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笛吹川東沢釜ノ沢左俣/甲武信ヶ岳_新緑シャクナゲ ~名瀑連なる魅力が凝縮!三度目の名渓を日帰りで~

投稿日:2020年6月7日 更新日:

綺麗な淵や名瀑連なる東沢渓谷の感動が忘れられない。
遥か昔に2回行ったけれど、それはフィルムカメラの時代。
両門の滝が見たくて、初めての沢に中盤カメラとテントを担いでよく行ったものだ。
新緑の東沢渓谷を撮り直したい!ということで、三度東沢渓谷へ。

登攀要素が少なく「沢登り初級」と紹介されるけれど、長いんですよ。
しかも沢登りにして甲武信岳まで詰めると、標高差が1,400mもあったりして。
1回目は沢中テント泊で、翌日甲武信ヶ岳登頂後に、徳ちゃん新道ヘロヘロ5時間下山。
2回目は甲武信山荘テント泊で、やっぱり帰りはヘロヘロ下山。
このロングルートをテント泊って、、、重くね?
翌日徳ちゃん新道下山だけってつまらないし、そもそも明日仕事なんだけど。
ここはやっぱり日帰りっしょ!
コロナ自粛で完全になまっている体に、ピリッといい感じのルートだ。
ということで、レンズも1本に絞り、超軽量化して日帰りで望むことにした。

shibawannkoのワンポイントアドバイス/ルート

〔山行〕12時間40分 /〔休憩〕2時間50分 /〔合計〕15時間30分 (※ 水師沢出合手前でスマホGPSの電池切れ
【上り】西沢渓谷バス停 05:30 ⇒ 07:00 法螺の貝 07:30 ⇒ 12:00 両門ノ滝 12:50 ⇒ 16:20 甲武信小屋 ⇒ 16:40 甲武信ヶ岳
【下り】甲武信ヶ岳 16:50 ⇒ 21:00 西沢渓谷バス停

〔難易度〕①甲武信ヶ岳往復18km/②標高差1,350m
・ 沢登り初級と紹介されるが、長い距離を歩き切れる体力は必
・ 沢登りのため、同じ日帰りでも日帰り塩見岳又は笠ヶ岳よりも大変な感じ。
〔危険箇所〕
源頭部詰めの道迷いが一番のリスク。GPS必須(予備電池あるとよい)。
・ 岩登り要素は、①薬研の滝上の6mの滝と②魚留の滝で瞬間的に必要。
・ 岩慣れしている人であればロープ不要(緊急時は除く)。
〔駐車場〕 西沢渓谷駐車場(無料)
〔展望箇所〕 甲武信ヶ岳山頂

山行記録 2020年6月12日

西沢渓谷入口 05:30 ~ 06:20 東沢渓谷入渓

05:30 案の定寝過ごして、西沢渓谷入口よりスタート。
今日は沢の超ロングルート。もう1時間早くても全然よかった。
西沢山荘通過。隣には徳ちゃん新道入口が見える。
今日は何時にここに戻ってこれるのやら。果てしない長い道のりで、気が重し。
いつもの西沢渓谷への吊橋を渡る。
吊橋上より東沢を見やる。怖いよぉ~。
まじ行くのか。何が起こるか分からない沢登りの領域へ。

いきなしすぐに訳の分からん看板。
「ホラ貝付近沢下り中死亡事故多発。ライフジャケット着けよう」
ライフジャケット??んなもんねーよ。
そもそも沢登りにライフジャケット必要か?
気にせず突っ込むことにする。
とはいえ「死亡事故多発」の看板が、妙にビビり心に効く。
逃げ帰りたくなるところ、早速ヘルメットで安全対策を施した。

鶏冠谷出会 06:20 ~ 07:00 法螺の貝 07:30 ~ 08:00 山の神

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 28mm f16 8sec ISO100 PLフィルター

河原に下りてすぐに鶏冠谷出合に到着。
昨日の降雨後だが、水量はそれほど多くはない。
沢靴に履き替えることなくダブルストックで渡り切った。
後から思えば、沢靴に履き替えておいても良かった。
さ~って、心を奮い立たせて沢登ロング日帰りをスタートしますか。
山の神までは、高巻き道をまきまきマキマキ。
巻き道は安全な登山道ではないので、焦らず慎重に。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 38mm f16 8sec ISO100 PLフィルター

07:10 "笛吹川の神秘”を目の当たりにする。
何度来ても深い緑色の水をたたえている。
手前の浅瀬は透明すぎて何もないように見える。
法螺の貝で30分も佇んでしまった。
ロングルートでの時間の使い方がヤバい気がする。
流れを渡って先を急ぎます。
法螺の貝の右(左岸)から急斜面を高巻き。急だけれど掴むところは豊富にあった。

う~ん、深いゴルジュだ。
さっきからあった「沢下りで法螺の貝に下りるな」という看板は、
このゴルジュに下りて流れていくということか!
ようやく看板の意味を理解した。
ここ流れていくの?いや、、、結構です。
覗き込んでるだけで、ブルブルしてくるんですけれど。
人それぞれ崇高な趣味がありますから。
私にはやっぱりライフジャケットは必要なかった。

山の神の手前で、高巻き道から沢に下りる。
下りる前に足元をよく確認しておけばよかった。
5mくらい残置ロープで下りるでしょうか。
ステップなし!ゴム底シューズで足が滑り、
コロナ自粛で衰えた腕力で自重を支え切れるわけはなく、残り1m弱を落ちる。
ドボーン!ミシィっ!
両足登山靴浸水のあげく、ストックが折れてしまった。
15年以上一緒に山を渡り歩いてきた俺の右手が折れてしまったよぉ~。
しかもロングルートの序盤でやっちまった。
ガラガラのゴーロ歩きや標高差の下りどうしよう、
って折れてしまったものはどうしようもない。
これ無理じゃね?
下り口が水たまりとか言って、なんかの罰ゲームとしか思えん(笑)。
過去2回は1回もドボンしなかったことを考えると、多分岩が乾いていたんでしょう。
いや~、どのみちあちこち滑るんだったら、
鶏冠谷出合で渡渉するときに沢靴に変えておいてもよかったな。

山の神 08:10 ~ 08:40 東オツクエ沢 ~ 09:00 乙女ノ沢 ~ 09:20 東のナメ沢

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f16 0.3sec ISO100 PLフィルター

08:00 大岩の上に祠がある山の神に到着。
無事に家族のもとに帰してくだされ。
山の上で沢靴に換装。
徹底的に軽量化してきたのに、登山靴を濡らして重たくなったことが腹立たしい。
頭にきたので、背中で靴下を乾かすことにした。
下山するころには少しは乾いているでしょう(笑)。

ここからが、東沢渓谷の美しい淵が連続する。
水が透明なのが非常に印象的。綺麗だなぁ~。
このあたりから、久しぶりの沢歩きに慣れてきた気がする。
怖さよりも楽しが勝ってくる。
この絶景ともいえる綺麗な沢を歩く幸せ。
ジャバジャバ行きましょー。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f11 1/40sec ISO100 PLフィルター

浸かるに手頃の淵が連続する。
1回でいいから泳いでみたいなー。
全身濡らしても後々大変だし、喜びを分かち合う相手もいないボッチだしな~。
この淵がもう少し近い場所にあれば何度も泳ぎに来れるんだけれど。
今日は日帰りなので、これ以上油を売っていられない。
先を急ぎます。

東のナメ沢 09:30 ~ 10:00 西のナメ沢

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 45mm f16 1/15sec ISO100 PLフィルター

09:20 次に現れたるは、東のナメ沢。
流量は少ないけれど、でかい!でかーい!
近づくと逆くの字に曲がった上部が見えなくなってしまう。
ナメ滝の流水が、静かに本流にそそぐ。綺麗だよ~。
3度目で今回で最後になるだろう東沢渓谷。
せっかくなので、東のナメ沢を少し登って見ることにした。
少し登ると、上部が見渡せるようになる。
天から降り注ぐような、新緑の東のナメ沢。
これ以上登っても怖いので、そろそろ下りましょう。
下りは過重が乗って、尻で下りることになった。

西のナメ沢 10:20 ~ 10:50 釜ノ沢 ~ 11:00 魚留ノ滝

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f11 1/40sec ISO100 PLフィルター

"東”とくれば、今度は"西”かな。西のナメ沢が遠くに見え始める。
10:00 西のナメ滝に到着。
綺麗ですね~。こんなナメ滝なかなか見ないですよね。
東のナメ沢と違い、このつるんつるんの急斜面は、全く登れる気がしない。
さて、次々行きます。

10:50 見覚えのある釜ノ沢への分岐が現れた。
この大岩が目印。ここを右!左に行ってはいけないよ。
分岐を右の沢に入ると、看板が複数あるので迷わないでしょう。
昔はこんな看板もなかった。お助けケルンが積みあがっていた気がする。

魚留の滝 11:10 ~ 11:20 千畳のナメ ~ 11:30 野猿の滝(曲り滝6m)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 35mm f8 1/125sec ISO100 PLフィルター

釜ノ沢に入ってしばらく行くと、魚留の滝が現れる。
11:00 魚留の滝着。ナメ滝だけれど水量が多くて豪快!
小さく見えるけれど、10m超と結構大きい。
これってウォータースライダーできるのかな?
ナメ滝はスローシャッターより高速の方が良い気がする。
これから登り。カロリーを摂取して、先に進みましょう。
左(右岸)のつるつるスラブを攀じ登ります。
手前の薄い窪みに過重をかけ、
伸びあがって割れ目を掴んでグイっと体を引き寄せて登りあがります。
昔は木が立てかけられていて楽勝でしたが、
リーチが短く腕力のない女性はちょっと厳しいかもしれない。
瞬間的に登攀要素があった感じ。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 38mm f16 1/6sec ISO100 PLフィルター

魚留の滝の上部に出ると、釜が連続し、曲(ねじれ)の滝が現れる。
天気が良すぎて、陰影クッキリのぶっ飛んだ写真になってしまった。
ここは難なく右(左岸)を攀じ登る。楽勝。

曲の滝の上部に這い上がると、有名な千畳のナメに続く。
一枚岩の上を薄く清らかな水が流れる。こんな流れが50~60m続く。
何度来ても不思議なところだ。
曇りの柔らかい光で撮りたかったのだが、雲一つなく晴れ渡ってしまった。
これはこれで新緑の爽やかな千畳のナメが撮れた。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 41mm f16 1/6sec ISO100 PLフィルター

崩落地を過ぎると、野猿の滝(曲り滝)が現れる。
晴れ過ぎてしまって、陰影が酷い。
滝・渓谷を撮るには、やはり柔らかく光が回る曇天雨天が向く。
どうしようもない。
足元を見ると、水たまりに新緑のモミジが浸かり、青空が映り込む。
時間と電池の消耗に焦る中、和ませてくれた。
滝の落ち口には釜ができ、エメラルドグリーンではなく神秘的なブルーだった。
ここは右(左岸)の超急斜面を高巻く。
高巻き道からの復帰はいやらしい所があったので、慎重に柔らかい荷重移動で。

12:00 両門ノ滝 ~ ヤゲンの滝15m

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f11 1/50sec ISO100 PLフィルター

12:00 スタートから6時間強かかって今日のハイライトの両門の滝に到着する。
6時間も歩くと通常クタクタなはずだが、
次から次へと美しい淵と名瀑が現れるため、あっという間の感じだった。
楽しかったのか、疲れもほとんど感じない。
珍しいダブルのナメ滝。
意外と釜もコンパクトで滝も20mとさほど大きくはない。
新緑のモミジとミツバツツジが流れてきた。
誰もいない絶景の独り占め。
滝音のみが響き渡るが、心は静か。

ドピーカンではなく、柔らかい光でスローシャッターで撮りたかったため、
千切れ雲をひたすら待った。
なかなかここまで来るのは大変だから。
そんなこんなで、なんと両門の滝で1時間使ってしまった。
右側の東俣の滝を右の斜面から高巻く。
既に13:00って、日帰りとしては厳しい時間帯になってきた。
そしてスマホの電池がぐんぐん減って残量30%。
やばくね?この先の詰めの分岐でGPS使えなくなったら。

両門の滝からすぐに薬研の滝。
右からマヨイ沢が流れ込むが、中間の薬研の滝右の緩い岩場を上る。
カメラの電池残量まで点滅し始めた。予備電池まで軽量化するとは間抜けだった。
ハイライトは過ぎたといえ、あと20~30コマくらいか。

すぐに6mの滝が現れる。
ここは左(右岸)から巻き始めて、滝横をかすめて抜ける。
登攀要素があまりない東沢渓谷だが、
この6mの滝が一番登攀要素が必要で難しいところ。
細かいステップに荷重をかけ、小さなホールドを掴んで落ち着いて通過したい。

長いゴーロ ~ 14:20 2段20mの滝 ~ 16:00 源頭部詰め

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f16 0.6sec ISO100 PLフィルター

6mの滝を過ぎると沢はゴーロと倒木で荒れ、今までの美しい沢との落差が大きい。
綺麗な沢歩きはここで終わり。ここから先は山の険しさを感じる山頂までの詰め。
ながいゴーロ歩きだが、沢水が復活する。
スマホの電池残量10%。やばいよ~。
せめて詰めの分岐を過ぎてから、と思っていたら電池が尽きた。
GPSが使えなくなったため、後は記憶が頼り。
まぁ何となく地形は頭に入っているんだけれど、
詰めを間違えたときの悲惨さを思うと不安がぬぐえない。

ストックが折れたため、ストック無しでゴーロ歩きをしていると、
体を支えるの脚筋の疲労が激しい。
徐々に脚筋力が失われているのが分かったため、折れたストックを使うことにした。

長~いゴーロ歩きの後に、2段20mの滝が現れる。
下段は左(右岸)から登って、中段まで来ました。
ここは右の草付きをのぼります。
高度感はありますが、階段状になっているので、慎重に行けば大丈夫でしょう。

滝の上に出るとすぐに水師沢との分岐。
ここは右!間違って直進しないように。
ここまで来ると、どちらが本流かはパッと見分からない。
分岐の倒木にご丁寧に看板が設けられていた。

さらに微妙な分岐があったが、道しるべはなかった。
GPSが死んでいるので、記憶を頼りに慎重に分岐を判断する。
右を選んだが正解だったらしい。
トイ状の小滝が現れた。道が正しいことを確信する。
だがまだまだ油断はできない。

凄まじい急斜面の詰め。
もうこのあたりから上りの脚筋力が死滅したようだ。
亀みたいにゆっくりしか登れないし、乳酸も出まくる。ぐるじ~。

恐ろしいほどの急斜面を攀じ登ると、最後の要注意の分岐が現る。
左が釜ノ沢の本流で右が木賊沢で、
手前の木賊沢をトラバースして中間の尾根に入り込むのが正解。
中間の尾根に入り込んで一安心。
超急斜面で写真を撮っていたら、レンズカバーが滑って谷底に落ちていった。
今日の身代わり地蔵2体目?
周囲を見渡すと尾根まではどこも絶壁のように斜面が立ち上がっている。
ここで詰めを間違えると、本当にヤバいことになるんじゃないかと思う。
ここまで来れば大丈夫かな。
ここが笛吹川の源頭部。感慨深い。
しかしコロナ自粛で脚筋力が衰えたか。乳酸出まくり超遅鈍行。

15:50 ようやく甲武信小屋のポンプ小屋に到着した。
生還を確信した。源頭部の水は冷たすぎた。

16:10 甲武信山荘 16:20 ~ 16:40 甲武信ヶ岳~(徳ちゃん新道)~ 21:00 西沢渓谷入口

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 70mmトリミング中 f8 2.5sec ISO100 PLフィルター

16:10 甲武信小屋着。下り用に3分割した最後のエネルギーを補充する。
ここまで来たら、甲武信岳まで登頂しましょう。
山頂付近は、八ヶ岳のような苔むした樹林帯が続く。
「山頂まで400m」って書いてあったけど、本当に400mか?
感覚的にもっと歩いているような気がする。

16:40 スタートしてから11時間で甲武信ヶ岳山頂着。
やったよ~、ようやく着いたよ~。ガスってて展望なくても関係なし。
様々な困難を克服し、東沢渓谷から登り切れたことだけで純粋に嬉しい。

自撮りをした後、下山開始。
苔むした針葉樹林がとってもモイスチャー。
下りの脚筋力は残っているようで、上りと打って変わって元気。
凄いボリュームの稜線上のシャクナゲ林。
これ咲いたら綺麗なんでしょうね。
帰りの徳ちゃん新道はリスクはないが、長くていったいいつ下山できるのやら。

18:30 大分暗くなったが1年で最も日が長い日。2,000m付近で咲いていたシャクナゲを見ることができました。
①東沢渓谷の撮影、②甲武信岳登頂、そして、③甲武信岳のシャクナゲを見る、という3つの目的を全て達成。
ひときわ色濃く綺麗なシャクナゲ。
甲武信ヶ岳の魅力は、東沢渓谷に凝縮されていることを再認識する山旅でした。

21:00 西沢渓谷入口下山。
下山沢登りの下山報告が21時って、心配かけてゴメンナサイ。
甲武信ヶ岳、満足しました。
四度目の東沢渓谷~甲武信ヶ岳はあるのかな。

お隣の西沢渓谷はこちら

〔100名瀑〕西沢渓谷_新緑 七ツ釜五段の滝 ~翡翠色の釜をたたえる奥秩父の秘境へ~

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