南アルプス

〔200名山〕笊ヶ岳 ~深南部の好展望地!標高差2,100m超えは手強かった~

梅雨明け後の夏季遠征初日。目的は北陸地方に多く残っている200~300名山の登頂。が、金曜日のオシゴト終わらず、ようやく深夜になって出発。
北陸までは夜間運転してもとても届きそうもない...。ということで、初日は近場で唯一残っている二百名山の笊ヶ岳へ。

ルート/shibawannkoのワンポイントアドバイス

〔山行〕11時間40分 /〔休憩〕2時間40分 /〔合計〕14時間20分
【上り】老平駐車場 04:40 ⇒ 06:20 広河原 06:30 ⇒ 07:00 山ノ神 07:20 ⇒ 09:20 桧横手山 ⇒ 09:30 ⇒ 11:10 布引山 11:20 ⇒ 12:10笊ヶ岳
【下り】笊ヶ岳 13:00 ⇒ 14:00 布引山 14:10 ⇒ 15:30 桧横手山 15:50 ⇒ 17:00 山ノ神 17:10 ⇒ 17:30 広河原 17:50 ⇒ 19:00 老平駐車場

ポイント

〔難易度〕①往復24km②標高差2,100mの/➂CT15H超で、日帰り登山としては最高難度のレベル。
〔展望箇所〕①布引山手前の崩壊地と、②笊ヶ岳山頂の2ヶ所のみ。
〔危険個所〕広河原の渡渉くらい。広河原までに現れるシャワーゾーンも崖で意外と危険。

山行記録 2021年7月17日(04:40~19:00)

林道歩き(老平駐車場 04:40 ⇒ 06:20 広河原)

笊ヶ岳登頂の目的は、①小笊越しの富士山と②山頂景色の2つ。
日の出と同時に、老平駐車場のラスト1台の駐車スペースに滑り込む。他の登山者は大方既に出発している模様だった。
04:50 このロングルートで、日の出を迎えてからの遅い出発。夏山は夜間に登って稜線または山頂で日の出を迎えるのが自分のスタイル。まったく自分の山行スタイルではないが、今日はこれができる最善だ。

老平駐車場は標高500mしかない。そして笊ヶ岳山頂は2,629mなので、標高差はなんと2,130mもある。
下りが苦手な自分としては、本っ当に登りたくない(笑)。
甲斐駒ヶ岳黒戸尾根も富士山御殿場口も剣岳早川尾根も避けてきたから、標高差2,000m超えのコースは、冬の北岳の奈良田第一発電所からしかないかも。

日が昇って日が当たる斜面も広がり、すでに気温も上昇してきている。この暑さの中、標高差2,000超を登るとは、先が思いやられる。
今日の目的は小笊越しの富士山の定番カットを撮ることなので、富士山に雲がかかった時点で、今日は負け戦が確定してしまう。大変だけれども、ゆっくりも登っていられない。

1時間半ほど林道歩きと沢沿いをゆるゆる進むと、広河原に到着する。渡渉ポイントに、例の丸木橋が引っかかっている。誰がこんなに上手に丸木橋をかけてくれたのでしょう?
倒木のひっかかり具合も倒木自体の強度もまったく問題なさそう。さすがに丸木橋の上を歩くのは難しそうなので、跨って進むことに。こんなイベントみたいなポイントもあると楽しい。

上り(広河原 06:30 ⇒ 布引山 11:10)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 38mm f16 1/25sec ISO100 PLフィルター

丸木橋を渡り終えてから、ようやく笊ヶ岳への登山が始まる。ここから「さぁ1,600m登ってください」って感じで、半端ない。
ルートのほぼすべてが急登。アップダウンがないので効率よいとはいえるが、猛暑の中、辛いものは辛い。桧横手山くらいが、唯一わずかな平坦な地であったと思う。
布引山に向かう途中で、早くも登頂後の先行者とスライドする。今日の登山者は他に7名ほどいたが、みな猛者猛者しており、気楽で楽しい登山の雰囲気は全くない(笑)。

布引山~笊ヶ岳

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 24mm f11 1/30sec ISO100 PLフィルター

11:00 上りの筋力が尽きてきたころに、布引山稜線に到着する。布引山山頂手前に崩壊地があり、ここが2か所ある展望地の1つ目。
振り返ると、雲は沸いているが、まだ富士山は姿を現してくれている。崩壊地からは南アルプス深南部の山々が展望できる。地味だがすべてが緑に覆われた、南アルプスらしい素晴らしい光景だ。

布引山から笊ヶ岳へは、稜線をコースタイム1時間の距離。稜線歩きと言えば、アップダウン。またここも下りちゃうのね。
最低鞍部手前の樹間から見える笊ヶ岳が、壁のように立ちはだかる。
富士山には雲が上がってきているようだが、もう上りの脚筋はそろそろ死滅したようだ。勘弁してください、まじつらいっす。

笊ヶ岳山頂(12:10~13:00)

EOS5DsR+EF24-70mmF2.8LⅡUSM 50mm f16 1/20sec ISO100 PLフィルター

12:10 やっとの思いで笊ヶ岳到着。上りで7時間半もかかってしまった。目的の小笊からの富士山は、雲が増えて僅かながら富士山山頂が顔を覗かせる。う~ん、確かに富士山は見えるけれど、なんか違うんだよねぇ...。裾野が雲で隠れている分だけ、富士山がやたら小さく見えるというか。
笊ヶ岳からの被写体は東に富士山、西に深南部なので、光線状態は昼がよい。光線状態は昼が良いけれど、昼には富士山に雲がかかるので、なかなか難しい。そう考えると、頂部だけ見えているだけでも良しとしよう。

北方には北岳まで見えていたが、1コマ撮ったら雲に覆われてしまった。
それにしても、聖岳、赤石岳、荒川岳の展望が素晴らしい。圧倒的な山塊だ。この角度から深南部の山々を近くで臨むスポットはなかなかない。

そうは言っても標高差2,100mの重労働の割には、展望スポットは2か所のみ。そして高山植物の時期をズラしてもいるが、ほぼお花はない。
これだったら、花あり展望よし標高差1,700mの北岳の方にみんな行くよね...。
笊ヶ岳、もう1回来ることはないだろうなぁ~、とか思いながら下山開始。

展望写真を一通り撮り終えてから、まずは布引岳まで下って上る。結構ヘロヘロだが、今日の目的をすべて達成したため、心持ち足取りは軽い。
布引岳の崩壊地から、最後に深南部の山並みを眺める。ここより南にもう高い山はないかと思いきや、巨大な山塊が見える。この前登った大無間山か。
南アルプスは一山一山が大きくて、どの山も苦しい思い出ばかり。

下り(笊ヶ岳 13:00 ⇒ 19:00 老平駐車場)

 

あとは広河原まで、標高差1,600mを下るだけ。下りが苦手な者にとっては、もう地獄以外なにものではない。
なんとか標高を下げるが、広河原手前の九十九折り区間が一番膝にきた。

19:10 なんとか歩ききって老平駐車場へ下山。最後の方まで残っていた二百名山の笊ヶ岳。噂通り強烈に手ごわかった。目的は達成できたけど、遠征初日で相当消耗してしまった。

遠征2日目は、南アルプス北部のアサヨ峰へ。

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