フルサスMTBの極上の乗り心地と走破力はそのままに、ロードバイクとまではいかずともクロスバイクよりも軽量で速い万能ゆるポタバイクを求めた結果、辿り着いたマシンはSPECIALIZEDのEPIC EXPERT。
ヤビツ峠も何度か行き、当初の目的通り、ヒルクライムも高速巡行もロングライドも十分できることが分かったけれど、やはり高速巡行区間ではロードバイクに置いて行かれる。ロードバイクとのスピード差って、こんなにもあるものなのか...。
もともと自転車を始めたきっかけは、登山アプローチの時間短縮・省力化というかなりニッチで超限定的な目的からで、スピードなんてまったく求めていませんでした。しかしやはりスピードを出せるというのは楽しいことなのか、スピードに対する興味がふつふつと湧いてきます。
そんな背景もあってか、友人と一緒に走りに行くのに選んだ場所は、カスイチ(霞ヶ浦一周)。これには友人のロードバイクを借りて、ロードバイクを心行くまで試乗させてもらうという魂胆もあったりして(笑)。
はたしてこの高速XC用MTBで、高速巡行ルートのカスイチをどのくらい楽に早く走れるのか?スピードへの欲求が満たされるのか?はたまたやっぱりロードバイクなのか?ということを確かめたいと思います。
走行記録(2023年6月25日)
05:00 夜通し運転して、既にヘロヘロになってりんりんポートに到着。営業開始は9時からですが、駐車場は解放、そして屋外からもトイレが使えるようにしてもらっており有難い限りです。
06:00 準備を整えスタート。曇り気味の天気予報とは一転、初夏の強烈な光線が降り注ぐ。6時からしてモワっとまとわりつくような湿気と暑さ!カスイチを走るには、ギリギリの季節かもしれません。暑さにやられないよう、早く一周して帰ってきましょう。
MTBと言えども平均時速20km/h以上は出せると考えると、100km弱のショートコースならば、遅くとも5時間あれば帰ってこれる計画。続々と他のサイクリストもスタートしていきます。
はるばる来た霞ヶ浦。いつものように一眼レフでしっかり撮りたいのですが、一眼レフを持つとリュックを背負わなければなりません。100kmのロングルートを、重量級の一眼レフとリュックを背負って走りますか?前日はヤビツ峠を一周していて、すでにヘトヘトな状況。ロングということもあり、残念ながら一眼レフは置いていくことにしました。それにしても一眼レフと自転車はすこぶる相性が悪い...。ということで、今回は写真はかなり少なめです。
平坦な道を走っても面白いのか?と当初思っていましたが、よい方向に完全に裏切られました。非日常の光景が地平線いっぱいまで広がり、まさに”絶景”です!見渡す限り、米とレンコンと釣り師とチャリダーしかいません(笑)。こんな世界もあったのね!やはり来てみないと分からないものです。広すぎて開放感いっぱい、日常があっという間にぶっ飛んでいきました。
実際の走行感はというと、道は綺麗で車はほとんど通りません。すごく走りやすい一方、風が向かい風だと結構辛いかも。朝一番はやや向かい風で、頑張って出力上げても28km/hが持続できる限界という感じ。向かい風が強くなる区間は20km/h前半まで落ちる。これから100km走ることを考えると、ちょっとしんどい感が漂います。「あと半周すれば風向き変わって追い風に変わるよね!」なんて話しながら、頑張る前半。こんなとき話しながら走れるグループライドは楽しいものです。
今日の目的の1つである、ロードバイクの試乗ですが、交換して乗せてもらいました。しかし、サドルが高すぎて下死点で伸ばしたつま先がようやく届くくらいで、セッティングがまったく合わず。とっても危険なバイクだったので、すぐお返ししました。w
満足するまでロードバイクを乗せてもらって、「自分にロードバイクが必要か?」という答えを出したかったのですが、残念!
さすがに向かい風にちょっと疲れたので、休憩がてら記念写真。
MTBのロングライドで辛いのは、ストレートバーハンドルによる姿勢が変えられない点です。端的に表現すれば、手が痺れて痺れて仕方がない状況になります。ストレートバーハンドルは操作性が高い反面、手のひらからダイレクトに振動が骨を伝ってくる感じです。これは何度かロングライドをやって体験済み。これは辛い!ということで、カスイチのためにエルゴンのバーエンドバー付きのグリップに変えてきました。
バーエンドバーと言ってもブレーキやシフトチェンジレバーが付いているわけではないので、ロードバイクのドロップハンドルと同じとまではいきませんが、それでも同じ姿勢による肩凝り、首凝り、手の痺れを相当程度軽減してくれました。このグリップなかったらカスイチ100kmは、手の痺れの面からちょっと厳しかったと思います。
このグリップがカッコイイかどうかは微妙ですが、私は実利をとりました。w
10:30 日が高く登った頃に、ようやく道の駅たまつくりに到着。ここに来る直前の区間は、27~28km/hの巡航速度で順調に距離を伸ばせました。
今日はだいたい平均速度25~27km/hで巡行していましたが、ロードバイクには抜かれるばっかり。ぐぬぬぬぬ、ここカスイチはやっぱりロードバイクだな...。
半周を過ぎて進行方向が変わって風向きがやや変わる。道の駅たまつくりを目指して距離を稼いでいると、前方から赤いロードバイクがだんだん近づいてくるではないですか。おや、巡航速度はややこちら方が早いのかな?眼前に獲物が現れたがごとく、俄然やる気が出てきちゃったりして。
一定の速度を保って走っていくと、真っ赤なロードバイクを捉えてしまった。う~ん、さすがにマウンテンバイクでロードバイクを抜くのもどうかと思い、ちょっと離れた位置で走っていると、漕いだり休んだり。お疲れ気味な様子。速度が一定じゃなくてとっても走りづらっ!抜かせてもらうことにしました。
いつも抜かれているロードバイクですが、EPICでもロードバイクに負けずに走れるじゃないか!なんて、勝手に優越感に浸っていました(笑)。気を使って遠回りにそろ~っと抜かせてもらいました。
ここまで来る前に2ヶ所のセブンイレブンで大休止をしましたが、ここでも大休止。猛暑日となって体を冷やさないと熱中症になっちゃいます。そして食料補給が必要。ハラヘッタ...。冷房の効いた部屋で冷たい飲み物と食べ物。まさにオアシスでした。
1時間大休止した後、スタート地点のりんりんポートまで最終ヒート。さっきまで遠くに見えていた筑波山がより近く見えています。「霞ヶ浦一周?いいよね、ショートで!」と、暑さに負けて異論なくショートカットして戻ります。
苦しいのは暑さだけでない。昨日からの疲労と不眠。昨日はヤビツ峠一周60kmに実家往復で30kmで計90km走行。MTBによるヒルクライムで筋疲労があるものの、それよりもお尻が痛い!お尻のダメージが回復しきれていなかった。
最終ヒートは、一面レンコン畑の綺麗な景色が広がりますが、楽しむ余裕はあまりなし。お尻の痛さと暑さから早く解放されたいという一心。お尻が痛いので極力サドルに荷重をかけないように、前傾姿勢を強めにしてペダルに荷重を下ろしていく。前傾姿勢が取りずらいジオメトリーから、荷重と空気抵抗という面で、MTBは高速巡行にはやっぱり不利ですね。
12:00 ここまでくると風向き変わった追い風も相まって27~30km/hで巡行できて、りんりんポートにゴーーール!一番最後の区間が一番巡航速度が速かった。お尻の痛さから逃れるために効率的なペダル荷重ができた結果かもしれない。w
お疲れさまでした。ホッと一息。暑さでとても辛かったですが、思い返すと強烈な楽しい思い出しかありません。いいな、カスイチ!
帰りの車中では、今度は涼しい季節に来ようとか、ロードバイクだったら最高に楽しいかもしれないとか、次のことばかり。これだけいっぱい自転車が漕げるルートもそうはないでしょう。とてもよいサイクリングルートでした。また来よう。
走行ルート
今日のルートと結果です。正味の走行時間は4時間ジャストですが、2か所のセブンイレブンと道の駅たまつくりで大休止を3回とって、計2時間の休憩をとっています。暑すぎて休まずにいれませんでした。
MTBでも平均速度が23.5km/h出ているので、このコースでロードバイクであれば、相当早い平均速度が出ると思います。長距離をスパッっと短時間で切り上げるロードバイク。なんだかとってもロードバイクが気になってきたなぁ。