今年こそ今年こそ年末年始を利用して、上河内岳を経由して聖岳へ!
上河内岳と聖岳それぞれの山頂から朝焼けと夕焼けを撮りつくす!
特に上河内岳からの聖岳の朝焼けは外せない。
ということで、塩見岳の疲れが癒えぬまま、野望実現のため再び冬の南アルプスへ。
登山道崩落状況(2018/12/29時点) 畑薙大吊橋~茶臼小屋
沼平の登山指導センターでは、「通行禁止」と明確に書かれています。
行くかどうかは自己責任です。
主だった損壊状況は以下になります。
年末年始に上河内岳~聖岳をこのルートで考えられている方は、ルートの損壊状況を考慮して行くかどうか判断頂ければよいかと思います。
ココが注意
1.吊橋崩壊
ウソッコ小屋までの吊橋5本のうち、奇数番の1号3号5号の吊橋が落ちています。
(1号吊橋)繋がっているワイヤーにつかまってなんとか行ける程度。
(3号吊橋)石づたいになんとか行ける程度(水量次第)。
(5号吊橋)ジャンプしてもぎりぎりアウトな感じ。
⇒ 石の縁は濡れて凍り付いています。
⇒ 水量にもよりますが、荷物が重かったりジャンプ力が足りなかったり、アクロバティックな動きが苦手な人は、だいたいドボンするかもしれません。
⇒ 比較的こういった動きに慣れている私でも、行きはドボン、帰りはセーフでした。
2.横窪峠_登山道崩壊
横窪小屋に下りる登山道が足元からバッサリ崩れていて下りる場所がありません。
⇒ ただ、右又は左から通って茶臼小屋まで到達している方はいます。
山行記録 2018年12月29日(土)
EOS5DsR+EF16-35mmF4L IS USM 18mm f16 1.3sec ISO100 PLフィルター
新東名で渋滞にはまると睡魔に耐えられずサービスエリアで仮眠。
起きると06:00って思いっきり寝過ごしてとるやんけ!
そんなこんなで09:15畑薙ダムゲート発。
今日予定していた茶臼岳からの夕景撮影はちょっと厳しいかな。
沼平ゲート入口の登山指導員からルートを聞かれる。
「今日は茶臼小屋まで行ってから上河内岳から聖岳へのピストンですが。」
指導員いわく、「最近のルート状況ちゃんと調べてきた?」
いや、もうこの時点でヤバい雰囲気がプンプンする。
「茶臼岳へのルートは使用禁止だよ。吊り橋ほとんど落ちてるから。」とのこと。
ガーン!
話をしていると、何となく行けなくはないとのニュアンスも含んでいそうだったので、上河内岳経由のルートを諦め難く、吊橋もまだ下部の方だったため、突っ込むことにした。
畑薙大吊橋を渡り向こうの世界に足を踏み入れると、もう荒れ放題。
この先何が待ち構えているかヒヤヒヤしながら1号3号の流れた吊橋を何とか渡って、ウソッコ小屋に12:00着。
ウソッコ小屋の裏に回ると最後の吊橋、無残に崩壊した5号橋が。。。
何だこりゃ?
やべぇ...、高さがある。
これ滝壺に掛かってねーか?
橋丸ごと無くなっているよ。。。
意を決して一番狭くなっているところを思い切ってジャンプで対岸に渡る。
飛ぶ前に滑ってあえなく右足ドボンしましたが、冬靴とロングゲーターで運よく靴の中は濡れなかった。
どうしてこの高さの橋が落ちるのだろう?
流木が濁流で流されてきたのでしょうか。
これで障害はなくなり、今日の目的地の茶臼岳まで行けるはず。
14:00 ものすごい急登を歩きづらい冬靴でなんとか登って横窪峠へ。
川の対岸にもう横窪小屋が見えるが、下りようとするとないよ!
登山道がばっさり斜面ごとないよ!
ええ~~~っ、これはヤバい。
落ちた吊橋の比ではない。
荷物を降ろし、斜面から谷を下りるルートを探します。
この夢と希望がたくさん詰まった重た~いリュック、どうすんだよ(泣)。
ダメだ、斜面が急峻なうえボロボロ崩れて脆すぎる。
空身だったらともかく、重量級の荷物を背負って無理に下りれば、足場が崩れて谷底まで落ちていくかもしれない。
14:20 撤退決定。
上河内岳~聖岳の白銀の稜線で朝焼け夕焼けを撮る、という野望は潰えた。
19:00 畑薙ダムゲート着。
今日はいったいどうすればよかったのかな。。。
上河内岳からの朝焼けという第一の目的を捨てて、自転車があれば東尾根から聖岳という選択もできたんですが、歩きだと、、、。
この時間からリカバーする気力・体力もなく、失意のうちに帰りました。
≪後日談≫
家帰ってからヤマレコを調べてみると、落ちた吊橋を渡って上河内岳まで達しているtanaka11さんの記録を見つけました(2018/10/31)。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1634844.html
なぬっ!行けたのかっ!?
自分が「茶臼岳」「上河内岳」「聖岳」で検索していたのは、冬季の12月~3月で限定して検索しており、秋の崩落後の記録が引っかからなかったのだ。
今から思い返しても横窪峠からの崩落地を、パッと見て下りれるとは思えなかった(写真19)。
しかし、「行けてる人がいる」という事実を知って行っていれば、何とかして同じようにずり下りたのかもしれない。
また、左右の斜面の木々をつたって下りることもなんとかできたのかもしれない。
もうすこし迂回路を入念に探して何とか先に進んだのかもしれない。
そこで引き返したのは、数年憧れていたルートが「通行禁止」であったというショックと、それを振り切って落ちた吊橋を何度も渡り切り、重荷を背負って急登を登ってきた身体的な疲労もさることながら、精神面でもダメージがじわじわときて擦り減っていたんでしょう。
心の隅では、もう辛くて怖くて逃げかえりたかったのかな(笑)?
ここ近年温めてきた野望がまたしても実現できず、残念でした。
遥かなる聖岳、なかなか辿り着きません。
怪我もなく帰ってきたので、良しとしましょうか。
こんな時もあります。
沼平ゲートまでの車道について
ココが注意
沼平へ至る車道は、落石が多いです。
スピード出して落石を引っ掛けるといとも簡単にバーストしますので、登山以外でも細心の注意を払うべきです。
具体的には以下の3つでしょうか。
①尖った落石を極力踏まない。
②落石を踏む場合でも止まるくらいにスピードを落とす。
③パンク修理キットではなく、スペアタイヤ積載の方が望ましい。
以前私は、千枚岳→荒川岳→赤石岳→聖岳→茶臼岳と南アルプス深南部を縦走した帰りに、開放感いっぱいで飛ばしに飛ばして帰っていると、ブラインドコーナーの向こうに落ちていた鋭利な落石を左前輪に引っ掛けてしまいました。
前輪で引っ掛けた落石が弾かれて後輪に直撃し、後輪のサイドが裂け瞬時にバーストしました。
スペアタイヤを積載していたため、なんとか事なきを得ましたが(それでも大変な重労働です)、スペアタイヤがない場合はJAFを呼ぶしかありません。
電話が通じればよいですが通じない場所が多いため、まずは電話が通じる場所まで出てから最低でも2時間以上はJAFが来るのを待つことになるでしょう。
林道全般に関して言えることですが、特にこの区間は落石によるパンク・バーストに注意が必要です。