東北

〔熊レコ〕ツキノワグマ ~超絶かわいー!クマちゃん激写~

クマとの遭遇は今回で7回目。これだけ多くクマと遭遇するのは単に山行回数が多いだけでなく、あまりクマ避け対策を積極的にとってこなかったことと、自分の人とは異なる山行形態によるところが大きいと思う。

クマ避け対策をあまり積極的にとってこなかったというのは、クマ鈴が五月蠅くてあまり好きではないからだ。特に人の超密集地帯にまでクマ鈴をガランガラン鳴らしている人を見ると、「こんな人混みの中にクマが出ると思いますか?」とつい言いたくなってしまう。

山行形態による部分というのは、朝焼け夕景撮影で人のいない時間帯に三脚を立てて止まっていることが多い。こちらが止まって音を立てずにじっとしていると、野生動物もこちらの存在に気付かないらしい。そうするとツキノワグマやカモシカ等の大型動物がこちらの存在に気付かずに至近距離にまで現れるのだ。こちらもギョッとするけれど、向こうもかなりギョッとして、その次は「なんだよ!」みたいに鼻息をフーンと鳴らして気配を消して去っていく。
この点で、クマ鈴でこちらの存在を知らす、というクマ避け方法はかなり効果の高い方法だと思う。

撮影記録 2022年7月1日(18:00-18:20)

EOS5DsR+EF100-400mmF4.5-5.6L ISⅡUSM 153mmトリミング中 f5 1/160sec ISO100 PLフィルター

今回7回目となるクマとの遭遇は、今までのケースとは少し違う。場所は磐梯山の某温泉施設内。車で帰ろうとしていると、大きな真っ黒いものが道路を横切っていった。瞬間クマだと分かる。もう何度も見ているし、だいたいその大きさの真っ黒い生き物なんてツキノワグマ以外にいないからだ。

こちらは車の中なので、安全は確保されている。ゆっくりクマの行先に近づいていくと、クマは道路わきの木に登ったまま下りてこない。何をしているのかと見ると、ムシャムシャとサクランボを食べているではないか。

こちらの存在は気付いているらしいが、それよりもサクランボを貪るのに夢中らしい。こちらは安全が確保されているので、ゆっくりクマが登っているサクランボの木に横付けして停車。車内からスマホカメラで撮影。
なかなか頭をこちらに向けてくれないが、ときおりサクランボの木から頭を出す瞬間を狙う。クマちゃんが撮れた!しかもこんなに至近距離でしっかりクマちゃんを撮れるなんて。好条件のときは、シャッターを押し込むのが基本。窓ガラス越しだと反射が映り込んでしまうので、少し窓を開けて窓の隙間から激写!何枚も撮って確実に撮れた感覚がある。

もう十分とは思ったが、こういうのは動画で撮った方がいいんじゃない?とか思い始める。今度は動画撮影をしながらクマ観察。
一生懸命サクランボをムシャムシャ食べている。体調は1mくらいで若い個体だろうか。どことなくあどけなさが残る。その一生懸命食べている姿がとてもかわいい。
ツキノワグマは横から見ると鼻が長く飛び出ているので、初めて見たときは黒豚かと思ったことを今でも覚えている。そして丸いお耳が超絶かわいいのだ。ときおり胸元にハッキリとしたツキノワが見える。
よほどサクランボが美味しいのか無我夢中らしい。満足気でもあり嬉しくて興奮しているのだろうか、フーンフーンという鼻息やら息遣いまで聞こえてくる。クマちゃん超絶カワイイー!

クマがこんな人が出入りする施設にまで現れるのは望ましくはないが、別にこちらから餌を与えるわけではないし、ましてや威嚇して追い払う道具もない。息をひそめて観察している分には特段問題はないでしょう。
動画撮影も十分撮れると、シゴトがなくなってきた。いや、もっとやるべきオシゴトがあるではないか。

EOS5DsR+EF100-400mmF4.5-5.6L ISⅡUSM 153mmトリミング小 f5 1/200sec ISO100 PLフィルター

こんな機会はめったにない。デジタル一眼でしっかり高画質で撮らなければならない。超望遠レンズもあるし、十分射程圏内である。急いでレンズ交換を行い、山岳撮影の設定から動態撮影の設定に切り替える。あまりにも近いので200mmの焦点距離で十分だった。
サクランボの木から顔を出す瞬間に、クマの目付近にピントを合わせて連射連射。これぞ激写というのか!夕方の明るさでは、感度を落とさず切れるシャッタースピードは最大で1/200s。意外とクマの動きは早くて絶えず動いているため、ブラさず撮るにはもっと早いシャッター速度が必要であった。結構な枚数で被写体ブレを起こしてしまって、ちょっともったいなかった。

クマちゃんは依然として食べ続けている。ハムハムムシャムシャ、フーン。あらかた木になっているサクランボを食べ終わると、スルスルと木を下りてきた。もう帰るのかなと思いきや、地面に落ちたサクランボを綺麗に食べ始め、食べ終わると上機嫌で軽やかな足取りで山へ帰っていった。
こちらもちょっとお疲れ。なんせ20分くらい一緒にいたから。

この磐梯山の山域はクマが多いのだろう。行くところ行くところに「クマ注意」の看板を見かける。一番印象的だったのは、雄国沼に向かうシャトルバスの案内員の方が、「クマを見かけたらよろしくお伝えください。」と言っていたことだ。要は普通にそこらへんにいるのだろう。それほど豊かな森ということなのだろうか。

どことなくまだあどけなく食いしん坊のクマちゃんで、とても人を襲うようには見えなかった。怖がられて害獣のように扱われるクマだが、この先も人とうまく共存して元気に育ってほしい。
それにしてもクマちゃんかわいかったなー。

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