北海道

雨竜沼湿原 ~暑寒別岳までは晴れず届かず!ヒグマの気配たっぷり~

大雪山富良野岳に続いて、北海道遠征3日目。
出発前の予報より天気が悪転して、早や3日目で晴れマークが消える。
辛うじて旭川エリアに午前中の一時だけ晴れマークが付くが、昼から雨。
まだ登らぬ暑寒別岳に行きたかったが、この山は長い。
どこの登山口からは入っても、ロングルートだ。
う~ん。ヒグマ密集エリアで、ナイトハイクはさすがにやめたい。
早朝晴れることを期待して雨竜沼湿原までとし、様子を見て南暑寒別岳か。
雨竜沼湿原の高山植物をご紹介します。

shibawannkoのワンポイントアドバイス/ルート

〔山行〕5時間 /〔休憩〕1時間50分 /〔合計〕6時間50分
【往路】南暑寒荘野営場休憩舎 04:20 ⇒ 04:20 南暑寒荘 ⇒ 04:40 白竜の滝 05:00 ⇒ 06:20湿原(入口)展望台 07:00 ⇒ 07:40 湿原奥の分岐 08:200
【復路】湿原奥の分岐 08:200 ⇒ 9:00湿原(入口)展望台 09:10 ⇒ 10:30 白竜の滝 ⇒ 11:10 南暑寒荘野営場休憩舎

〔難易度〕周回して①12km/②標高差300mで、標高差はないが距離はある。のんびりしなければ半日登山。
〔危険箇所〕よく整備されて危険箇所はないが、湿原全域ヒグマエリア。もしもの時の熊スプレー持参が望ましい。
〔花期/お花畑〕7月中旬。湿原全域で高山植物は見れる。

山行記録 2020年7月21日(04:20~11:10)

南暑寒荘野営場休憩舎~湿原入口展望台(04:20~06:20)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f8 0.3sec ISO100 PLフィルター

夜間、富良野から南暑寒荘へ移動するも、なんとダート。まだ13kmあるのに。
引き返そうかと思うが、この時間からの予定変更は不可能だ。
絶対にパンクをさせないよう、15km/h以下の速度で進む。
なぜかダートと2車線の舗装路を交互に繰り返す。頼むから全面舗装してください。

04:20 微妙に明るい時間帯に南暑寒荘からスタート。
前日の富良野岳でヒグマに吠えられまくったので、今日は忘れてはいません。
熊スプレーに熊鈴にホイッスルの、万全のクマよけ装備。

湿原入口展望台~湿原奥の分岐(07:00~08:20)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 44mm f16 1/15sec ISO100 PLフィルター

1時間半ほどで、雨竜沼湿原のあるテーブルマウンテンに辿り着く。
湿原入口では、いきなしアヤメとシモツケソウが迎えてくれる。
目の前に広がる果てしなく広がる空間が、雨竜沼湿原だ。
下り坂の天気予報通り天気は優れないが、素晴らしい光景。
こんな湿原がまだあったとは。表現できない感動がある。来てよかった。

06:20 湿原入口からしばらく行くと、湿原展望台に着く。
正面には蛇行した、ペンケペタン川が流れる、第一の見所が広がる。
う~ん、素晴らしい。これで青空だったらさらに文句がないのだが。
しばらく行くと池塘が点在する。
「北海道の尾瀬」と呼ばれるのがよく分かる。
そして広大な湿原の遥か奥には、暑寒別岳が雲から顔を出すところだ。
これは遠いわ。昼に雨が降り始める前に辿り着くのはできないだろう。
登頂諦めモードで、雨竜沼湿原を時間かけて見て回る。

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 33mm f16 1/30sec ISO100 PLフィルター

平日の早朝、1パーティが南暑寒別岳へ向かった以外、誰もいない。
気になったのは、花の時期に来ているはずなのに、やや花が少ないこと。
そうこうしているうちに、幸運にも短時間だけ太陽が現れてきた。
急いで展望台まで引き返して、日の差すペンケペタン川の蛇行を撮る。
いいですね~。もうちょっと花があればね...。

登頂諦めモードだが、取り合えず行けるところまで。
誰もいない静かな静かな湿原を進んでいく。これぞ北海道か。
湿原の奥には南暑寒別岳と暑寒別岳が、雲から顔を出したり隠れたり。

湿原奥の分岐~南暑寒荘野営場休憩舎(08:20~11:10)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f16 1/40sec ISO100 PLフィルター

07:40 湿原奥の分岐に到着。
ここまで来ると、雲は低く厚くなり、南暑寒別岳は完全に厚い雲に隠れてしまった。
大雪山→富良野岳と2連山してその移動で、もう疲労困憊。
この天気の中、南暑寒別岳まで行くか?いや、行かない...。
ここまで遠征してピークを踏まないこともないとも思える。
が、悪天の中のピークハントは自分の目的からして何も残らないことは経験済みだ。
また天候の良いときに、お花畑を見に来よう。
湿原展望台までも行かず、木道の上で寝転んだり食事をとったり、しばし休憩。

復路は湿原を一周する形で、時計回りで上半分の木道を歩いて帰路につく。
途中、笹薮が生い茂る場所があり、ヒグマの掘り起こしが箇所が連続する。
掘り起こしすぎて、掘り起こした土が木道にかかってるよ(笑)。
熊の掘り起こしは、球根やアリを食べているのだと、後に管理人から聞く。
そして、この場所もヒグマ目撃多発地帯だそうだ。
だいたい経験的にヒグマ要注意箇所というのは、こうした繁みの場合が多い。
その隣には、今まで見たこともない大きさのヒグマのう〇こ。
今まで何度も見てきたが、これは最大級にBIGだ!
大きさの表現に、shibawanwanに手をつ近づかさせるが、遠近でやや伝わらない。
どうせだったら両手で持ってくれると良く伝わるんだが(冗)。
仕方がないので、自分の靴を横に置いて比較してみたり。
その近くには、ヒグマのねぐらっぽい空間がぽっかり空いている。
それを見たshibawanwan、思いっきりホイッスルを吹きまくり始める。
おい、クマさん刺激するなって!
自分が逆にクマさんの立場だったら、ひっかきたくなるでしょ(笑)。
そんなクマの痕跡に盛り上がりながらも、熊スプレーに手をかけながら早々に退散。
さらに行くと、ミズバショウが根元からバキバキに折られている一帯に出る。
「ヒグマはミズバショウの根を食べるから。ほら、まだその跡も新鮮!」
shibawanwanは、やたらヒグマに詳しくなってきているようだ。
怖がってるのか盛り上がってるのか。。。

昨日の富良野岳でのヒグマ遭遇と違うのは、武器を持っているという安心感。
今日は、この暑寒別岳のために用意した熊スプレーを持ってきているのだ。
後で管理人に目撃情報を聞くと、朝も昼も関係なしにヒグマが出るそうだ。
朝だったり、11時だったり14時だったり関係なしに飛び出てくるとのこと。
登山道を塞いでどかないヒグマとか、熊の糞が30個繋がるエリアとか。
最後の最後にとり得る有効な手段を持っているのとそうでないとは、雲泥の差。
熊スプレーを持っているからこそ、冷静な判断もできるのではないだろうか。

EOS5DsR+MACRO50mmF2.8 EX DG f8 1/125sec ISO100 PLフィルター

そんなこんなでクマエリアを脱出して展望台に戻ってきた。
帰りは花のマクロ撮影しながら帰りましょうか。
ニッコウキスゲっぽい黄色い花は、エゾカンゾウというらしい。
これまた後に管理人から聞くが、エゾカンゾウはシカの食害で少なくなったそうだ。
そして、今年はさらに花が少ないとのこと。
黄色いエゾカンゾウが咲き乱れる写真をよく見るのだが。う~ん、残念。
シカ、食うなよ。
下山することろには雨も本降りに。ぎりぎりセーフでした。
南暑寒別岳は登頂できなかったけれど、よい天気で雨竜沼湿原を見れて良かった。
次は青空の下、お花畑を見るために、また暑寒別岳を訪れたい。
登りたい山が残っているということは、ある意味幸せなことかもしれない。

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