いざ雪山に行く際に冬靴を選ぼうと思っても、なかなか幅広の自分の足に合うものがない!ということはないでしょうか?
山を歩いていて、幅広のSIRIOの靴を履いている方が多いので、幅広の冬用登山靴を探すのに困るケースは結構あるのかと想像します。
そんな幅広足に合う冬用登山靴の1つ、モンベル_アルパインクルーザー3000をご紹介します。
購入の経緯
前靴 SIRIO_712GTXの使用感
冬山を始めた2004年頃からアルパインクルーザー3000に買い換える2018年くらいまでは、SIRIOの712GTXを履いていました。
自分の足は幅広で、幅広の冬靴といえば、その当時SIRIOの712GTXしか選択肢がなかったような気がします。
冬山に行く頻度はそれほど多くなく、十数年きれいに履いてきましたが、行く冬山のレベルも上がり限界も見えてきたので、新しい冬靴が欲しくなってた頃でした。
買い替えを検討し始めたのは、次の要因です。
(1)耐寒性の貧弱さ
712GTXの使用感は、幅広で履き心地は良かったです。ですが厳冬期の赤岳とか行くと、足先がジンジンして、どんなに保温性の高い厚手の靴下を履いても改善しませんでした。最も凍傷になりやすい指先を気にしながら足先の心配もしなければならないのは、結構しんどいものがあります。
(2)ワンタッチアイゼン不可
素早く装着できるワンタッチアイゼンを使いたかったのですが、ワンタッチアイゼン不可とのことなので、セミワンタッチアイゼンを使っていました。素早く装着できるワンタッチアイゼンを使ってみたい。
(3)耐寒性がないわりに重い、柔い
片足重量は970gで、堂々の冬用登山靴としての重量です。耐寒性が完全であれば納得もできますが、耐寒性が貧弱の割に1kgもあると、なんか納得できなくなってきます。さらにソールが柔くて、雪面を歩く際にはやや力が逃げるような気がします。
(4)浸水
使用頻度が低く丁寧に扱ってきましたが、ゴアテックスブーティーが浸水するようになりました。
これはさすがにもう買い替えどきですね。
10数年ぶりの冬靴探し
さて、10数年ぶりに新しい冬用登山靴を探し始めると、以前と変わらず海外ブランドばかり。
海外ブランドのほとんどは欧米人の足に合うように細い造りで、幅広(甲高)の日本人の足には合いません。
裏返して先すぼみに細くなっているソールを見れば、靴を履かずとも入らないのは明らか。
実際足を通してみても、小指の先が締め付けられてジンジンします。
こんなんで山に入ったらとんでもないことになるな。。。
冬靴探しは難航。モンベルショップに行くと、黄色と赤のアルパインクルーザー2000と3000があるではないですか。アルパインクルーザー3000は、モンベルらしくない?と言っては失礼ですが、マッチョなボディに黒いぶつぶつ素材が最先端ぽくなんともカッコイイ!
日本製の「モンベルだったら入るかなぁ~」っと足を通してみたら、何らストレスなく入ってしまいました。
商品情報によると、「3,000m級の冬期登山に対応する保温性と剛性を備える」ときている。
求めるものはこれだ!っと、5万円の靴を即買いしました。
冬靴はデザインうんぬんよりまずは自分の足に合うことが大事。足に合ってデザインもよければ、何も文句はありません。さらに重量も前の712GTXの970gから930gになり、防寒性もアップし軽くなっているから言うことないでしょう!
アルパインクルーザー3000の使用感
幅広感
モンベルショップで試し履きした通り、実際に冬山で使ってもジャストフィットです!
どこも当たったり擦れるところもなく、厚手の靴下を履いても大丈夫です。
耐寒性
耐寒性はというと、こちらも全く問題ありません。
「3,000m級の冬期登山に対応する保温性と剛性を備える」という商品情報の通りでした。
アルパインクルーザー3000を手に入れてから、ぐぐっと冬山の頻度が高まりました。
依然、足先がジンジンに冷えた氷点下16度を下回る厳冬期の赤岳もへっちゃらです。
厳冬期の北岳も3回行きました。1回は北岳から間ノ岳~農鳥岳と白峰三山を縦走しましたが、足先に不安はありませんでした。厳冬期1回目の北岳の時は、悪天候のうえ装備が足らず、ピッケルを持っていた右手が凍傷になりかけましたが、足先は大丈夫。
体の末端が凍傷リスクに晒される冬山において、まず足先の心配がなくなったということは、大きな安心材料となりました。
歩行感
これも「3,000m級の冬期登山に対応する保温性と剛性を備える」という商品通り、剛性が高いです。
アイゼンを履いてもスノーシューを履いても、しっかりと雪面に力が加わる感じがします。
ソールだけでなく靴全体の剛性も高いため、アイゼンやスノーシューで締め上げても、血流が阻害され足先が冷えるということが少ない、というメリットもありました。
重量は930gなのでさすがに軽くはないですが、”3,000m級の冬期登山に対応する保温性と剛性”を備えてこの重量であれば、決して重くはないとは思います。
ただ、登山をスタートする歩き初めが雪上であればよいのですが、舗装路の林道や無積雪の登山道を歩くのには適していません。剛性が高すぎるので、舗装路や無積雪の登山道を歩くには硬すぎるのです。
アルパインクルーザー3000を履いて、上高地から穂高や槍ヶ岳へ向かう場合、雪がないと足がガタガタになります(笑)。南アルプスの上河内岳に向かったときも、標高を上げないと雪が出てこないので、アルパインクルーザー3000での登下降はしんどかったです。
雪がないアプローチが長い場合は、アプローチシューズを検討してみてもよいかもしれません。
剛性が高いので、雪上以外をガンガン歩くと、途端に私の弱い膝がガタガタきます(笑)。
少しでも膝への負担を軽減するために、厚手で衝撃吸収力が高そうなインソールを入れることにしました。これで多少は衝撃は軽減されたでしょうか。
ちなみに厚手のインソールを入れても、足先が締め付けられるようなことはありませんでした。
アイゼン(Kajitax LFX-12)との相性
アルパインクルーザー3000を購入したことを期に、アイゼンもモンベル-KajitaxのワンタッチアイゼンLFX-12に買い換えました。
アイゼンとの相性は、さすがに同メーカーだけあってまったく問題ありません。
ワンタッチアイゼンは外れやすい、と言われることもあります。
実際何度か歩行中に外れたことがありますが、調整が甘くしっかり付けけられていなかったので、ちゃんと調整が合っていればそうそう外れるものではないと思います。
外れたといってもストラップが外れるわけではないので、気づいたら片足のアイゼンがない!なんてことではありません。
そういえば、よく冬山で置いてきぼりにされたアイゼンを見かけるときがありますが、あれはどういう状況だったのでしょう(笑)。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
アルパインクルーザー3000は、幅広足で他に選択肢が少ない自分にとって、最高の冬靴となりました。
使える限り大事に使っていきたいたいですね。
私のように幅広足に合う冬靴を探している方は、アルパインクルーザー3000,おすすめできると思います。