山岳写真を中心に花、滝渓谷、自転車、モータースポーツ、夜景等の分野で、美しいと感じた風景を写真と撮影記で紹介していきます。

shibawannkoの撮影山行

乗鞍・上高地サイクリング完全攻略《①編》乗鞍エコーラインヒルクライム ~周回すれば3倍楽しい!北アルプス絶景周回ルート~!~

ロードバイク乗りにとって”ヒルクライムの聖地”と呼ばれる乗鞍岳。
登山では夏も秋も冬も幾度となく登った自分にとってもまさしく”聖地”。自転車を始めてからもe-MTBで登ったけれど、電動だと簡単すぎてイマイチ登った気がしない。やっぱり人力で登らないと...、と言うことでロードバイクで登ってきました。

そして土砂崩落により通行できなかった岐阜県側の乗鞍スカイラインが2024年から通行できるようになったことから、乗鞍スカイラインを下りてみることに。平湯まで下りたら自転車では安房トンネルは通れないことから、帰るためには安房峠のヒルクライムは必至。安房峠を超えて中ノ湯ゲートまで下りたら、上高地はすぐそこ。この際だから上高地まで自転車でヒルクライムしちゃう?

ということで、①乗鞍エコーラインHC→②乗鞍スカイラインDH→➂平湯大滝HC→④安房峠HC→⑤上高地HCと、4つのヒルクライムを繋いで乗鞍を完全攻略!乗鞍エコーラインの往復より3倍効用が高かった超おすすめルートをご紹介します。

 

走行ルート

乗鞍-上高地一周データ

〔距離〕87km
〔獲得標高〕2,800m
〔平均速度〕14.5kph

乗鞍エコーライン(番所大滝-県境)

〔距離〕24km
〔獲得標高〕1,400m
〔平均勾配〕約6.2%(観光センター~県境)

①乗鞍エコーラインHC→②乗鞍スカイラインDH→➂平湯大滝HC→④安房峠HC→⑤上高地HCと一周すると、距離87km/獲得標高2,800m。
①番所大滝からの乗鞍エコーラインのヒルクライムで1,400m登るため、登り坂全体の半分はエコーラインで登ることになる。ただし国道158号線から番所大滝まで標高差270mのヒルクライムが最後に来る。

 

走行記録 2025年7月20日(08:20-11:40)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 40mm f11 1/60sec ISO100 PLフィルター

08:20 今回は乗鞍エコーラインをヒルクライムして岐阜県側の乗鞍スカイラインをダウンヒルしてぐるっと回ってくる予定のため、スタート地点はやや低めの番所大滝駐車場からスタート。標高がすでに1,300mと高く涼しくはあるものの、もう真夏な日差しが降り注いでいる。
本当は6時スタートくらいにしたかったのだけど、霧ヶ峰のニッコウキスゲに浮気していたものだから致し方なし。ゆるゆる登り始めると、満開のアジサイがお出迎え。

ほどなくバス乗り換え地点となる乗鞍観光センター。まっすぐ伸びた道路の先に乗鞍観光センターと乗鞍岳が聳える良い眺め。ここからの景色が好き。ヒルクライムのゴールの畳平あたりまで見える。なかなかの標高差。あそこまで登るのね。

乗鞍スノーリゾート、休暇村乗鞍高原と各施設の脇を走っていく。この辺りは視界が開けていて気持ちがいい(けど暑い)。乗鞍岳の雄姿を見ながらヘアピンカーブを曲がると、しばらくは樹林帯。
樹林帯から抜けると、車両通行止め地点となる三本滝レストハウス。多くのサイクリストがヒルクライムの準備をしている。ロードバイクから電動、旅車など、車種は様々。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/50sec ISO100 PLフィルター

09:20 三本滝レストハウスに少し立ち寄ってから、第二ラウンドスタート。さぁ登りますか!前回は電動MTBだったけれど、人力ではいかほどのものか?

三本滝レストハウスからは大きく折り返す九十九折を登っていく。視界が開けていて気持ちの良いエリア。道路わきの斜面には高山植物のお花畑。わざわざ登山しなくても、自転車で高山植物のお花畑が見れるなんて、嬉しい限り。夏の光を浴びて、花々が光り輝いている。麓を見れば、先ほどの三本滝レストハウス。まだ穂高連峰は見えない。

樹林帯に入って、小さくカーブを折り返していく。乗鞍エコーラインの平均斜度は6.2%前後。自分の坂の基準が富士ヒル(富士スバルライン)の5.2%なので、なかなかキツイ。インナーローにしてもクルクルと回せない。しっかり踏んでいかないと登れない。
他のサイクリストは全員がガチ勢という訳ではなく、各々のペースでゆっくり登って楽しんでいる感じ。こんな景色がいいのに、速く登ってしまってはもったいない。

10:10 激しい九十九折を登ると、位ヶ原山荘。九十九折のインコース側はなかなかの斜度。思わず立漕ぎ入れてしまった。
位ヶ原山荘で標高2,350m。まだ先はあるのに、既に富士ヒル(富士スバルライン)ゴールである富士山5合目の2,300mを超えているということがすごい。富士ヒルでは、4合目以降空気の薄さを如実に感じたが、これより丈夫では空気の薄さはそれ以上と言うことになる。けど今日はレースペースではなくゆるポタゆっくりペースで登っているので、空気の薄さはあまり気にならない。もう少し頑張って速く登らないと、トレーニングにはならないかな。w

位ヶ原山荘からも乗鞍岳の稜線が望めてテンションが高まる。ここから県境境まで約4.8km/標高差350m。まだまだ登るけれど、その分楽しみが残っているので嬉しい。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/80sec ISO100 PLフィルター

位ヶ原山荘から上部が乗鞍ヒルクライムのハイライト。
意外と長いストレートもあり、そのストレートの先に稜線が見えたりするとテンションが上がる。そして乗鞍岳の最高峰、剣ヶ峰を捉えるようになるとテンション瀑上がり!最高の景色だ。

標高差が非常に大きく登頂が大変な北アルプスの中では、関東圏から一番近く交通のアクセスもよいことから、乗鞍岳に最も多く訪れている。幾度となく来ている乗鞍岳だけど、何度見ても素晴らしい。登山ではなく、自転車で車道から見る乗鞍岳もこれまた良い。

ところどころ急坂に喘ぎつつも、今日はまだまだヒルクライムが残っているので、ペースを抑え余力を残して登る。
雪渓が現れるところまで来ると、槍ヶ岳~穂高連峰が見え始める。今はグリーンシーズンで緑緑しているナナカマドやダケカンバも、秋には目が覚めるような絶景紅葉スポットになる。厳冬期は強風吹きすさぶ一面の大雪原。その大雪原の一部が今残っているのね。
季節折々の乗鞍岳の景色が思い出される。登った山を車道から自転車で思い返す、というのも楽しい。山と自転車の組み合わせってなかなかいいと思う。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/80sec ISO100 PLフィルター

ヘアピンカーブの内側はなかなかの斜度。コーナー外側から俯瞰すると、登ってきた道とこれから登る道が見渡せて面白い。次々とサイクリストが登ってくる。槍ヶ岳~穂高連峰と大きく広がる青空と流れてゆく夏雲。いい、すごくいい!

一般車は通らずここはサイクリストの天国。まるで別天地。登山をしていればいくらでも山岳展望は見れるが、自転車でとなるとかなり場所は限られる。
自転車で軽快に移動しながら見る山岳展望は、爽快感があり登山とはまた違っていい。

だいたい4分1から3分の1くらいが電動チャリ。以前来たときよりも、確実に電動チャリの割合が増えている。ガチ勢だけでなく、電動チャリで乗鞍の絶景を楽しんでいるカップルが多い。確実に電動チャリが普及している。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/80sec ISO100 PLフィルター

振り返ると雪渓とサイクリストと槍・穂高連峰。上を見上げれば、いよいよ近づいてきた剣ヶ峰がのっぺり見えてくる。そして、雪渓を滑る蟻んこのように見えるスキーヤー。

肩の小屋口まで来ると、県境までもう残り僅か。雪渓にはスキーヤーがスキーを楽しんでいる。何度見ても思うのだが、自分もバックカントリースキーまで楽しむスキーヤーだけど、夏まではスキーをやる根性はない...。w
そんなスキーヤーと雪渓をバックに、ピナレロF5の記念写真。スキーは冬に来ます。乗鞍岳登山の集大成として、剣ヶ峰からスキーで滑走してみたい。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/60sec ISO100 PLフィルター

車道から見る乗鞍岳は、肩の小屋口を過ぎたあたりからの眺めが一番だと思う。緑の濃淡の絨毯に白い雪渓と、その間にエコーラインが走るバランスのいい絵。あとは浅くカーブを曲がりながら進むと、県境まではもうすぐ。空に向かって進むという感じ。この絶景スカイラインがもうすぐ終わってしまうと思うと名残惜しい。

11:10 県境到着。ここが長野県松本市と岐阜県高山市の県境。番所大滝より1,400m登り切った。景色が綺麗すぎて、あまり苦しさは感じなかった。
県境までくると、多くの登山者とサイクリストが入り乱れる。

登山道の足元には、高山植物の女王、コマクサが咲き乱れている。ここ乗鞍のコマクサは大株が多い気がする。他の山域だと、コマクサ見るとその貴重さから「わぁ~っ」ってなるけれど、乗鞍はありがたみが薄れるくらいに地面一面を覆うように咲いている。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/100sec ISO100 PLフィルター

県境の看板は、サイクリストや登山者に大人気。順番待ちして写真撮影。晴れているうちに青空をバックに撮れてよかった。それにしても看板がやたら大きい。

岐阜県側に入ると、乗鞍エコーラインとスカイラインの最終地点である畳平はもうすぐそこ。足元にはコマクサいっぱい。鶴ヶ池のエメラルドグリーンが美しい。

乗鞍岳へは夏も秋も冬も幾度となく訪れているので、乗鞍岳登頂は今回はもういいです。同じ写真ができるだけだから。もしかしたらバックカントリースキー以外で、もう乗鞍岳に登ることはないかもしれない。足元にはやっぱりピンクのコマクサいっぱい。

さすがにもうお昼近く。夏雲が乗鞍岳山頂付近を覆い始めてきた。もう一度コマクサを愛でて畳平へ。ヒルクライムを終えた多くのサイクリストが、満足げにエコーラインを下っていく。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 31mm f11 1/80sec ISO100 PLフィルター

県境から畳平までの僅かな区間は、まさに天空道。鶴ヶ池近くの道路脇には、高山植物のお花畑が広がっている。歩かなくても自転車で軽快に高山植物咲く山の景色を楽しめるなんて、まさにサイクリストの楽園。

11:40 お花咲く畳平への最後の道をゆっくり味わいながら走り、終点の畳平に到着。畳平から登山道を少し下りれば、そこもお花畑。今日はまだ先が長いのと雲が広がってきたので、先を急いで上から眺めるだけにする。
本当にいいな、乗鞍岳。自分にとっても”聖地”かもしれない。夏に自転車で2回登ったから、今度は秋の紅葉の時期に自転車で訪れたい。

12:00 急激に夏雲が湧いてきた。晴れているうちに、今度は反対岐阜県側の乗鞍スカイラインの絶景を撮りたい。小休止をとってすぐに出発。
近年乗鞍スカイラインが通行止めになっていたこともあり、乗鞍スカイラインを通るのは20年以上ぶりくらいなので楽しみ。
《第二編》 乗鞍スカイラインダウンヒルへ続く。

 

 

乗鞍岳山域の山行記録


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