南アルプス

〔300名山〕奥茶臼山 ~最高の苔庭と倒木地獄!撤退しようかと思ったわ~

投稿日:2020年8月15日 更新日:

朝の9時半には、既に1山目の300名山、熊伏山を下山。
まだ丸一日残っているので、300名山ピークハントシリーズで奥茶臼山へ。
コースタイムと距離は結構ある奥茶臼山。遅いスタートとなったけれど、なんとか温泉に入れる時間には戻ってこよう。
日本三百名山に選ばれる、奥茶臼山をご紹介します。

shibawannkoのワンポイントアドバイス/ルート

〔山行〕7時間40分 /〔休憩〕1時間30分 /〔合計〕9時間10分
【上り(4時間30分)】しらびそ峠 12:00 ⇒ 12:40 前尾高山 12:50 ⇒ 13:30 尾高山 13:40 ⇒ 14:10 奥尾高山 14:20 ⇒ 15:20 岩本山 ⇒ 16:30 奥茶臼山17:20
【下り(3時間50分)】奥茶臼山 17:20 ⇒ 19:30 奥尾高山 ⇒ 20:00 尾高山 20:10 ⇒ 21:10 しらびそ峠

〔難易度〕①往復16km②標高差640mと、標高差はないが各ピークで一度下るため、累積標高差は倍くらいになる。
奥尾高山より先の倒木が酷い倒木を跨いで潜るのに、想像以上の体力と時間が失われる
CT4.5時間は、倒木跨ぎを考慮していないと思われる。CTを短縮するのは難しい
⇒ 最初からバリエーションルートとの認識を持っていた方が、心は穏やかになる。
〔危険箇所〕地形的険しさはないが、倒木が酷すぎてルートが一部不明瞭のためRFの要素が入る(赤テープは多い)。
⇒ 念のためGPS持参が望ましい。ヘッドライト登山はお勧めできない。
〔展望箇所〕①青崩峠(南側)/②青崩れの頭前後(南側/北側)/③熊伏山山頂(東側)
〔駐車場〕なし(トイレもなし)。登山口前のヘアピンカーブの道路の幅が広いため、数台駐車可能。

山行記録 8月15日(12:00~21:10)

しらびそ峠~奥尾高山(12:00~14:10)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 33mm f16 1/25sec ISO100 PLフィルター

奥茶臼山は、微妙に歩行時間が長く家からも遠いので、後回しになっていた山。
峠超えで時間がかかったが、熊伏山と同日に登るにはちょうど良い位置にあった。

訪れたこともない遠山郷を経由し、昼前にしらびそに到着。
標高1,800mのしらびそ峠からは、南アルプス南部の山々が眼前に並ぶ。
奥茶臼山って、展望がない山だと思っていたので意外や意外。
登る前から十分な展望が見えてしまった。もう、これでいいじゃね?
しっかりした展望の写真が撮れたので、やや満足してしまった。

12:00 やっぱりピークは踏まないとね、ということで、炎天下の中登山開始。
警報が出るくらいの灼熱猛暑の真夏日だが、標高が高いだけ日陰は心地よい。
登山口には案内板が立ち並び、奥茶臼山まで4.5時間とある。
コースタイムが8時間だから、温泉入るために頑張って6時間半で帰ってこよう。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f11 1/6sec ISO100 PLフィルター

まずは尾高山まで。本日2山目だが、順調に標高を稼ぐ。
一面のしらびそ林で、独特の針葉樹の良い香りがする。
林床は苔で覆われており、美しい森林が展開する。
苔と針葉樹林が綺麗な八ヶ岳もあるが、規模が違う。
この苔としらびそ林が山頂までず~と続くのだ。
森林浴をするは、奥茶臼山がおそらく一番の森ではなかろうか。
苔と森林を綺麗に撮るには、曇天又は雨天の方が良い。
快晴で陰影クッキリで写真的にはぶっ飛んでしまうが、山の景色には晴天がいい。
とかとか思いながら思いながら、標高を稼ぐ。

奥茶臼山までの標高差は640mほどしかない。
しかし、それぞれのピークのごとに標高を落とすため、累積標高差は結構ある。
13:30 1時間半かけて、ようやく尾高山へ到着。意外と時間がかかってしまった。
そして、GPSを確認すると、奥茶臼山までま~だまだあるではないか。
永遠と続く苔の森にも飽きてきて、先行きが重く感じられた。

ヘッドライト山行は極力したくないので、残照のあるうちに帰りたい。
10分程休憩をとってから、奥茶臼山へ急ぐ。
尾高山までは登山者が数パーティいたが、尾高山から先は一人旅。
奥茶臼山に行こうとする人は、300名山ハンターくらいで本当に少ないのだろう。
ヤマレコの記録もめっきり少ない。

14:10 尾高山から1時間歩いて、ようやく奥尾高山に到着する。
1時間でこれしか進まないのか。
近くに「奥茶臼山まで5.1km」の看板が立つ。5kmって相当あるぞ?
行程の半分しか来ていないことに愕然。
今日のお風呂があぶない。。。

途中で尾高山を過ぎてから初めて1人の登山者とすれ違い。
「今日は奥茶臼山に向かったのは3人だけ」と教えてくれた。
他にも何やら言いたげな雰囲気は感じ取ったが、だいたい理解する。
「これから登るのは時間かなり遅いんじゃな~い?」てことでしょうね、普通は。
朝焼け夕焼け撮影で夜間歩行はお手のもの、っていう背景は分からないでしょう。
この時点ではお風呂入りたいので、ナイトハイクの予定は全くありませんでしたが。
時間よりも「この先倒木すごいよ...」と言いたかったのかも、と後から思う。

奥尾高山~奥茶臼山(14:20~16:30)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 28mm f16 1/8sec ISO100 PLフィルター

2山目だがまだまだ元気。これから巻いていこうと休まず先へ進む。
ところがところが、予定を大きく狂わすように、状況が一変する。
奥茶臼山までは「なんだか倒木多いなぁ~」なんて程度の感じだった。
しかし、奥茶臼山から先はまさに倒木地獄。
進めば進むほど、倒木地獄はひどくなっていく。
お~~~っい!なんだよこれは。。。
登山じゃない、”藪漕ぎ”ならぬ”倒木漕ぎ”とでもいうのだろうか。
跨ぐのはよいよ。けどくぐるのは勘弁して欲しい、と言っても仕方がない。

ヤマレコで数少ない山行記録を参考にさせてもらい、倒木がひどいのは知っていた。
しかし、それでも当初の想像をはるかに超えていた。
どちらかというと、一般登山道というよりバリエーションルートに近いとの認識をもって奥茶臼山に入った方が、心が安らぐかもしれない。
しかも倒木を跨ぎまくって、時には跳ねのけくぐって行くので、時間がかかる。
入口で見たCT4時間半は、おそらく倒木を考慮していないのではないだろうか。

行けども行けども、どんどん倒木はひどくなる。
森の中を歩いていると、木々の”縦の線”は見慣れている。
しかし、倒木が幾重にも重なる”横の線”は全く見慣れない光景だ。
そのうち、倒木でルート不明瞭になり、ルートファインディングの要素も加わる。
倒木跨ぎで体力と時間が失われ、さらに眼前に広がる倒木林を目にしたら思った。
「撤退しようかな。。。」
一瞬そんな考えもよぎるが、もう一回来る苦しさを思うと、足は前に進む。
「しらびそってなんでこんなに倒れるのかな~、折れやすいのかな~?」
とかとかいう独り言が自然に口から発せられる(笑)。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 44mm f16 1/30sec ISO100 PLフィルター

ようやく木々の向こうに奥茶臼山らしきピークを捕捉する。
まだあれだけ登るのか...。
標高差はあるが、〇〇みたいな倒木林は収まる。
かわりに一面苔むした絨毯が現れる。雨の日くれば綺麗でしょうね。
最後の急登を登ってゆくと、久しく見えていなかった展望が開け始める。
既にピークには雲がかかっているが、夏のこの時間に晴天が見れるだけ儲けもの。
写真的にも全然OK!
ほどなくして疎らに木々が生える林の中に、上り坂が切れる平坦な地が現れる。

奥茶臼山(16:30~17:20)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f16 1/10sec ISO100 PLフィルター

16:30 コースタイムジャストの4時間半をかけて、ようやく奥茶臼山山頂着。
やったよ、ようやく着いたよ、奥茶臼山!
もう多分二度と来ないよ、奥茶臼山(笑)。
頑張って登って、コースタイムをオーバーすることだけは何とか意地で回避できた。
2山目で疲れていて、コースタイムカツカツ。
しかし、おそらく多くの人はCTオーバーをするのではないでしょうか。
ルート不明瞭な部分がある奥茶臼山こそ、時間に余裕を持たせた方が良いでしょう。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f16 1/20sec ISO100 PLフィルター

奥茶臼山から前茶臼山方面へ行くと、少し展望が開けて南アルプスが見える。
ちょうど良い感じの夕暮れで晴れ渡り、光線状態が抜群に良い。
写真的には、この時間に登ってきてちょうど良かった、ということにしておこう。
高い山には雲がかかるが、晴れ渡った夕暮れのくっきり青空が素晴らしい。
前茶臼山まではピンクテープがあったが、とても歩いて行けるとは思えない。
大変な思いをしてきただけあってか、この青空が絶景に思えてくる。
そして人生は有限。残された時間で奥茶臼山にもう1回来ることはないだろう。
そう思うとこの景色が異様に愛おしい。
撮り残しがないように、入念に南アルプスの倒木と青空を撮りまくった。

奥茶臼山~苔森~しらびそ峠(17:20~21:10)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 39mm f16 5sec ISO100 PLフィルター

17:20 大休止して体力も少し回復。
もうそろそろ帰るよ。そして今日のお風呂はもう無理です(涙)。
どんなに高照度のヘッドライトがあっても、状況によってはリカバーできない。
それは夜間の霧と不明瞭なルート。
ただGPSで正しいルートを刻んできているので、迷ったら跡を辿ればよい。
そうはいっても、何とか残照が残るうちに倒木区間を越えておきたい。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 47mm f16 6sec ISO100 PLフィルター

山頂から急登を軽やかに下ると、また倒木が重なる”横”の景色が展開する。
あ~あ、どっこいしょ。
帰りは歩いてどルートを覚えているので、コツはつかめてきた。
倒木で塞がれていてもすぐ脇を通るのが正解で、大きく巻くのはNG。
いい加減投げやりに倒木を跨いでいたら、タイツに刺さってビリっと穴が開いた。
苔むした森に夕日が差し込む。

19:30 なんとか残照が残るうちに激倒木エリアを越えて、奥尾高山着。
20:00 もうヘロヘロ尾高山。
21:10 登り返しとかうんざりしました。しらびそ峠着。
久々に”想定外”に出くわした、記憶に残る奥茶臼山でした。
苔と森は綺麗なので、一度倒木を漕いでみるのも面白いと思います。

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