかそんな想像はできませんよね。
心配していた天気は、わき始めていた雲も収束して中腹からは雲一つない青空へ。
午後の西吾妻山の勝利を確信した。
EOS5DsR+EF70-200mmF4L ISⅡ USM 200mm f11 1/200sec ISO100 PLフィルター
15:00 油断せず休みなく上り詰めると、1時間強で西大巓へ到着。
すばらしいー。
昨年は西大巓到着と同時にガスってしまい見ることができなかった光景が広がる。
これから行く西吾妻山には数えきれないスノーモンスターが乱立し、午前中に登った安達太良山から磐梯山、飯豊連峰まですべての山々が見渡せる。
この厳冬期の時期にここまでの好天に恵まれるとは。
天気予報を信じて来てよかった。
西大巓から一通り撮り尽くすと15:30といい時間に。
西大巓から夕景撮影と考えていたけれど、西吾妻山からにしようかな。
日が西に大きく傾く中、準備を整えて西吾妻山へ出発。
ビクトリーロード(西大巓 15:50 ⇒ 16:40 西吾妻山)
EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 16mm f11 1/125sec ISO100 PLフィルター
昨年は時間切れで西大巓までだったので、ここからのルートは初体験。
既に西大巓で大分満足ですが、西吾妻山に至るまでのスノーモンスターは格別です。
西大巓までのスノモンよりはるかに立派なうえ密度もすごい。
EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 26mm f11 1/80sec ISO100 PLフィルター
そしてスノモンが飯豊連峰や磐梯山・西大巓の各々の山と非常によく絡む。
このルートは西大巓だけでなく西吾妻山へ行ってこそのルートですね。
西吾妻山山頂(16:40~17:00)
EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 24mm f11 1/30sec ISO100 PLフィルター
西大巓から西吾妻山へは大した距離はありませんが、写真ばっかり撮っているので全然進まない。
普段は常時三脚使用のところ、時間がないので珍しく手撮りで撮り歩き。
最後はスノモンの間を通り抜けていくと、これ以上高い所がないスノモンが乱立している地点に出る。
ここが西吾妻山山頂かな。
GPSで確認すると、ちょうど西吾妻山を示していたので間違いない。
EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 17mm f11 1/20sec ISO100 PLフィルター
17:00に近くなり、夕焼けが始まる。
スノモン越しの夕日が沈む西大巓や飯豊連峰が美しい。
柔らかいピンク色に包まれたスノモンを撮りながら下りてゆく。
最後は夕日が西大巓の頂上に沈む、ダイヤモンド西大巓で日の入り。
素晴らしい夕焼けでした。
下り(西吾妻山 17:00 ⇒ 18:00 西大巓 ⇒ 19:40 グランデコ駐車場)
EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 35mm f16 0.3sec ISO100 PLフィルター
日は沈んでも、西の空はまだまだ赤く明るい。
残照でもまだまだ撮れる。
17:30 ついに暗くなり諦めてリュックにカメラをしまう。
福島には自衛隊の空軍基地があるのか、戦闘機が轟音を立てながら西大巓をかすめて飛んでいった。
午前の安達太良山に続き、午後の西吾妻山は完璧で、素晴らしい一日でした。
18:30 西大巓から40分でスキーをデポしているゲレンデトップに到着。
「ここからはお楽しみのスキーで下山」と初めてのスキーを使っての下山を楽しみにしていました。
しかし実際にはそんな楽なことばかりではありませんでした。
なぜかというと、普段の登山セットに2kgの冬靴と2kgのスノーシューが加わった重量級のリュックを背負いながらのスキー滑降は、登山で傷んだ脚筋力では耐えられない。
ブルブルしながら転倒しないように刻みながら滑っていく、といった感じでしょうか。
適当に下りていくと、最後は不整地の上級者向きの急なゲレンデに入ってしまった。
「いや、もうこういうの耐えられません」って感じで斜滑降で逃げながら降りて、19:30下山。
憧れて始めようかと思っていたパックカントリー、ないかもしれない。
ちょっと疲れましたが、効率よく目的を達成できた往復750km1日東北遠征でした。
一日もってくれた東北の天気に感謝感謝。
今日のお役立ちアイテム ~実際の使用状況と役割~
多雪で傾斜が緩く滑落ヶ所がない西吾妻山は、ピッケルとアイゼンは必要ありません。
多雪の雪面をどれだけ沈み込ませず消耗しないで歩けるか、ということが重要になるので、ワカンよりもスノーシューの方が適切でしょう。
また、スノーシューと言っても登坂能力はさほど要求されないため、ライトニングアッセントではなくともヒールリフターのあるモデルであれば十分です。
安達太良山全線で、ピッケルよりストックの方が有用性が高いです。2本で360gと超軽量で扱いやすいストックが、雪原歩きの助けになりました。
以前の旧モデルはスノーバスケットが取り付けできず完全な無積雪期専用モデルでしたが、マイナーチェンジしたニューモデルはスノーバスケットをワンタッチで取り付けることができます。そのため、浮力は若干少ないものの超軽量のストックをそのまま冬用ストックとして使用することができます。
今回は夕焼け狙いの山行のため下山は夜間歩行。さらにゲレンデトップからはスキーによる下山のため、真っ暗なゲレンデを滑り降りることになります。
そんな時でも500ルーメンの強力な照度が真っ暗なゲレンデを照らし、安全にスキーで滑走・下山することができました。
西吾妻山へのルートは、スノーモンスターの間を通り抜けていくルートになります。そのため、近距離からスノーモンスターを撮ることも多く、大きなスノーモンスターや手前のシュカブラまで広く取り入れてダイナミックに表現するには標準域では足りず、16-35mmの超広角域が絶大な威力を発揮します。
西吾妻山でスノーモンスターを撮るには必須の焦点域と言えるでしょう。