南アルプス

〔300名山〕山伏_最短ルート ~百畳峠より往復90分で富士山見物~

安倍川の滝巡りと合わせて、その水源ともなる山伏に登ってきました。
300名山にも選ばれている、山伏からの展望をご紹介します。

ルート

〔山行〕1時間 /〔休憩20分〕/〔合計〕1時間50分
百畳峠 15:20 ⇒ 16:00 山伏 16:20 ⇒ 16:50 百畳峠

山行記録 2019年6月16日(15:20~16:50)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f8 1/60sec ISO100 PLフィルター

大雨後の曇りの日を狙って、安倍川一帯の滝巡り。
曇天の想定にもかかわらず朝から晴れ出し、雲は多いながらもついには晴れ渡ってしまった。
南アルプス南部エリアは結構登っていない山々が残っている。
ついでに梅ヶ島温泉から近い山伏も登ってしまおう。

滝巡りで時間を食いすぎて既に13時過ぎ。
山伏を調べると、梅ヶ島からだと登り3時間で標高差が1,100m以上もある。
う~ん、標高差1,100mはきついし、今日はそんな気分でもない。
記録を調べると極端に短い歩行時間の記録があり、どうやら百畳峠から行くらしい。
地図を見ると梅ヶ島から百畳峠まではこの井川湖周辺の道路状況が非常に悪いエリアを大きく回り込まなければならない。
これはこれで辛いけれど、移動時間と歩行時間を含めるとどっこいどっこいか。
人を消耗させるか、車を消耗させるかの選択だな。

途中にある福養の滝も行きたかったので、百畳峠までぐるっと回ることにしました。
百畳峠までは、途中までいつもの井川湖に行くルートで、車慣れした自分でもめっそう疲れる。
ほんとこの区間は試練だ。
県道189号線を選択しましたが、189号線よりは27号線の方が舗装が新しいので、走りやすい。

15:00 大雨の後で落石と落枝が散乱しているボッコボコの林道を走って、ようやく登山口の百畳峠に到着。
百畳峠は始めてきましたが、こんな山深い所に誰も来ないかと思いきや、途中2台とすれ違いました。
登山口には既に登り終えた3名の登山者の方が休んでいる所でした。
こんな南アルプス深南部の山奥に、登山者はいるけれど車はなし。
話してみると息子さんの迎えを待っているとのこと。
詳しくは聞きませんでしたが、少し気になりながらも登山開始。

歩き始めるとすぐに新緑の木々が強風で揺らめいている。
やっぱり山は晴れているに限る。
明るい稜線を歩いてゆき、振り返ると南アルプス深南部の山々が見える。
山深し、南アルプス。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f8 1/200sec ISO100 PLフィルター

16:00 山頂着。
百畳峠から山伏山頂までは、途中三脚を立て写真を撮りながらでも40分で到着。
展望があるかと言えば、展望がある所もあればない所もある、と言ったところでしょうか。
そんな半分展望がある、楽な明るい稜線歩きって大好きです。
梅ヶ島からのルートはアクセスが良い半面、歩いたことはないですが標高差があって暗くてきつそうなイメージ。
百畳峠までのアクセスはかなりぐったりしますが、果たしてどちらが良いのだろう?

山頂直下からは、富士山を正面に眺めることができ、南アルプスならではの山深い景色が広がります。
山伏は南アルプスの前衛の山だけあって、見える富士山も大きい。
寒気が入っているのか、頂上には雲がかかり、風も強く雲が速い速度で流れている。
天候は安定しませんがちょうど景色の良い所で日が射し、富士山を眺めていると幸運にも一瞬ほぼ雲がとれてくれました。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 50mm f8 1/160sec ISO100 PLフィルター

山頂からは東側の富士山は見えませんが、北側の南アルプスらしい重厚な笊ヶ岳等の山々が見える。
ここも運がよくちょうど日がさして、印象的なシーンを撮ることができました。
八紘嶺方面に行くと崩壊地とか展望が開けるかと思い少し行きましたが、少し歩いても展望が開けなかったので山頂まですぐに引き返し。
帰りはルート上から少し外れて避難小屋を見に行ったり。
少し下った窪地に、緑に囲まれた素敵な避難小屋がありました。

結構写真撮ったりして油を売っていましたが、1時間半で百畳峠の登山口着。
するとなんと行きに会った家族3名が、3人身を寄り添ってまさしく団子三兄弟みたいに寒さをしのいでいるではないか。
百畳峠は登山口と言えども標高1,800mもあり、風が通り抜ける場所。
今日みたいに風が強い日に動かずに長い時間待っていたら、とっても寒かったでしょうに。

さすがにちょっと普通じゃない感じがしたので、先ほどより詳しく状況を聞いてみる。
すると、朝家族4人で梅ヶ島から上がってきたのですが、足の状態が悪くて3人はなだらかで下り時間の短い百畳峠に下りてきて、息子さんだけ梅ヶ島に戻って車で百畳峠まで迎えに来るとのこと。
いや、それは時間がかかりますよ...。

計算すると何事もなければそろそろ息子さんが迎えに来れる時間なのですが、3人とっても寒そうでせめて風は防がないと。
百畳峠までは1本道で必ずすれ違うので、まずは風を防ぐために一緒に車で下ることに。
ちょうど車に乗り込んで出ようかとすると、息子さんが急いで戻ってきました。
合流で来て良かった良かった。
そのご家族の互いに心配しあう様子を見ていると、「家族ってかけがえのないものだな」と思わずにいれませんでした。
そんなこともあり、短いながらも印象に残る山行になりました。

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