山岳写真を中心に花、滝渓谷、自転車、モータースポーツ、夜景等の分野で、美しいと感じた風景を写真と撮影記で紹介していきます。

shibawannkoの撮影山行

〔100名山〕谷川連峰馬蹄~日帰り?で絶景紅葉撮りつくし!~

10月の第一週は、山紅葉で1年間で最も貴重な時期。
一度は行ってみないと!行くなら紅葉の綺麗な秋かな、と思っていた馬蹄。
フルリモートで、1か月半前の前回登山から運動量ゼロ。
そんなんリハビリ登山で、ロングの馬蹄行っちゃって大丈夫か?
とも思いつつ思い立ったが吉日。無理くり有給ねじ込んで谷川連峰へ。

計画は標高が高くて紅葉が綺麗な、次の3つの紅葉ポイントを撮りつくすこと。
①東側の白毛門~朝日岳
②西側の武能岳~茂倉岳
③一ノ倉岳~谷川岳
①は午前中の斜光線で、②③は午後の斜光線が良いと思われる。
紅葉エリアと光線状態を考えると、必然的に半時計回りでの日帰りとなる。
避難小屋を利用して2日分けても良いのだが、半日以上光線状態が逆になる。
日中雲が出ても、朝と夕方だけ晴れてくれれば谷川連峰の紅葉絶景が撮れるはず。

shibawannkoのワンポイントアドバイス/ルート

〔山行〕13時間10分 /〔休憩〕6時間20分 /〔合計〕19時間30分
白毛門登山口駐車場 03:50 ⇒ 05:40 松ノ木沢の頭 06:10 ⇒ 07:00 白毛門 07:10 ⇒ 08:10 笠ヶ岳 08:30 ⇒ 10:00 朝日岳 10:10 ⇒ 10:30 ジャンクションピーク 10:40 ⇒ 12:00 清水峠 12:30 ⇒ 13:30 七ツ小屋山 13:40 ⇒ 14:20 蓬峠 14:30 ⇒ 15:20 武能岳 15:30 ⇒ 17:40 茂倉岳 17:50 ⇒ 18:00 一ノ倉岳 21:50 ⇒ 22:50 谷川岳 ⇒ 23:00 トマノ耳 ⇒ 02:20 西黒尾根登山口 ⇒ 02:40 白毛門登山口駐車場

山行記録 2020年10月2日(03:50~26:40)

白毛門登山口~松ノ木沢の頭~白毛門

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f16 1/13sec ISO100 PLフィルター

あまり早くに出発しても、稜線西側の紅葉エリアに日が回らない。
馬蹄日帰りで1時間でも早く出たいところを押さえて、微妙に早い4時前に出発。
反時計回りなので、馬蹄日帰りのスタートは、白毛門の急登から始まる。
急登だけど足場も悪くなく、効率よく標高が稼げるこんなルートは大歓迎。
さっさと稜線に出たくて気持ちが急くが、なまった体が付いてこない。
し、心臓が痛い...。心肺持久力が衰退したようだ。
急ぐと絶対バテる、と思われたので、ペースを落とし省エネモードで進む。

05:40 2時間弱で展望が開ける松ノ木沢の頭に到着。
空は晴れているが、どの山頂もガスで覆われているではないか。
向かいの谷川岳だけでなく、これからの登る白毛門も真っ白白。
んげ、、、。来る山域間違えたかな。
夜明けも東の空に掛かる雲に阻まれて、朝焼けなし。
確か白毛門あたりから紅葉が綺麗なはず。
突っ込んでも仕方がないので、雲をとれるのをしばし待つ。
結局分厚い雲の層は取れきれなさそうなので、牛歩で白毛門山頂へ向かう。

07:00 白毛門着。
白毛門からは草紅葉の向こうに、雲がとれ始めた谷川連峰が聳える。
天候が回復したことから一安心。後は自分が歩き切るだけだ。
ちょうど雲がとれた白毛門山頂からは、まだ雲を被る笠ヶ岳が見える。
行く頃にはちょうど雲はとれると思われる。休まず笠ヶ岳へ。

白毛門~笠ヶ岳~朝日岳

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f16 1/20sec ISO100 PLフィルター

白毛門から笠ヶ岳へ続く稜線が、結構な紅葉エリア。
黄色や赤色が混ざり、とたんに華やいでくる。
紅葉の向こうに聳える笠ヶ岳の絵が美しい。これだけでも来てよかった。
雲がとれそうなので、しばし朝食を摂りながら雲がとれるのを待つ。
ほどなくして笠ヶ岳に掛かる雲が完全にとれ、今日の前半戦の勝利を確信した。

EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 22mm f11 1/40sec ISO100 PLフィルター

08:10 笠ヶ岳まで来ると西側斜面の紅葉と谷川岳の組み合わせが素敵。
これから行く大烏帽子の西斜面は、まだ日が当たってないが紅葉が凄い。
なかなか凄いじゃないか!馬蹄形の東側。
白毛門からはずっとビクトリーロードが続く。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 28mm f16 1/20sec ISO100 PLフィルター

早く先へ進まなければいけないが、写真ばかり撮ってなかなか先に進まない。
めんどくさいので、このエリアはずっと三脚を担ぎながら歩いていた。
大烏帽子まで来ると、馬蹄の最奥まで見渡せてくる。
遥か先に清水峠のトンガリ送電線監視所が見える。あそこまで行って約半分か。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 30mm f16 1/15sec ISO100 PLフィルター

西斜面だけでなく、東斜面にも壮大な紅葉が広がる箇所があった。
ハイマツと笹の緑をベースに赤黄橙が散りばめられる見事な紅葉パッチワーク。
なんか飯豊山で見た紅葉と似てるな。
振り返っても、紅葉の斜面と谷川岳の組み合わせがなんとも素晴らしい。
今まで谷川岳の紅葉に目を向けていなかったが、谷川連峰素晴らしすぎる!
もうここまでで、十分今日は元が取れた感じだ。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f16 1/20sec ISO100 PLフィルター

10:00 紅葉に足をとられまくって、ものすごい遅さで朝日岳に到着。
途中天気回復を持っていたこともあるが、ここまでで6時間もかかるとは。
こんな素晴らしい紅葉景色を独り占め。
たまに熊鈴音が遠くに聞こえ後続者はいるようだが、静かな一人旅であった。
朝日岳から振り返ると、相変わらず紅葉した西斜面と谷川岳が素晴らしい。
アップダウンも少なく、最高の紅葉トレイルだった。

朝日岳~ジャンクションピーク~清水峠

EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 21mm f11 1/30sec ISO100 PLフィルター

朝日岳から一通り撮り終えたら、休まずそのまま次なる清水峠を目指す。
朝日岳までは冬季に来たことがあるが、ここからは未知の世界。
まだ歩いていないトレイルを歩ける喜び。
朝日岳から先は一転、池塘が点在する草紅葉のなだらかな風景が広がる。
まったく飽きさせてくれない馬蹄。この先もどんな風景が広がるのか楽しみだ。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f16 1/20sec ISO100 PLフィルター

10:30 ジャンクションピークまで来ると、巻機山まで続く稜線が伸びる。
各ピークには赤い紅葉が目立つが、藪を漕ぎ漕ぎあそこまでは行けないだろう。
巻機山へ思いを馳せつつ、先を急ぐ。
ジャンクションピークからは、右に巻機山、左に谷川岳を見ながら下りに入る。
どこまで行っても下り下り。心配になるほどの下り。
振り返ると、壁のようにジャンクションピークが立ちはだかる。
馬蹄の中で、ここまで標高を下げるのか。それは登り返しが辛くなるだろうに。
見えてはいるが、なかなか辿り着かない清水峠の三角屋根。
そしてだんだん近づいてくる上越のマッターホルン、大源太山。
もうこの時点で、左膝が痛み始める。下りも難儀しそうだよ。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 35mm f16 1/25sec ISO100 PLフィルター

12:00 ジャンクションピークから1時間半かかって清水峠着。
ここで登り返しに備えて、昼食を摂ってしばし休憩。
残りのコースタイムを計算するが、気の遠くなるよなコースタイム。
そして日帰り馬蹄としては、圧倒的な遅さだ(笑)。
撮るものがたくさんあってそれは良いのだが、日没までに谷川岳には着きたい。

清水峠~蓬ヒュッテ

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f16 1/25sec ISO100 PLフィルター

12:30 昼食を摂り終えて後半戦スタート。雲が出て谷川岳を覆い隠し始めた。
清水峠からは、土合へ戻るショートカット道が分岐する。
ここからさらに標高を上げてさらに下るのか。もうお腹いっぱい。。。
この先ガスっている谷川岳へ突っ込んでどうする?と、面倒臭虫が囁く。
ここで帰っては馬蹄日帰りならず、後半の紅葉ゾーンもまだ見れていない。
この先夕方にかけて雲がとれる!と信じて、下山路の誘惑に負けずに急登に挑む。
体力が落ちると、気力まで落ちるものだ。

大源太山分岐まで来たので、分岐から外れて少し大源太山を見に行ってみる。
少し行くと、紅葉トレイルの先にトンガリ大源太山が現れた。
これが巻機山から見ると、ものすごい角度の鋭鋒に見えるのだな。
大源太山を近くで見て満足した。
分岐まで戻る際の、西斜面の紅葉がやはり美しい。

13:30 分岐からほどなくして七ッ小屋山。
なだらかな笹原の向こうに、後半戦最大の登り、武能岳~茂倉岳が聳える。
それにしてもこれほどクリーミーな笹原を見たことがあっただろうか。
壮大な笹原を歩くのは、疲れていても気持ちが良すぎる。

蓬ヒュッテ~武能岳~笹平~茂倉岳

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f16 1/25sec ISO100 PLフィルター

14:20 気持ちよい笹原を下ると蓬ヒュッテが現れる。
もう疲れてここで泊まりたいが、雲もとれて完全に晴れ渡ってきた。
このまま晴れているうちに後半の紅葉ゾーンに辿り着ければ、今日はもう完璧。
蓬ヒュッテをちょっと覗いて、すぐに最後の体力を振り絞って武能岳へ。

武能岳手前から、今日のお目当ての馬蹄後半の紅葉エリアが始まる。
赤い紅葉から続くナイフリッジの稜線の先に、茂倉岳が鎮座する。
美しい紅葉と恐ろし気な巨大な茂倉岳の組み合わせが良きかな。
西日の斜光線に照らされた、イメージした通りの光景が広がっていた。
一日よく頑張ってここまで来たものだ。
そしてよく朝と夕方だけしっかり晴れてくれたものだ。感謝感謝。
良い光線状態で紅葉が撮れることは良いが、下山時間を考えると憂鬱になる。
15:20 紅葉に包まれる茂倉岳着。
続く茂倉岳の紅葉エリアも撮りたいので、急いで撮って茂倉岳へ激下り。

EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 16mm f11 1/15sec ISO100 PLフィルター

傾く夕日の中、ギリギリで茂倉岳下の紅葉エリアに到達する。
夕陽に照らされる紅葉と武能岳を合わせる。ここから見る武能岳がでかいよ。
登るとさらに紅葉が広がるが、夕陽が高入りして光を失ってしまった。残念。
茂倉岳への最後の上りに備えて、夕景を見ながら食料補給。
ここで今日まったく使わなかった超望遠レンズで、遠くなった巻機山を捉える。
紅葉が中腹まで下りていなかったため、全く不要の長物となった1.5kg。
ロングルートで持ってこなければよかった、完全なミスジャッジ。

茂倉岳~一ノ倉岳~谷川岳~谷川岳登山口

17:40 長い長い上り坂を登り終え、ようやく武能岳に到着。
日没を過ぎ、残照が辺りを包む。
谷川岳周辺の紅葉エリアは撮れなかったけれど、今日は天気ももって最善か。
谷川岳周辺の紅葉は、また次の機会にしよう。
日没を迎え今日の目的はすべて終了。そして白毛門登山口まであとCT5時間。
う~ん、さすがにめっそりする残りコースタイムだ。

視界は、明るい中秋の名月の光も届かず2mほどしかない。
この視界の効かない暗闇の中で、西黒尾根の分岐を間違えないかが心配だ。
谷川岳エリアは5回目になるが、何気に無積雪期に来たことがない。道は知らん。
予想を超える行動時間で、GPSの残量が残り10%を切る。
迷う所だけGPSを使用するため、スマホの電源は切って温存しておくことにした。
案の定、西黒尾根分岐辺りはガレて開ける分、暗闇濃霧では道は分かりづらかった。
西黒尾根に入ったら安心かと思いきや、開けている分濃霧では道が分かりずらい。
その上、剥き出しの白い岩盤が、乾いた状態でも非常に滑りやすい。
これで雨でも降っていたら、つるっつるの最低の状況だったのではないだろうか。
濃霧でルートが分かりづらいうえ滑りやい、ロング最後に辛い下山になった。
これだけでなく、中腹のラクダのコルからの下半部はガレガレときたもんだ。
既に痛んでいた左膝だけでなく、右膝も強く痛み始める。
両膝砕けながらも、ヘロヘロになって西黒尾根登山口に下り立つ。
この西黒尾根、標高差はあるしツルツルにガレガレで二度と使いたくない。
谷川岳は、やっぱりロープウェイでしょう。

今回は天気に恵まれ、目的の谷川岳馬蹄の東側西側の両方の紅葉の撮影を完了。
しかしリハビリ登山に持ってくるには、谷川岳馬蹄はちょっと大変だった。

谷川連峰 撮影記一覧

2020年10月02日 ■■■■■『谷川連峰馬蹄 ~日帰り?で絶景紅葉撮りつくし!~』
2019年03月20日 ■■☒☒☒『巻機山&谷川岳_冬ダブル ~日本離れした谷川連峰の朝焼け~
2018年03月03日 ■■■■☒『谷川岳_冬 ~ダブルヘッター2山目!もうすでに春山?~
2018年03月03日 ■■■■■『白毛門_冬 ~ダブルヘッター1山目!谷川岳の夜明け~

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