ツインリンクもてぎまで、新型車両になったフォーミューラーカーを撮りに行ってきました。
2&4の同時開催レースで、スーパーフォーミュラの決勝前に、JSB1000の決勝が23週で行われます。
時間もあるしせっかく2&4の同時開催レースなので、初めて2輪の流し撮りにチャレンジしてみました。
バイクレースの流し撮りをご紹介します。
JSB1000の決勝が23週なので、50分で終わってしまいます。
50分の短い時間の中で、広い広いもてぎのサーキットでコーナーを変えて移動することはできない。
1ヶ所選ぶとしたらどこのコーナーから撮ろう。
決勝開始前にいたのがパドックだったので、S字コーナーのアウト側から撮ることにしました。
カーブでライダーは遠心力に対抗するため体をイン側へ入れるので、イン側から撮るのがセオリーとされます。
ただサーキットでイン側から撮れるコーナーは非常に限られており、もてぎであれば90°コーナーのG席です。
そうはいうものの、シャトルバスがそこまで行かなくて移動するのが大変だったもので。。。
はい、横着しました。
結果として、コーナーアウト側からでもよい写真が取れたのでよかったです。
撮影機材
撮影機材はスーパーフォーミュラ用に持ってきているものと一緒で、望遠レンズ2本構成です。
〔カメラ〕 Canon EOS5DsR
〔レンズ①〕Canon EF100-400mmF4.5-5.6L ISⅡUSM(+PLフィルター)
〔レンズ②〕SIGMA 150-600mmF5-6.3DG OS HSM Contmporary
別途EF100-400mmに連結するテレコンバーター×1.4Ⅲも持っています。
しかしマシンを真ん中に配置することがない私にとって、AF測距点が中央1点というのが非常に使いづら。
そのため超望遠の2本持ちは辛いですが、400mmがどうしてもとどかないコーナーでは、最近ではSIGMA150-600mmの方を使うようになっています。
いつも4輪マシンを撮っていますが、2輪は4輪より小さいので、はたして焦点距離が届くのかが若干心配なところ。
またPLフィルターは普段風景撮影で使っているものを、NDフィルターの代わりに晴天時の減光用として使っています。
路面の乱反射を除去しクッキリした色を再現してくれるので、お気に入りのアイテムです。
撮影記 2019年8月18日(12:10~13:00) S字コーナーアウト
構図①:400mm 1/125秒 左下がり
EOS5DsR+EF100-400mmF4.5-5.6L ISⅡUSM 400mmトリミング大 f9 1/125sec ISO100 PLフィルター
S字アウト側から400mmだと、①コーナー付近は遠いですが、②コーナーから抜けて加速していくマシンを流し撮りするにはちょうど良い焦点距離になります。
実際にレースが始まってファインダーを覘くと、小さいよ。。。
①のコーナー付近は全然遠いです。
②のコーナーから抜けていくマシンも真正面まで近づかなければ遠いです。
シグマの150-600mmで撮ろうかと思いましたが、純正100-400mmの方が①画質と②オートフォーカスの早さと③手振れ補正の強力さで信頼度が高いので、純正100-400mmで撮り始めました。
純正の100-400mmでしっかり止めれさえすればトリミングで対応できるでしょう、という考えです。
構図は、コーナー側を高くコーナー出口を低く傾けるのが好みなので、左下がりの構図とします。
シャッタースピードは、自分の流し撮りの標準シャッタースピードである1/125を選択。
安全を狙って早いシャッタースピードを選択しないのは、例え安全な早いシャッタースピードで何枚も撮ったとしても、たった1枚でもそれよりも遅いシャッタースピードが決まれば、すべて無駄になってしまうからです。
真昼の灼熱の中、バイクが目の前を通るたびにひたすらシャッターを切り続けます。
流し撮りは1発で決めきれるものではないので、ある程度の成功確率の中で後は数の理論。
きっちりと芯が残った写真を多く残して、その中から偶然のマシンの重なり等、良いものを選んでいくと納得いく写真が残る、というスタイルに落ち着いています。
後日数百枚も撮った同じ構図の中から芯が残った写真を選別します。
すると目も当てられないくらいのひどい成功率で、40~50枚から1枚の成功率でしょうか。。。
通常の4輪レースで言えば、シャッタースピードを1/60秒にした場合と同じくらいの低調な成功率です。
自分ってこんなヘタクソだったかな?
しっかり止まっている写真を拡大すると、1/125秒だと全てに焦点が合っていないことが確認できます。
具体的には、①マシンの前後で合っていない場合と、②ライダーとマシンとで合っていない場合があります。
①のケースはコーナーアウト側から撮っているため、4輪と同じくコーナー中バイク自体が回転していることが要因です。
そのため、バイクの前側にピントが合うと後ろ側はピントが合わず、逆に後ろ側にピントが合うと前側が合いません。
4輪の箱車であればフロントグリルや手前のヘッドライトにピントを合わせます。
バイクの場合は同じくヘッドライト付近にピントを合わせればよいでしょう。
よく見るとヘッドライトではなく後のスイングアームにピントが合っている写真もありました。
しかし高速で動く小さなバイクの前側にピント合わすことは、なかなか容易ではありませんね。
②のケースは、コーナーではライダーは遠心力とバランスさせるためにバイクの内側に入るように動くことが要因です。
そのため、ライダー(のヘルメット)にピントが合うとバイクには微妙にピントが合わず、バイクにピントが合うとライダー(のヘルメット)に微妙にピントが合いません。
2輪撮影の経験がないので、ライダーとバイクどちらが主かは分かりませんが、微小な差なのでどちらでもよいと思います。
4輪のフォーミュラーカーの場合は、ドライバー(の頭部)にピントを合わせるようにしますよね。
構図②:600mm 1/125秒 左上がり
EOS5DsR+150-600mmF5-6.3DG OS HSM Contmporary 600mmトリミング大 f10 1/125sec ISO100
100-400mmで相当枚数撮ったので、望遠端の400mmでは寄りが足らず、また同じ写真ばかり撮っても仕方ありません。
150-600mmに替え、構図もコーナーを下、コーナー出口を上にした左上がりの構図に替えます。
このSIGMAの150-600mmですが、超高価な純正600mmの代替機として購入し、何度かレース撮影で使っています。
その印象は、純正の100-400mmに比べて画質が悪くて(単純に400mmと600mmでは比べられませんが)、AFが遅く、なによりも手振れ補正が600mm付近だと効いているのか分からないくらい貧弱なイメージがあります。
そのため今までと同じように、おそらく100-400mmよりも成功写真は残らない気配が漂います。
しかし結果は全然違いました。
600mmで撮った場合の成功率は、10枚に1枚くらいで非常に成功率が高かったのです。
確かに400mmで追いかけるのと600mmで追いかけるのとでは、当然画角の狭い600mmで追いかける方が難易度は高く、通常であれば成功率は低くなります。
さらにAFや手振れ補正が貧弱なレンズであればなおさらです。
なぜこのようにいつもと逆転した結果が出た要因は、400mmで追っかけていた場合、画角内に占める被写体のマシンが小さくて焦点を合わす点がピンポイントで追っかけづらかったのでしょう。
あんまり余裕を持った画角は流し撮りには適さない、ということが証明された結果となりました。
流し撮りの成否は経験に基づく部分が大きいのですが、このパターンの失敗は初めてです。
数百枚没写真を消すのは大変でした(笑)。
普段600mmで1/125秒で撮った場合の成功率は結構低いのですが、SIGMA150-600mmを改めて見直しました。
構図③:600mm 1/125秒 左下がり
EOS5DsR+150-600mmF5-6.3DG OS HSM Contmporary 600mmトリミング大 f10 1/125sec ISO100
600mmで左上がり構図も相当枚数撮ったので、構図を変えて最後は左上がりの構図に。
そしてコーナーから脱出するバイクの流し撮りだけでなく、600mmの長焦点を生かしてコーナー付近も狙ってみます。
1台単独だと若干寂しい感じがしますが、コーナーの反対側にコーナーに入るバイクが流れているといい感じになります。
狙ったバイク以外の車がどう画面に入り込むかは狙って撮れるものではないので、数を打つといいカットが現れてきます。
50分の短いレース時間のため、今回はS字コーナーアウト側からしか狙えませんでした。
しかしコーナー内か出口か、左下がりか左上がりかで構図を変え、複数のバリエーションで撮ることができました。
そして撮れた写真もなかなか迫力があり、2輪レースの流し撮りもいいなと思った次第です。
初のバイクレースの流し撮りでしたが、4輪の経験があったためそれなりにしっかり撮れたでしょうか。
フルサイズ機なので焦点距離が届かず、ほとんどが大幅トリミングでしたが(笑)。
また機会があればコーナーイン側から、ライダーが内側に入り込む迫力のあるシーンを撮ってみたいです。