微妙な天気に微妙に展望のない山をあてる第2弾。
今日は昨日のガスガス展望なしの南木曽岳に続いて、岐阜県の奥三界岳へ。
奥三界岳を調べると、急登に崩落地に沢登りに、そして長く時間がかかりそう。
300名山も残り少なくなる中、そろそろ避けては通れない山。
ちょっと気合を入れて、頑張って行ってみましょう。
shibawannkoのワンポイントアドバイス/ルート
〔山行〕9時間10分 /〔休憩〕2時間 /〔合計〕11時間10分
〔上り〕林道ゲート前 08:00 ⇒ 08:10 忘鱗ノ滝 08:20 ⇒ 08:30 銅穴ノ滝 08:40 ⇒ 13:10 鏡池 13:20 ⇒ 13:30奥三界岳14:10
〔下り〕奥三界岳 14:10 ⇒ 17:20 アゼ滝 18:00 ⇒ 18:10 一ツ滝 18:20 ⇒ 18:40 アゼ滝 ⇒ 19:10 林道ゲート前
〔難易度〕一ツ滝まで足を延ばすと、①往復20km/②標高差1,065mとロング。距離は長いが2本の林道歩きが楽。
⇒ 距離は長いが、滝あり沢登りあり湿原ありと変化に富んでいて飽きない。山の魅力を凝縮したような山。
〔危険箇所〕特になし。一部草やガレで覆われている箇所もあるが迷うことはない。野趣があってよい。
〔展望箇所〕①作業小屋上の急登を登った先の、笹原からの展望が良い/②山頂も派手さはないが展望あり。
⇒ アゼ滝と一ツ滝は、非常に綺麗な釜を持つ迫力ある滝なので、ここまで来たら是非寄ってみたい。
〔駐車場〕林道ゲート前に、6~7台の駐車スペースあり(トイレなし)。
山行記録 8月10日(08:00~19:10)
林道1本目~2本目(08:00~09:50)
EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 31mm f16 2.5sec ISO100 PLフィルター
夏山は、気温の上がる日の出前に稜線又は山頂、というの自分のスタイル。
しかし前日の宿題持ち越しで、長いロングルートでスタートは遅い遅い8時。
08:00 先が思いやられる中、林道スタート。
そんな奥三界岳の1つの見所は、滝が多く存在すること。
まずは林道スタートすぐに、忘麟の滝。茶色い岩肌を白水が流れ落ちる。
林道終点付近まで行くと、銅穴の滝。東屋があるので見逃すことはないでしょう。
少し沢を歩いて近づくと、迫力あります。
□ 急登(吊橋~林道2本目)
林道から逸れて谷を下り、真ん中から傾きを帰る吊り橋が現れる。
吊橋を渡ってすぐに、一つ滝とアゼ滝への分岐。
曇り予報が晴れ渡ってしまい、既に灼熱地獄になりつつある。
険しい谷にありそうなので、おそらく晴れでは滝は撮れない。
一つ滝とアゼ滝へは、夕方曇ってから、帰りに寄ることにした。
滝への分岐からは、標高差350mの急登。
暑いが針葉樹林が直射日光を遮ってくれて、順調に標高を稼ぐ。
檜なのかよく分かりませんが、所々現れる針葉樹の大木が和ませてくれる。
林道2本目(09:50~11:00)
EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 70mmトリミング小 f16 0.4sec ISO100 PLフィルター
ようやく急斜面を登り切り、林道2本目に合流。
地図を見ると、この林道だけでCT50分。水平移動ではCT短縮は難しい。
歩いて行くと、小石が林道の半分を塞いでいる。
大岩というと大杉谷の大崩落現場を思い浮かべる。
1つの岩で一軒家くらいの大きさ。それと比べると小粒な小石だ。
単調な林道歩きかと思いきや、深い深い山と谷の景観に驚かされて退屈しない。
本谷橋からは、深い深い山と谷の景観に驚かされる。
谷を見下ろせば、名前が付きそうな綺麗な釜を有する滝が流れる。
断崖絶壁には、巨大な針葉樹がが所狭しと生えている。
低山を登りに来て、こんな山深い景観が見えるとは、奥三界岳侮りがたし。
本谷橋からしばらく行くと、林道から離れて左の斜面に登山道が続く。
ここまで来て、ようやく奥三界岳の入口に立ったともいえる。
後半戦スタート前に、少し林道を直進すると、橋が架かる谷に昇竜の滝が落ちる。
落差はある荒々しい滝だ。
林道2本目終点~奥三界岳(11:00~13:30)
EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 33mm f16 1/30sec ISO100 PLフィルター
ここからがいろんな展開を見せて面白い。長いけれどまったく飽きない。
まずは岩ガラガラの、野趣溢れる狭い道を行く。
歩きにくいかと思いきや、コンクリが打ってあり見た目と違い歩きやすかったり。
ところどころ登山道の前面を塞ぐ崩落地。なんかこういうの嫌いではない。
作業小屋の辺りで小休止。さらに続く登りに備えて、エネルギーを補充する。
作業小屋脇から急登を登ると、ところどころ展望が開け始める。
奥三界岳はさして展望のない山と思っていたので、意外な展開に嬉しい。
曇り予報に反して晴れ渡った青空と輝く緑が美しい。
まさにここが奥三界岳のビクトリーロードだ。頂上はまだまだ先だが。
疎らに木が生える所と笹原になっていることが気になっていた。
後から調べると、以前は全山ヒノキに覆われていたが、伐採された跡地は再生されずクマザサに覆われているとのこと(出典:Wikipedia)。
綺麗に見える景色も、そう知ると少し複雑な気分だ。
EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 28mm f11 1/80sec ISO100 PLフィルター
笹原展望のビクトリーロードを行くと、今度は沢登りだ!
ガレた沢の詰めが始まる。山登りで沢登りの源頭部の詰めを味わえるとは。
最初は若干沢水が流れるが、すぐに涸れ沢に変わる。
涸れ沢と緑の笹原の上には、青空にぽっかり夏雲が流れる。
見た目には素晴らしい夏山の景色だが、暑さと体力的には厳しい。。。
沢を詰め上げると、「奥三界岳 1.5km/50分」の看板。
ここからも、笹原からところどころ展望が開ける。
標高の高い中央アルプスは、既に雲で覆われている。
今日少し迷った恵那山にも雲がかかる。今日は奥三界岳で正解だった。
はっきし言って、100名山の恵那山よりも奥三界岳の方がよっぽど面白い。
EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 61mm f16 0.3sec ISO100 PLフィルター
笹原地帯が終わったと思ったら、樹林帯に入る。木の根っこだよ。
山頂が近づく雰囲気に入ると、ところどころ粘土質の泥沼化してくる。
少し行くととシャクナゲと水芭蕉に囲われ、一面コケに覆われた鏡池が現れる。
ほう、こんな山頂直下に湿原があるんですか。
山のありとあらゆる要素を詰め込んだような山ですな。凄いよ、奥三界岳。
奥三界岳山頂~アゼ滝分岐(13:30~1:10)
EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f11 1/100sec ISO100 PLフィルター
13:30 鏡池からすぐに、ようやく奥三界岳山頂着。
スタートから5時間半かかったりして、とってもスローペースだった(笑)。
今にも朽ちそうな展望台に上がると、展望が広がる。
第一級の展望か、と言えばそういうわけではないが、見晴らしがよいのは良い。
展望がない山と思って登ってきているので、余計に嬉しい。
しかも夏の昼過ぎになっても、天候ももってくれた。
見える山々は何だかさっぱり分かりませんが、奥三界岳満足しました。
大休止をとっていると、大きなカエルがそこに居た。主か。
主は絵に書いたようなカエルで、とても可愛い。目の上のごみを取ってあげたい。
アゼ滝(17:20~18:00)
EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 35mm f16 1.3sec ISO100 PLフィルター
14:10 下山開始。スタート遅くスローペースで登ったため、もうこんな時間。
奥三界岳の登頂は果たしたが、まだ残している大事な仕事があるのだ。
晴れていたので後回しにした、一つ滝とアゼ滝、竜神の滝の3滝を撮ること。
日没が差し迫ってきたので、途中でshibawanwanと別れて急いで滝撮影。
17:20 滝分岐案内から、やや荒れた道を進むとしばらくしてアゼ滝に到着。
アゼ滝へは垂直に近い鉄梯子?を下りる。ひぇ~、ここまで来てアスレチック。
滝のすぐ間際を下りていき、眼下には、エメラルドグリーンの釜が迫る。
落ちたら釜行きか。なかなかググっとくる状況ですね。
どこまで下りるんか?と思って下りていくと、結局沢まで下りることができた。
エメラルドグリーンの釜が美しい。
滝壺からは、アゼ滝の下段が轟轟と水を落とす。凄いよ、木曽の滝。
一ツ滝~林道ゲート前(18:10~19:10)
EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f16 20sec ISO100 PLフィルター
18:10 地図を見ると、1つ滝へはアゼ滝から結構離れているように見える。
もう日没を迎えて、1つ滝まで間に合うか。行くか行かまいか。
中途半端に宿題を残したくないので、当然突っ込むことに。
ところどころ木橋が抜けて荒れていたりするが、特段問題ない。
1つ滝への途中にそこそこ立派な吊橋が掛かる。「1つ滝まで15分」とある。
なに~っ?時間がヤバい。奥三界岳を登り終えた後に、走ることになるとは。
小刻みにRUNを挟んで、6~7分で1つ滝に到着。
闇迫る中、美しいエメラルドグリーンの釜をたたえる1つ滝が姿を現した。
アゼ滝と1つ滝は、奥三界岳の1つのハイライトか。
1つ滝を日没後の残照で撮り終えて、本日の撮影山行は終了。
林道へ戻る吊り橋上には、「先帰った」のshibawanwanからの葉っぱの置き印。
無事に戻っていることを確認して、一安心。
19:10 なんとかヘッドライトを点けずに、林道ゲート到着。
結局、入口にある竜神の滝を残してしまった。
記録も少なく、地元の人か300名山ハンターしか登らない?とも思える奥三界岳。
ロングルートでも変化に富んでいて、行きも帰りも全く飽きることがなかった。
山の多くの魅力を凝縮した素晴らしい山でした。