北アルプス

〔200名山〕毛勝山 ~北方稜線からの剱岳展望!クワガタ池と巨樹を見る~

まだ登っていない200名山を探すと、北アルプスの北端、剱岳の裏に毛勝山が残る。
登山口は富山県側からで、神奈川県からは非常に行きづらいエリアの1つ。
同じ富山県側に登山口を持つ、奥大日ヶ岳と合わせて行ってきました。
剱岳の展望が優れる、夏の毛勝山をご紹介します。

shibawannkoのワンポイントアドバイス

〔難易度〕 ①CT--時間/②11km/③標高差1,700mでハード。コース全般通して急。心肺持久力と脚筋力が必要。
〔危険箇所〕特になし。この時点でルートは明瞭で、道迷いの心配はありませんでした。
〔駐車場〕 登山口に車2~3台の駐車スペースあり(無料)。
〔展望箇所〕毛勝山山頂。森林限界を越えれば日本海側の展望が開けるが、剱岳を見るならば山頂まで一直線。
〔お花畑〕 モモアセ池周辺/クワガタ池周辺/毛勝山山頂

山行記録 2014年8月3日(01:45~14:30)

上り(登山口 01:45 ~ 毛勝山山頂 08:00)

EOS5D MarkⅡ+EF24-105mmF4L IS USM 50mm f16 1/8sec ISO100 PLフィルター

焼岳→奥大日岳と登った後の、灼熱の夏山3連山目。
富山から回って夜間登山口に到着して仮眠。
日中もそうでしたが、日本海側の夏は海が近いからか湿気が多くて無茶苦茶暑い。
毛勝山の登山口は日本海からすぐの標高の低い場所のため、暑くて暑くてとても寝れません。
あまりの暑さで少ししか寝れない中、登山開始時刻になりました。

01:30 灼熱の夏山3連山目でもう疲労困憊。準備を整え登山開始。
夏山は気温が上がる前に山頂や稜線まで標高を上げてしまうのが良い。
体力消耗を抑えられて、雲が湧く前に山頂から展望を楽しめる。
二度も来ないだろうこのハードな毛勝山からの剱岳の写真を、確実に1発でものにしたい。
それにしても1時半はちと早すぎるな。
しかし、毛勝山は標高差が1,700mで、歩行時間も長くてもっと早く出てもいいくらい。

真夜中からヘッドライトを付けて急登につぐ急登をひたすら登る。
夜間でも湿気が多くて標高が低いので、くっそ暑い。
辛い暑いと言っていますが、このルートをほぼ独力で作った方へ敬意を払わなければならない。
疲労と寝不足で途中からペースが落ち、山頂から程遠い中腹あたりで日の出を迎える。
見慣れない日本海側の景色が広がり、初めての山はこの新鮮さがよい。

登っていくと、わずかな平地にテントが1張。
2人組の方がテント泊をされていました。
山中1泊してこれから毛勝山に登るとのこと。
この急な標高差のあるルートで、私はとてもテントを担ぎ上げる気にはなれない。
目的は人様々ですが、体への負担だけを考えれば、徹底的に軽量化して日帰りした方が負担は少ないと思う。

山頂に近づくと、クワガタ池等の池塘が現れ、登り一辺倒の苦しい登山道に変化を与え楽しませてくれます。
それにしても「クワガタ池」とは楽しい名前を付けてくれますよね。
小さい頃クワガタが大好きだった私は、つい喜んでしまう。

毛勝山 山頂(08:00 ~ 08:30)

EOS5D MarkⅡ+EF24-105mmF4L IS USM 45mm f16 1/15sec ISO200 PLフィルター

08:00 登り始めて6時間半で、ようやく毛勝山山頂に到着。
標高差1,700mの登山道を、ようやく登り切りました。
丸ぁ~るい毛勝山山頂からは遮るものは何もなく、あの剱岳が眼前に見える。
そして初めて見る角度の剱岳です。
まぁ、剱岳はどこから見てもトゲトゲなんですが(笑)。

遠方のハードな山で、おいそれと登り直すことができない毛勝山。
晴天を当てて臨みましたが、残念ながら空気の透明度が低く、薄雲が太陽を覆う。
もう少し「パッ」と強烈な日差しが当たってくれると、もっと「キラキラッ」って輝くのですが。
今日は真夜中からよく頑張りました。
よく見ると山頂には小さなお花がたくさん咲いている。
丸い山頂から景色を楽しみながら、朝食だか昼食だか分からない食事を摂り、体を休ませました。

下り(毛勝山山頂 08:30 ~ 14:30 登山口)

EOS5D MarkⅡ+EF24-105mmF4L IS USM 24mm f16 1/10sec ISO200 PLフィルター

雲は多くなり、空はドス曇りに。
08:30 そろそろ帰ります。
帰りは一転、自分が登った標高差が死ぬほどつらい。
まだかまだかと思いながら急坂を延々と下る。
そんな辛い下りでも、クワガタ池とモモアセ池とお花畑が楽しませてくれます。

EOS5D MarkⅡ+EF24-105mmF4L IS USM 45mm f16 1.5sec ISO200 PLフィルター

さらに標高を下げると、真夜中には気付きませんでしたが、巨木が次々現れます。
山を歩いていても、なかなかこれほどの巨木に出会うことはそうそうありません。
昨日の大日岳へのアプローチの途中で通った、美女平で見た立山杉に近いものでしょうか。
それにしても、どうしてここのエリアにこれだけの巨木が残るのでしょう?
不思議でなりません。
いずれ全国の巨木巡りをしてみたいな、と思わせるほどの巨木との出合いでした。

14:30 登山口下山。
真夏の深夜からのハードな登山、疲れ果てました。
もう一回条件の良い時に撮り直したいと思いますが、この大変さを「もう一回」はあるかな。

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