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房総半島一周サイクリング ~1日で260km走ってみた!絶景ポイントを写真で紹介~

サイクリストにとって”〇〇一周”と言うと、なぜか心ときめくよい響きがするのはなぜでしょう。
”〇〇一周”でも、湖・山・島・半島・湾などあるが、半島一周は数的には多くはない。近場の三浦半島一周(80km)→伊豆半島一周(270km)を走って、次に気になっていたのは房総半島一周。

前日にふと思いついて1日で房総半島を一周走ってきました。房総半島一周サイクリングを、写真とともにご紹介します。

 

実走結果

まずは実走結果から。

実走結果

〔距離〕263km
〔獲得標高〕1,400m
〔平均スピード〕23.5kph
〔平均パワー〕114W
〔心拍数〕平均131bpm/最大155bpm
〔消費カロリー〕4,380kcal

⇒ 獲得標高が1,400mくらいあるが、感覚的にはほぼ平坦。距離は長いけれど激しい坂がないのが救い。

⇒ 平均スピードは、最初の2時間で30kphは確保していたがが、その後、長い走行距離と海岸線の向かい風に晒されて消耗。最終的には23.5kphまで低下。しかしちょくちょく写真を撮りながら走るゆるポタ系の自分としては早い方。

⇒ 平均パワーは150-170Wの間に抑えるように走っていたが、終盤は消耗して100Wを継続するのが難しいくらいまで低下。完走する前に脚は売り切れ状態。

 

房総半島一周計画

ルート決め

まずはルート決め。”半島一周”で問題になるのが、どこまで大回りすれば”一周”と言えるのか、というところ。
どうせやるなら、文句のつけようがないフルで一周してみたい。しかし房総半島をフルで一周、九十九里浜を連ねて犬吠埼までとするとチバイチ(千葉県一周)になって500kmを超えてしまう。さすがに500kmは走りたくない。
かといってあまり内回りすると山間部を横断することになり獲得標高が増えてしまううえ(ロングで坂は嫌w)、こじんまりとした房総半島一周になってしまう。

千葉と言えば九十九里浜!九十九里浜を見てみたい(以前行ったことあるけど自転車で走ってみたい)。
そこで、山間部を避けて平地を横断するようにし、かつ、九十九里浜を走れるように九十九里浜に出るようなルートを選択した。

このルートでおよそ260km。獲得標高が3,000-4,000mを超えるフルイズイチ(伊豆半島一周)の270kmに比べれば、坂がない分だけマシだが、260kmという距離はなかなか気軽にチャレンジする距離ではない。

出発地点は、アクアラインに近く無料の駐車場がある富津公園に決定。
スタート&ゴール地点を房総半島の西側にするのが自分的にはポイントで、一周して戻ってきた夕方に海に沈む夕日を撮りたいから。

次は時計回りか反時計回りかで、時計回りを選択。理由は2つ。
1つ目は、時計回りの方が左側走行で海に近く走れて撮影しやすいから。
2つ目は、交通量が多く最も危険で走りたくない君津~千葉の京葉臨海工業地帯を、交通量が少ない夜のうちに通過しておきたいため。

日程決め

自転車旅も山旅も、自分の目的は綺麗な写真を撮ること。
房総半島を一周するならば、花の季節に行こうと思っていた。菜の花が咲く3月から桜が咲く4月あたりまでが適期と考えていた。またこの頃はまだ暑くなく、ロングライドに適した気温である。

3月中旬の休日。山は晴れ予報だけれど爆風予報で山は無理。平地も終日晴れ予報で、風は多少あるが許容範囲か。よし、山はやめて前から気になっていた房総半島一周をしよう!
前日の夕方の天気予報を見て決定。夜まで別件で時間が取れず、深夜に自転車だけ車に積んで出発。ルートは現地に着いてから考えた。w

お立ち寄りスポット

前夜決定のため、計画段階でまったく考えられず。とりあえず回りながら道沿いにあるスポットに立ち寄るというスタンス。
後から見直してみると、ルート付近で寄りたいところがあり、見逃してしまったポイントが幾つかあった。やはり計画段階からお立ち寄りスポットは押さえておくべき。ちょっともったいなかった。

装備

装備は基本的にいつも装備と一緒。

自転車装備

● 予備チューブ✕3本/電動+手動空気入れ/六角レンチ等
● 撮影機材(一眼レフカメラ+予備バッテリー)
● リュック+食料
+ 超絶明るいテールライトを通常装備に追加

⇒ ロングライドになるので、パンクには3回完全に耐えられるだけの装備をボトルケースに一式収納。

⇒ 一眼レフに24-70mmF2.8レンズを付けて重量1.85kg。重くてデカイがこれをなくして自分の旅は始まらない。これをリュックから吊り下げて走るものだから、ロングだと結構つらい。

⇒ 一眼レフカメラを肩から吊り下げるためにリュックが必要。
リュックには一日走り切れるだけの食料と防寒具を収納。ある程度の食料を入れておくと、コンビニがないエリアでも困らず、好きなタイミングで休憩できる

房総半島一周260kmを1日で走り切るには、自分の脚力ではナイトライド必至。そのため、普段装備しているテールライトに超絶明るいテールライトを追加して、テールライト2個体制とした。主として国道16号線対策。後方だけは絶対にケアしておかなければならない。

 

撮影記録 2025年3月23日

国道16号線_京葉臨海工業地帯(富津市~千葉市)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 35mm f4 0.4sec ISO2000 PLフィルター

03:20 富津公園をスタート。房総半島一周するならば午前1時にはスタートしたいと考えていたけれど、前夜の用事が片づかずこんな遅い時間になってしまった。そして準備と移動で一睡できず、加えて前々日のの疲れも残っていて体調はよくない。
こんな状況でこれから260km走り切れるだろうか?一周したら何時に戻ってこれるのだろう?とか考えるとビビッてやめたくなるが、ここまで来たらうじうじ悩んでも仕方がない。
フル伊豆イチよりずっと簡単だから、と思えば房総半島一周が大したことないように思えて来る。w

京葉臨海工業地帯を通る国道16号線は走りやすいが、日中は大型車がガンガン走る交通の大動脈。すぐ隣を大型車が通過し、ときに命の危険すら感じる。まさに自転車が交通弱者であることを思い知らせてくれる。
道路交通法上では自転車は車道を走ってよいことになっているが、国道16号線ははっきり言って自転車で走る道ではなく、自転車で走ってもまったく面白くないこの交通量のヤバさは、国道246号線とどっちがマシか?というレベルだ。

この国道16号線を交通量の少ない夜間に通過しておきたいため、富津岬スタートの時計回りを選択したのだ。
日曜日の早朝は想像以上にほとんど交通量がない。そして追い風。時速35kph前後で楽々巡航できる。まだまだ旅の序盤。ここで脚を使うわけにはいかない。体も疲れていないのでパワーを出しがちになるが、パワーメーターを見ながら150-170wの間で抑えるように走る。

ところどころ京葉臨海工業地帯の夜景を撮りながら進む。夜間の工業地帯は人気もなくひっそり。
05:00 富津岬から蘇我までの50km区間を、休憩なしで走り抜けた。ここまでの平均時速は30kph。いつもの自分の平均時速より大幅に早い。ここまでは幸先いい。

房総半島横断(蘇我~土気~九十九里浜)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f6.3 0.3sec ISO400 PLフィルター

GoogleMapを見ながら適当に房総半島の横断に入る。走ったのはJR外房線と並走する県道66号線→県道20号線→県道83号線のルート。
真っすぐ走れば九十九里浜に出れることと、等高線を見て平坦そうだったから。思惑通りアップダウンはほぼない。そして道路も走りやすかった。

05:20 東の空が明るくなってくる頃に、京葉電鉄の学園前駅を通過。薄明りの中、駅舎の照明がちょっとした夜景になっている。
夜間走り続けて若干疲れて体も冷えてきたが、休憩せずにまだ走る。

05:50 JR外房線の土気駅を通過。JR外房線と何度か交差する高架の上で日の出を迎える。
当初は房総半島を横断して九十九里浜で日の出を撮影する予定だったのだが、スタートが遅くなって房総半島横断中に日の出を迎えてしまった。ビハインドとしては2時間くらいか。
ここまでの房総半島の横断ルートは、普通の街中を走る感じ。特段自転車で走って楽しいというルートではない。

県道83号線に入ると、田舎道っぽくなってくる。もう田んぼに水張りが始まっている。
それにしても千葉県は山がないので、訪れる機会が少ない。まったく土地勘がない。知らない道を走るのは好きだが、寒さと疲れと寝不足でだんだん厳しくなってきた。

道沿いのファミリーマートで1回目の大休止。食料補給に日焼け止めにサングラスのレンズ交換を行う。平均速度は少し落ちたが、27kphを保てている。
道の向こうには海が見えてきた。房総半島を横断して白里海岸に到着する。いよいよ九十九里浜とご対面だ。

九十九里浜_白里海岸(大綱白里市)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 26mm f11 1/40sec ISO100 PLフィルター

07:00 九十九里浜に到着。海外手前の広場には「ようこそ!白里海岸へ」の歓迎のフレーズが並ぶ。なんかテンション上がってきた!以前1回だけ来て車で走ったことのある九十九里道路は、「自転車通行禁止」の標識が立つ。九十九里浜を快走するつもりだったけれど、自転車はダメか。

たどり着いた九十九里浜は全長60kmもあるため、広すぎて遠くの景色がほぼ見えない一面砂浜と海だけ。こういうのは遠景に街並みや山などが見えた方が見ごたえがある。撮るにも面白みが欠ける。けどこの広さがいいのかな。九十九里浜は、日本の白砂青松100選と日本の渚百選に選定されている。

ここまで富津岬から走って78km。全行程の1/3弱。よく自転車で走ってきたものだ。ピナレロF5と記念写真を撮って先を急ぐ。
ひたすら真っすぐな九十九里浜を快走するつもりでいたのだが、ここから少し想定外。有料道路の九十九里道路は自転車通行禁止なので走れない。並走する県道30号線を走る。一応車道から分離された自転車・遊歩道が整備されているが、ここの舗装が結構ガタボコ。たまに段差がある。平らで滑らかな車道を走りたい...。

道端にはスイセンが咲く。少し走れば河津桜が咲く。今日初めての花景色。3月を選んだのは房総半島の花景色を撮りたいから。今日これから見る花景色に期待する。

県道30号線を走ると、太平洋岸自転車道に案内される。自転車道が整備されてるのね、ラッキー。と思ったのもつかの間。
太平洋岸自転車道とは千葉県から和歌山県に至る1,400kmの自転車道構想とのことだが、この後の房総半島一周中でもちょくちょくこの自転車道に案内されることになる。が、この太平洋岸自転車道が総じて走りにくい路面悪く、場所によっては自転車での走行に全く適さない

自転車道は九十九里道路を左右に行ったり来たりして、まったくスピードが出せない。しばらくはうねうねと案内される。たまに見える海は依然として変わり映えがない。
自転車道のマークは入っているが、路面はボッコボコ。路面からフレーム→ハンドルと伝わってくる衝撃が酷い。もうロードバイクで走る気が失せてくるような自転車道だ。

ピナレロF5はレーシングモデルだが、ホイールやステム一体型ハンドルをカーボン製のものに変え、タイヤサイズは32Cを履かせて、快適性を追求した仕様にしているが、この路面の悪さには辟易した。この路面状況がずっと続くかと思うと先が思いやられる。
平均速度もガタ落ち。自分以外でローディーは見当たらない。

一宮海水浴場(長生郡)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/200sec ISO100 PLフィルター

太平洋岸自転車道に導かれて、さらにうねうね走行を続ける。途中朽ちかけた木の橋があったりと変化はある。

しばらく走ると、一宮海水浴場に到達する。外海でよい波が来るのか、この季節でもマリンスポーツを楽しむ人達でいっぱい。F5と砂浜の記念写真を撮ったらすぐに先を急ぐ。260kmもあるとおちおち休憩してはいられない。もう2時間早くスタートできていたらもう少し余裕があったのに。

県道30号線を、マリンスポーツの店やリゾートホテルを見ながら距離を延ばす。国道128号線と合流すると九十九里浜も終わる。うん、九十九里浜を楽しめた。九十九里浜を走った距離は18kmだったが、このくらいで十分だった。w

和泉浦海岸(いすみ市)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 35mm f16 1/30sec ISO100 PLフィルター

08:30 この先国道128号線を65kmほど走ることになるが、またもや太平洋岸自転車道に導かれて海岸線の和泉浦に出る。トイレと駐車場あり。
海岸すぐそばには、屋根付きベンチありの良い休憩場所あり。ここで二度目の大休止。リュックに詰め込んできた食料でエネルギー補充をする。海岸線は市街地を除いて全般的にコンビニはほとんどないので、ある程度食料を持っておくと時間のロスが少ない

和泉浦からはそのまま海岸線を進むように自転車道が続く。導かれるまま進むと、海岸の中を一直線に自転車道が走る。ここは気持ちがいい!そして僅かな区間だが、房総では珍しく路面がいい。ここの和泉浦は自転車で走ることをお勧めできる。房総に来た記念に、忘れずにF5と記念写真。

気持ちはいいんだけれどね、天気予報通りこの区間は向かい風。そして夕方までは向かい風。耐えて進むしかない。スピードは出ないし脚筋が消耗していくのが分かる。

部原海岸(勝浦市)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 45mm f11 1/100sec ISO100 PLフィルター

09:40 国道128号線をひたすら南下する。感じの良い海水浴場が部原海岸。こじんまりとした南国っぽい海岸でいい感じだ。ここまで来ると気温上昇で暑い。細やかに脱皮し、体力消耗を防ぐ。
先ほどの和泉浦で大休止したので、休みたいけれど休まず先を急ぐ。もはや耐久レースのようだ。w

ここから勝浦湾までは、砂浜から岩壁の切通しのような景色に変わる。登った先に次なる景色が展開する様がいい。青い海が見えてくる瞬間はテンションが上がる。ときどきトンネルも出現し始める。

鵜原海岸_八坂神社一の鳥居(勝浦市)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 42mm f16 1/40sec ISO100 PLフィルター

勝浦湾を過ぎて国道128号線を進むと、海の博物館など、観光スポット案内が目立ち始める。
房総半島は距離の割には見所が多くはない印象だ。ここまでほとんどお花もないし。地図を見ると鵜原理想郷とある。なんかよさげの雰囲気だったので、国道128号線から外れて鵜原海岸方面へ下りて行って見ることにする。

10:20 民家が立ち並ぶ狭い道を抜けると、こじんまりとした湾に白浜に出る。そしてなんか海に鳥居が立ってるよ。八坂神社一の鳥居だった。海に立つ鳥居って珍しい。ここまでで富津岬より125km。
鳥居と白波立つ海と白浜の景色が美しいここに来て今日一番の景色に出会えた。鳥居と海越しの断崖絶壁の海岸線の絵もいい。ここは時間をかけて写真撮影。房総半島来てよかったな、と今日初めて思ったかも。w
鵜原海水浴場は、マリンスポーツで楽しむ人がちらほら。このプライベートビーチっぽい雰囲気が好き。

八坂神社一の鳥居で満足したので、その先の鵜原理想郷は時間の関係で行かなかった。後で調べたが、鵜原理想郷のごとがえりに行っておけばよかったかな。すこし心残り。秘境っぽくてなんか気になる。

10:40 国道128号線に復帰し、すぐに守谷海水浴場の案内があったので寄ってみる。海岸と道路脇すぐに外房線が走っていていい感じ。今日は外房線に沿って走ってきているが、一度も外房線を見れていない。ロール線を見てみたかった。
守谷海岸からは、赤い鳥居が立つ渡島がすぐそこに見える。

鵜原海岸も守谷海岸もどちらも渚100選。今日いくつの渚100選を制覇するのだろう。w

鴨川エリア

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 34mm f11 1/80sec ISO100 PLフィルター

国道128号線を引き続き走る。路面は相変わらずよくない。この頃には体幹の筋肉を使い切ったのか、前傾した上半身を支えることが難しくなってきた。上半身を体幹で支えられないと、手で支えるしかない。手に荷重がかかると掌が痛くなってくる。つらい!

見えてきた小ぶりの湾は内浦湾。内浦湾に建つ巨大なリゾートホテルは、三日月シーパークホテル安房鴨川。内浦湾も綺麗な砂浜だけれど、内浦海水浴場でマリンスポーツは楽しんでいる人はいなかった。

国道沿いには、地魚料理あみもと。美味しそうな鮮魚の看板と天守の建屋が目を引く。ソテツも生えていて南国感たっぷり。景色は変化があって走っていて楽しいんだけれど、暑い、眠い、疲れた...。休みたいけれど、走れるうちに距離を稼いでおこう。

道路は部分的にさらにガタガタに。32cの太いタイヤを履いてこれだから、28cや25cのタイヤだと相当厳しいのではないだろうか。
海岸線が開け、遠くに鴨川シーワールド付近の巨大なホテル群が見えてきた。

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f16 1/30sec ISO100 PLフィルター

地魚磯料理店うおまさの、真っ赤な魚の看板が楽しませてくれる。そしてだんだんと鴨川のリゾートホテル群が近くなってくる。

11:30 今日は荒野のような海岸線を走ってきたが、突如として高層ビル建つ栄えた空間に突入する。なにやら観光客もいっぱい歩いている。ひと際人が集まっているところが鴨川シーワールド。ああ、ここがシャチで有名な鴨川シーワールドね。初めて来たよ。
富津岬から既に143km走破。ここで全行程の半分ちょっと過ぎ。まだ半分残るとはいえ半分は走って正午前。順調ということにしておこう。

鴨川シーワールドのシャチの周りは、菜の花が満開。鴨川シーワールドがお花スポットだったなんて。入念にシャチと菜の花撮影。シャチの実物は見たことないから一度は見てみたいけど、日没後の走行をできるだけ短くしたいので、当然入場せずに走行開始。うう、せわしない。

ときおり道沿いの駅攻めをする。JR安房鴨川駅。
国道128号線から外れて街中を走ってみたり。真っ赤な山門のお寺は日蓮宗栄長山妙昌寺

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 40mm f11 1/50sec ISO100 PLフィルター

妙昌寺を少し進むと、前方に海から突き出た大岩が見えてくる。複雑な海岸線は見ていて楽しい。
この景色いいな、と見ていると、そこが鴨川松島。海から突き出た岩が雀岩だろうか。いつの間にか海が透き通るように綺麗になっている。
渡る曽呂川は濁っているけれど、海は綺麗に真っ青。

道の駅鴨川オーシャンパークの手前で、何やら廃墟となった植物園あり。温室の屋根を突き破った植物が斬新でいい。w

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/125sec ISO100 PLフィルター

相変わらず向かい風。向かい風だと追い風の2/3くらいのスピードしか出ない。脚も相当消耗してきたのが分かる。パワーメーターで出力を見ると、100wを継続するのが辛くなってきている。
普段だと100wなんて無負荷みたいなもんなんだけれど。ロングライドの負荷おそるべし。w

12:20 道の駅鴨川オーシャンパーク到着。スタート地点から152km。もうヘトヘトクタクタ。ここで今日3回目の大休止。ライダーはたくさんいるけれど、自転車乗りは1人。なかなか自転車じゃここまで来ないよね。

13:20 和田浦海水浴場まで来ると、道の駅和田浦WA・O!。目を引くものが目に付いたので入ってみる。巨大なクジラの骨の展示あり。これがWA・O!なんですかね。ほんとそのまんま。実物大?ホントにクジラってこんなにデカいのかな。立体的に見える壁画もあり楽しませてくれた。

ここでまた自転車道が現れ脇道に誘う。国道128号線から外れては行って見る。海に向かって立派な吊り橋がかかっていい雰囲気。その先は砂浜に続く一本の自転車道。先を走るローディーが引き返してきた。なにかと思って進んでいくと、超絶ボコボコの荒れた路面。ここでも使えない太平洋岸自転車道。すぐさま自転車道を離脱して国道へ復帰。

13:40 和田町に入ってからは海岸線を行くために、国道128号線から房総フラワーラインの国道410号線へ入る。
ローズマリー公園にお立ち寄り。ローズマリーの花が咲いていたので、花景色をゲット。

房総フラワーライン_千倉の花畑(南房総市)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 28mm f11 1/60sec ISO100 PLフィルター

さすがに疲れました。睡眠不足と疲労と季節外れの暑さでもうフラフラ。もう1回大休止を入れたい。場所を探し求めながら走っていると、道沿いに良いものを見つけた。
ブロック塀で簡易に作られた、バス停の待合室だ。バスは来ない。誰もいない。ここまで来ると車もほとんど通らない。完全に横になって10分くらい寝させてもらって少し回復した。感謝感謝。

千倉あたりまで来ると、花摘みの看板が目立ち始め、突然お花畑が展開し始める。
房総フラワーラインとか言いながら、お花とかあんまりないじゃないか、とか思って走っていたが、ついにお花発見。下りて見に行ってみたいけれど、今お花は買えないので、横着して道路から撮らしてもらった。お花摘みのお花畑って斬新だな。

白浜-野島崎(南房総市)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 25mm f11 1/60sec ISO100 PLフィルター

15:00 白浜町白浜に入るとまた栄えてくる。民謡白浜音頭発祥の地とある。
屋根付きのベンチありの休憩エリアがあったので、5回目の大休止。休憩の間隔がだんだんと短くなってきたぞ。w
今日最後のエネルギー補給として、リュックに詰めてきた残りの食料を食べ尽くす。ようやく背中が軽くなった。走りも軽くなるといいんだけれど。

白浜野島崎園地からは灯台が見える。ここが千葉県最南端。野島埼灯台は登れるようなので行ってみればよかった。ここも時間がないので先を急ぐ。近くの滝口駐車場には岩に鳥さんが止まっていた。

ここのエリアでもお立ち寄りスポットに寄り損ね。国道からすぐ近くなので、めがね橋は寄ってよかったな。

房総フラワーライン/ドンドン岩(南房総市)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/60sec ISO100 PLフィルター

千葉県最南端の野島崎を過ぎると、もう地の果て感、荒涼感がすごい。時間も遅いせいか車通りもほとんどない。あるのはひたすら真っすぐの道と海と砂だけ。こういう景色を肌で味わえるのがサイクリングの魅力。

でも脚はとうの昔に売り切れて、体幹で上半身を支えられず掌はどこでハンドルに触れても痛みまくり。満身創痍の中、相変わらず風は向かい風。ひーっつらい。
疲れてなかったら自転車で走るのには良いエリアだと思う。心のが休まるのは、どこまで行っても坂がなく平坦ということ。西伊豆なんて二度とチャリで走りたいと思いません。w

GoogleMapにドンドン岩と表示されていたのでお立ち寄り。ゴツゴツ岩が海岸線に隆起し、ぶつかる波が白く波しぶきを上げている。
依然として房総フラワーラインはひたすら真っすぐ。ロングストレートの先に見える山を超えたら、房総半島の西端の折り返しか。

房総半島西岸(館山市~南房総市)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 48mm f8 1/15sec ISO100 PLフィルター

16:10 房総島西端の洲崎神社を通過。ここまででようやく200km。あと残り60kmちょっと。ゴールはあと少しだ!洲崎神社の大鳥居の向こうには長い石段が見えるけど、当然登りません。 道路からズームで寄って撮影。よし、次っ。

西端の洲崎神社で通過してターンすると、風向きが変わり若干走りやすくなる。
西端の先っちょを折り返して館山港に入る。日は傾きもう夕暮れどき。一日天気がもってくれたので、計画通りに西岸から海に落ちる夕景撮影が可能。しかしまだ距離は残っている。
夕景撮影も目的の1つだが、道の駅とみうらの菜の花畑を撮るという目的も残っている。間に合うか分からないけれど、ここは道の駅とみうらの菜の花畑を優先して、先に進むことにした。

ここでも下調べ不足でお立ち寄りスポットを1つ逃す。館山城に寄っておけばよかったな。すぐ近くを走っていたから簡単に寄れたのに。旅の醍醐味?である城攻めを逃してしまった。

最後のお立ち寄りスポットの道の駅とみうらに向かう際中、道路沿いから崖中に建つ社を発見。大福寺崖観音堂
ここも道路沿いからズームで撮影。効率的に撮れてなかなかいい。w

道の駅とみうら(南房総市)

EOS R5+RF24-70mmF2.8L IS USM 24mm f11 1/6sec ISO100 PLフィルター

17:30 日没ギリギリになって、今日最後のお立ち寄りスポットの道の駅とみうらに到着。スタートから218km。
富津岬から時計回りで回るとほぼ一周しないと辿り着けないので、日没までに寄れるか怪しかったが、なんとか辿り着くことができた。
菜の花はちょうど満開。そして菜の花畑に沈む夕日を撮影。当初は海に沈む夕日を撮影するつもりだったが、菜の花でもいいじゃないか。道の駅とみうらは、菜の花畑だけでなく素敵なお花もいっぱい。早咲きの桜も咲いていたり。

計画不足でいろいろ撮り損ねたけれど、終日晴れて撮れるだけ撮れてよかったよかった。日没を迎え今日の撮影はこれで終了。
日没後に40km残してしまった。平均時速20kphとしても2時間は走らなければならない。日没後は気温も下がってかなり冷え込んでこれまた辛し。

20:00 263km走ってスタート地点の富津岬に到着。
はぁ~疲れた。さすがにちょっと限界を超えた感じがする。
大変だったけれど、気になっていた房総半島を無事一周できてよかった。次来ることがあれば車かな。w

 

まとめ

房総半島一周サイクリングを終えて思ったことをあげると、

● 1日200km以上は自転車で走る距離ではない(個人的意見)
● 路面状況が凸凹でよくない。振動吸収性等、快適性を考慮したバイクじゃないとかなりつらいはず
● 距離の割には見所は多くはない
● 海沿いなので風の影響はもろに受ける
● きわめて平坦
● リゾートホテルとバイク乗りが多い

とこんな感じでしょうか。

結構大変な感じでしたが、後から振り返ると楽しい記憶になっているのが不思議。
一度は自転車で回ってみても楽しいと思います。

-F5